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追加点を獲れなかったマンチェスター・ユナイテッドが、最後に追いつかれて得意のドロー!

プレミアリーグで21戦連続無敗ながら、思うようにゴールを決められない試合が多く、リーグ最多の12引き分けで5位に停滞しているマンチェスター・ユナイテッド。本日のヨーロッパリーグ準々決勝ファーストレグ、アンデルレヒトとのアウェイゲームは数少ない「ドローでOKのゲーム」ですが、オールド・トラフォードでのプレミアリーグで9つも引き分けているチームだけに、ここで勝って2戦めを楽な試合にしたいところです。モウリーニョ監督のスタメンは、ほぼベストといってもいいでしょう。GKロメロ、DFバレンシア、バイリー、ロホ、ダルミアン。キャリックとポグバの2センター、トップ下にムヒタリアン。左右にラシュフォードとリンガード、最前線にはイブラヒモヴィッチです。立ち上がりから、手数をかけずに攻める両チーム。ポグバがしきりに縦パスを出してズラタンやラシュフォードをラインの裏に走らせますが、タイミングと長さが合わず、シュートに至りません。

9分、アンデルレヒトの速攻は、アチェアンポンの速いクロスが味方に届かずロメロの前を横切ります。14分にもアチェアンポンがカウンターを仕掛け、1度カットされたボールを取り返すと、右サイドのティーレマンスとのポストプレーから放ったブルーノのシュートは枠にいきません。ポグバが前線を動かして攻めるマンチェスター・ユナイテッドは、なかなかラストパスが通らず。攻めあぐんでいた17分、ようやく決定機を創ります。ロホからのロングフィードを受けたラシュフォードが左からゴールに向かうクロスを入れると、右足アウトでタッチしたズラタンはGKルベンにセーブされ、こぼれ球に反応したリンガードのボレーはポスト直撃。4-2-3-1となると、ポグバの位置が低くズラタン、ラシュフォード、ムヒタリアンに遠いのが気になります。26分、ポグバが右に出したボールをバレンシアがダイレクトで中に入れますが、ミスキックとなりルベンが難なくキャッチします。

26分、前線に走ったラシュフォードに1発で通した素晴らしいロングボールは、さすがキャリック。カットされたボールを拾ったムヒタリアンのミドルはDFにカットされてしまいます。ムヒタリアンが真ん中から仕掛けたカウンターは、リンガードのボレーをアッピアーがブロック。31分にズラタンが蹴ったFKは壁に遮られます。攻め続けるマンチェスター・ユナイテッドは、36分にきれいなサイドアタックで先制点を奪いました。ポグバ、ズラタンとつながったボールが右のバレンシアに出ると、速いグラウンダーをリンガードがボレー。ルベンがかろうじて弾いたボールにムヒタリアンが詰め、角度のないところから左足で押し込みました。これで落ち着いたマン・ユナイテッドは、リスクを避けながら前半を0-1のままで終わらせました。それぞれブランクがあったズラタンとポグバは、トップフォームに戻っています。

47分、スタンチュのFKはクロスバー越え。オブラドヴィッチのパスをボックス右から縦に持ち込んだブルーノのシュートがロメロを越えますが、戻ったバレンシアがクリア。フォローしたアチェアンポンの一撃もバレンシアが体を張って防ぎます。さらにこの直後、左から中に入ったティーレマンスが優しい縦パスをアチェアンポンに通すと、ボックス内でフリーになったサイドアタッカーのドリブルはまたもバレンシアがカット。スタンチュとティーレマンスを中心に、攻め続けるアンデルレヒト。ピッチの脇では、フェライニが黙々とアップに励んでいます。

55分、ポグバの巧みな浮き球で左サイドのダルミアンが空き、クロスに合わせたムヒタリアンのボレーは惜しくも右にアウト。落ち着きを取り戻したマンチェスター・ユナイテッドがボールを支配し始めています。57分に中に持ち込んだラシュフォードのミドルはルベンがキャッチ。アンデルレヒトのヴァイラー監督は右のブルーノをキプチュに代えて、中盤の攻防で優位に立とうとしています。ティーレマンスが仕掛けた58分のショートカウンターは、アチェアンポンのグラウンダーのコースが変わり、足を伸ばしたオブラドヴィッチのボレーは右に大きく外れます。

