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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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マイケル・キーンとグイェのゴールで2-0完勝のエヴァートンが、EL本大会出場にリーチ!

チャンピオンズリーグのプレーオフではリヴァプールがホッフェンハイムにアウェイで勝ち、本大会出場にリーチをかけましたが、ライバルのエヴァートンはヨーロッパリーグに出場できるでしょうか。ストークとのプレミアリーグ開幕戦でルーニーが決勝ゴールを叩き込み、1-0で無難に勝利したクーマン監督のチームは、昨季と比べて明らかに守備がよくなっています。グディソン・パークに乗り込んできたのは、クロアチアのハイデュク・スプリト。昨季はリエカとザグレブに大きく後れを取り3位に終わったチームは、プレミアリーグ7位からアウェイゴールを奪ってスタディオン・ポリュドで戦うセカンドレグに持ち込みたいところです。

ホームチームのスタメンを見てみましょう。GKは新守護神ピックフォード、最終ラインはクコ・マルティナ、マイケル・キーン、アシュリー・ウィリアムズ、レイトン・ベインズと現在のベストメンバー。セントラルMFには昨季プレミアリーグNo.1のタックル数を誇るグイェとシュナイデルランが入り、クラーセンはトップ下。サイドにルックマンとミララス、前線にルーニーという布陣です。後半には、20歳のサイドMFカルヴァート・ルーウィンや19歳のセントラルMFトム・デイヴィスといった若手が投入されるかもしれません。

クーマン監督のサッカーは、奪われたら囲んで奪い返すクロップ監督やポチェッティーノ監督とは違って、奪われたら素早く守りの陣形を整えるスタイル。ボールをカットする位置が低くなりがちで、後方からサイドやトップに当てるボールが収まるかどうかが重要です。その意味では、タメが作れるウェイン・ルーニーはこのチームにうってつけなのですが、この日の彼らは前で奪って手数をかけずに攻めるシーンが目立っていました。クリアを拾ったミララスがサイドチェンジしたボールをルックマンが切り返しから左足で狙ったシーンや、右からのクロスを受けたルーニーがクコ・マルティナにリターンして、グラウンダーにクラーセンが飛び込んだチャンスはいずれも及ばなかったものの、動きがいいエヴァートンが先にゴールを奪うものと思われました。

ホームチームの先制は、30分。CKのクリアをカットしたレイトン・ベインズがクラーセンとのワンツーでボックスに侵入すると、ゴールライン際から美しいクロスをファーに浮かします。ヘッドで競り勝ったのは、マイケル・キーン。枠の中に叩きつけたお手本通りの一発は、現地の実況が「Great!」と叫んだ文句なしの一撃でした。この直後から、スタンドでは両チームのサポーター同士が揉め始め、アウェイ席に向けて大きなブーイングが鳴り響きます。プレミアリーグではまず見られない5分の中断を経て、試合は再開。45分の2点めの仕掛け人は、敵陣でゲンツォグローにプレスをかけてボールを奪取したクラーセンでした。

左からドリブルで上がったクラーセンが中央のルーニーにパスを通すと、2人のDFの間を通したスルーパスはオーバーラップしてきたグイェの足元にぴったり。ウイングと同時に最終ラインの裏にたどり着いたアンカーの走り込みは、それだけでも素晴らしかったのですが、GKの位置を見ながら左足インサイドで右ポストの内側に当てたシュートは完璧でした。2-0とリードしたエヴァートンは、前半終了間際にもクラーセンのスルーパスでルーニーがGKスティピカと1対1になりますが、右隅を狙った一撃は完全に読まれました。クーマン監督は、ハーフタイムにシュナイデルランをトム・デイヴィスにチェンジ。後半もエヴァートンが主導権を握ります。

エヴァートンは、グイェをアンカーに据えて両脇にクラーセンとトム・デイヴィスが構える4-3-3がいいのではないかと思っていたのですが、ルーニーとクラーセンの距離が近い4-2-3-1のほうが攻撃に厚みを創出できます。62分にクラーセンをカルヴァート・ルーウィンに代えたのは、守備重視でカウンターに徹するというクーマン監督のメッセージ。76分にミララスに代えてべシッチを投入したのはクリーンシートで終えるためだったと思われますが、これがアウェイチームの反撃を呼んでしまったかもしれません。2-0で終われば絶望的、2-1ならセカンドレグで充分勝負になるハイデュク・スピリトは終盤に攻勢に転じますが、83分にメモラが放った強烈なロングシュートはピックフォードが素晴らしい反応を見せて左手でストップし、アウェイゴールを許しませんでした。

ボールを支配する時間が長い割には、フィニッシュにつながる形を創れなかったのがエヴァートンの反省点ですが、終始安定していた守備はプレミアリーグにもつながる収穫でしょう。MVPを選ぶなら、クラーセンとグイェ。今の彼らにとって、2-0はセーフティリードではないでしょうか。マージーサイドの2チームは、CLとELの本大会に大きく近づきました。とはいえ、秋から始まるグループステージの話をするのは、来週が終わってからにしましょうか。本大会出場が決まれば、レッズもトフィーズもデッドラインデーのぎりぎりまで最後の補強に走るのではないかと思われます。そちらもまた、楽しみです。

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“マイケル・キーンとグイェのゴールで2-0完勝のエヴァートンが、EL本大会出場にリーチ!” への2件のフィードバック

  1. シャーザー より:

    決定的なチャンスのシーンは大体クラーセンが絡んでますね
    最後崩せなかったのはシグルズソンが入って連携が深まれば解決するのかなと思います
    あとはクーマンが言ってるようにFWの補強でしょう
    いいボールをけれる選手がたくさんいるので空中戦に強くてなお点もとれる選手が獲得できればトフィーズにとっては最高の夏になると思います
    そんな選手が獲得できるかどうかは怪しいですが

  2. makoto より:

    シャーザーさん>
    クラーセン、いいですよね。前線は、ジョレンテ、ベンテケ、ジルーがいずれも難しくなったようです。イスラム・スリマニあるいはウィルフリード・ボニーなどいかがでしょうか。

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