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ロシアの荒れたピッチに苦しんだマンチェスター・ユナイテッドは、悪くない1-1ドロー!

ヨーロッパリーグラウンド16、ロストフVSマンチェスター・ユナイテッド。EFLカップに優勝したモウリーニョ監督のチームは、プレミアリーグ、FAカップ、欧州とすべての大会で希望をつないでおり、タイトなスケジュールを強いられています。そんななかでのロシア遠征、「あれをピッチと呼べるのか」と指揮官が呆れた荒れたピッチ。週末に開催されるチェルシーとのFAカップ準々決勝を見据えて、キャリック、マタ、マルシアルはベンチスタートです。GKロメロ、DFはフィル・ジョーンズ、ロホ、スモーリングの3バック。サイドにブリントとアシュリー・ヤング、セントラルにはフェライニ、ポグバ、エレーラが並び、前線にはムヒタリアンとイブラヒモヴィッチ。チャンピオンズリーグのグループステージでバイエルン・ミュンヘンを破っているロストフに、先制点を奪われる展開は回避したいところです。

ポグバがボレーをミスした後、こぼれ球をエレーラがミドルシュート。立ち上がりのマンチェスター・ユナイテッドの動きは悪くありません。プレミアリーグ27節のボーンマス戦におけるひじ打ちを咎められ、3試合の出場停止を喰らったズラタンは、後先のことを考えずに欧州に全力を傾けるはずです。6分にブリントが右から上げたFKはGKメドヴェージェフがキャッチ。ロストフの執拗なサイド攻撃に対して、マン・ユナイテッドの守備陣はしっかり密着して自由を奪っています。13分にアシュリー・ヤングが蹴ったロングクロスは、ファーでフェライニとズラタンがかぶってしまい、ヘッドでの折り返しはDFがクリアされます。17分、ロストフのグラナトが肩を痛め、テレンティエフにチェンジ。19分、ホームチームの左サイドからのカウンターは、ボックスに入ったブハロフのシュートをロホが足に当ててCKに逃れました。

シュートが打てないマンチェスター・ユナイテッド。26分にフェライニの頭でのパスを受けたズラタンが遠めから狙うも、ボールは大きく浮いてしまいました。滑るピッチに苦労していた赤いユニフォームですが、35分にワンチャンスを活かします。フィル・ジョーンズが左に振ったロングフィードをフェライニが胸で落とすと、左に流れてきたズラタンに縦パス。ゴールラインまでえぐったエースが柔らかいボールで折り返すと、ニアに走ってきたムヒタリアンがノーマークでボレーを流し込みました。前半はこのまま0-1で終了。貴重なアウェイゴールを決めたマンチェスター・ユナイテッドは、追加点まで奪えれば文句なしです。

後半最初のシュートは47分、ブリントの縦パスをボックスの角で受けて中に持ち込んだズラタン。52分には相手が上がった裏のスペースに走ったブリントがエレーラのパスでフリーになり、グラウンダーをズラタンがスルーすると、最後は右から上がってきたアシュリー・ヤング。シュートはミートしなかったものの、ゴールの可能性が感じられるアタックでした。ここまでおとなしかったロストフは、53分にカラチェフのロングフィード一発で同点に追いつかれます。スモーリングの裏を取ったブハロフは、胸でトラップしたボールをそのままボレー。完璧なプレイに、出てきたロメロは及びませんでした。

俄然元気になったホームサポーター。プレミアリーグでもカップ戦でもすっかりズラタン頼みのマン・ユナイテッドは、中盤でパスをつなげなくなりました。64分、自陣からのFKがポロズに通ったロストフは、落としをもらったエロヒンが右足アウトにかけてシュート。コントロールが効かずに左に外れましたが、アウェイチームにとっては危険なシーンでした。67分、ムヒタリアンが下がってマルシアル。この時間帯は、縦への長いボールが味方に合うようになったロストフがゲームを支配しています。73分、速攻からのカラチェフのミドルは左にアウト。直後に相手のトラップが大きくなったところをダイレクトで叩いたズラタンの右足は、強さを欠きました。75分、ロストフの隠し玉の登場です。イラン代表のストライカー、サルダン・アズムン。プレミアリーグの上位クラブが獲得を狙っているといわれる22歳は、この難しい試合で爪痕を残すことができるでしょうか。

縦へのボールを駆使して攻めるロストフに対して、引く時間が増えているマン・ユナイテッド。86分のガツカンのミドルは、ロメロが落ち着いてキャッチします。モウリーニョ監督が90分を過ぎてからキャリックとバレンシアを入れたのは、ドローでOKというサインでしょう。3分の追加タイムが終わる間際、バレンシアのクロスをフェライニがヘッドで落とすと、マルシアルはボレーを空振り。マンチェスター・ユナイテッドにとって、負傷者なしの1-1のドローという結果は悪くありません。今季のプレミアリーグで頻発している「ホームでドロー地獄」にはまらなければ、ベスト8に進むのは彼らです。

フィジカル重視、経験重視でスタメンを選んだモウリーニョ戦略はよかったと思いますが、いかんせん戦い方が消極的でした。攻撃をリードできなかったポグバは、再三のピンチをつぶしてくれたロホに感謝しなければなりません。後半、完全に死んでいた右サイドを活性化すべく、ムヒタリアンをラシュフォードかリンガードに代えて、サイドに張らせてもよかったのではないでしょうか。とはいえ、モウリーニョ監督にとっては「最高ではないが狙い通り」の90分だったはずです。マンデーナイトのFAカップはマタのリベンジとラシュフォードの勝負強さに期待。ヨーロッパリーグのセカンドレグは、休養充分のズラタンに決めていただければ文句なしです。(マルコス・ロホ 写真著作者/Дмитрий Голубович)

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“ロシアの荒れたピッチに苦しんだマンチェスター・ユナイテッドは、悪くない1-1ドロー!” への3件のフィードバック

  1. 名無し より:

    モウリーニョのコメントが全てで狙い通りのドローだったゲームでしたね。

  2. 不知火 より:

    とりあえずアウェイでドローはまあまあの結果だと思います。
    リーグで4位に入るのが現実的に難しい以上、ヨーロッパリーグの優勝は必須です。
    なんとか今期CL権をつかんで欲しいです。

  3. makoto より:

    名無しさん>
    3バック、交代カード、観てる側にもゲームプランが伝わるおもしろい一戦でしたね。最後の数行はボスの言葉を聞く前に書いたのですが、やってる側と見る側が同時に叫んだ「狙い通り!」だったのかもしれませんね。

    不知火さん>
    同じ気持ちです。「EL初優勝&欧州3大カップコンプリート」とチャンピオンズリーグ出場権の両取りで。

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