シュートが打てないマンチェスター・ユナイテッド。モウリーニョ監督は63分にリンガードを下げ、プレミアリーグ3ゴールと不振のマルシアルを投入します。赤いユニフォームがボールを支配しているものの、エキサイティングなシーンがないまま、残り時間は15分を切りました。マン・ユナイテッドはラシュフォードをフェライニ、ヴァイラー監督はテリンを諦め、ベルギーリーグで28試合20ゴールのテオドルチク。コンディション不良と伝えられたポーランド人ストライカーは、大きな仕事を成し遂げるでしょうか。80分、アチェアンポンが左から上がって中のハニにつなぐと、ボックス手前からのシュートはDFに当たってCK。1分後、スタンダール・リェージェ出身ゆえにブーイングを受け続けていたフェライニの強烈なダイレクトシュートは、ルベンが正面でセーブします。83分にはアウェイチームのカウンター。ズラタンが右足のアウトで浮かしたパスは完璧。フリーになったポグバの一撃は飛び出したルベンに当たってしまい、追加点を奪えません。

まさに、ピンチの後にチャンスあり。アンデルレヒトが追いついたのは、86分でした。左からクロスを上げたのはキプチュ。フェライニがデンドンケルを追いかけず、ダルミアンの対応は遅れ、ゴール左に突き刺さった完璧なヘディングシュートをロメロは見送るしかありませんでした。両者とも勝ち越しを狙った最終盤の攻防は見応えがありましたが、フィニッシュの手前でボールを奪われ、スタンドが沸くシーンはありません。ポグバがフリーのズラタンに気づくのが遅れた最後のクロスがクリアされると、マン・ユナイテッドはCKを蹴れずにタイムアップ。プレミアリーグのドロー職人が、欧州での大事なゲームでもきれいに天秤をつり合わせて幕を閉じました。

勝てた試合だった、としかいえません。最初の45分をいい形で終えたマンチェスター・ユナイテッドは、後半を無為に過ごしてしまい、攻めるのか畳むのか曖昧なまま失点を喫してしまいました。ダルミアンやバレンシアを絡めたサイド攻撃を徹底するなど、狙いをはっきりさせれば、崩せない相手ではなかったと思います。マルシアル投入はともかく、フェライニを入れてどうしたかったのかが今ひとつわかりませんでした。追加点を獲りにいくなら、エレーラを入れてムヒタリアンをサイドで戦わせてもよかったのではないでしょうか。次戦はオールド・トラフォードですが、何しろプレミアリーグで6勝しかしていない「苦手のホーム」ですので、90分間集中しなければなりません。ゴールが必要なベルギーリーグ首位チームは、テオドルチク、ティーレマンス、アチェアンポンでラッシュをかけてくるでしょう。次こそは、ヨーロッパリーグを絶対に獲るという必死さを見せていただければと思います。

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“追加点を獲れなかったマンチェスター・ユナイテッドが、最後に追いつかれて得意のドロー!” への2件のフィードバック

  1. ユナイテッド より:

    不安で仕方がないです。
    リヨンやセルタにこんな攻撃陣で勝てるのか心配で仕方がないです。
    ポグバはチャンスメイクは素晴らしいですし、いくら最高額だからといってバンバンミドルシュートを決めろと要求する気はありませんが、せめて決定機ぐらいは決めてもらわないと勝てる試合で勝てません。
    しかも最後の失点は相手の一本目の枠内シュートですからね…
    ホームでは攻め続けて勝ってほしいです。

  2. makoto より:

    ユナイテッドさん>
    同感です。攻撃に戦術的な意図が感じられないのも気になっています。左で積極的に仕掛けていたラシュフォードを右にまわすより、マルシアルを中央、ムヒタリアンを右としたほうがよかったのではないか、とも思いました。相手の左サイドをミキという脅威で抑えるという意味合いも込めて。

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