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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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素晴らしきルックマン&ヴラシッチ!EL初勝利のエヴァートンは、若手の成長に期待!

大量補強直後のチームづくりがうまくいかず、一時はプレミアリーグ18位に転落。ヨーロッパリーグではアタランタとリヨンに勝てず、5試合未勝利。厳しいシーズンを過ごしているエヴァートンについて、筆頭株主のファルハド・モシリ氏を、スティーヴ・ウォルシュFDを、ロナルド・クーマン前監督を非難するのは簡単です。ルカクの後釜をなぜ獲らなかったのか、お金をかければいいというものではない、云々。しかし、それらはいずれも結果論。今季プレミアリーグが始まる前には、多くのサポーターや評論家が彼らを脅威だと語っていました。ひとたび混乱が収まれば、彼らは再び上位を苦しめる存在となるはずです。

プロジェクトが頓挫し、立て直しを強いられている今、私は新たな視点でエヴァートンを見つめ直そうと思っています。このうえは勝負は来季以降である、と。プレミアリーグのトップクラブのなかで、マージーサイドの青は最も若手が充実しているクラブです。マイケル・キーン、メイソン・ホルゲート、マシュー・ペニントン、ジョンジョ・ケニー、モルガン・フィニー、トム・デイヴィス、ベニ・バニンギム、サンドロ・ラミレス、カルヴァート=ルーウィン、ニコラ・ヴラシッチ、アデモラ・ルックマン。レンタル先で修業中のキーラン・ドゥウェル、ブレンダン・ギャロウェイ、タイアス・ブローニングもおり、来夏にはアンデルレヒトに貸し出しているヘンリー・オニェクルが合流します。18歳からプレミアリーグで活躍しているロス・バークリーや既に主力のマイケル・キーンとピックフォードをカウントしなくても、これだけ成長が期待できる選手がいるのが彼らの強みです。今季はTOPフィニッシュが目標となったとしても、次のシーズンはあらためて脅威の存在となるのではないでしょうか。

ヨーロッパリーグ最終節、3位争いとなったアポロン・リマソールとの消化試合は、エヴァートンに期待していた目線で見ると哀しいフィナーレですが、次世代を担う若手に注目しようとすれば格好のチェックの場です。スタメンを見ると、モルガン・フィニー、バニンギム、ヴラシッチ、ルックマンがいるだけでなく、今回初めてトップチームに呼ばれたハリー・チャーズリーとフレーザー・ホーンビーまで名を連ねています。8分にチャーズリーのパスを左サイドで受けたルックマンは切り返しを入れて中に持ち込んだものの、GKに余裕を与えてしまい、シュートをブロックされました。11分にはルックマンのドリブルが止められたところをチャーズリーがフォローし、ゴール右隅を襲うコントロールショットを放ちます。GKキッサスのビッグセーブに阻まれたものの、迷いのないナイスプレーでした。

21分、エヴァートンは若手アタッカーコンビで先制点を奪います。シュナイデルランとのワンツーでゴールラインまでえぐったヴラシッチがクロスを上げると、ファーでフリーだったルックマンが頭を突き出すヘディングシュート。勢いに乗ったルックマンは、27分に左隅に突き刺さる素晴らしいミドルシュートを決め、エヴァートンは今季EL初勝利に近づきます。U-20ワールドカップ優勝の原動力となったドリブラーの出遅れを取り戻す2ゴール。期待していた選手の活躍に、否応なくテンションが上がりました。

42分にボックス手前でフリーになったヴラシッチのシュートはキッサスが足でセーブ。夏にハイデュク・スピリトから加わった20歳のアタッカーも、大化けが期待できる選手です。急造の最終ラインはマークの受け渡しのまずさから何度もピンチを招いていたものの、アポロンのフィニッシュが決まらず前半は2-0。後半も、エヴァートンの若い選手たちが躍動します。57分にシュナイデルランのヒールパスをもらったルックマンは、一気にDFを抜き去りGKと1対1。コースを切られ、シュートをブロックされてしまったものの、ドリブルの切れ味は抜群です。

73分には、背負っていたDFをワントラップでかわしたホーンビーが右足で強烈なシュートを放ちますが、GKに足で止められてしまいました。ダメ押しは87分。GKロブレスのロングキックを途中出場のブロードヘッドが競ってヴラシッチに送ると、ワンタッチでDFを抜き去ったクロアチア人は文句なしの左足シュートでGKの脇を抜きました。デニー、ゴードンとさらに若手を繰り出したエヴァートンが、0-3で最後に勝利を収めました。ルックマン、ヴラシッチ、昨季の成長株トム・デイヴィス、そして今季売り出し中のカルヴァート=ルーウィン&ジョンジョ・ケニー。プレミアリーグ10位まで順位を戻してきたエヴァートンが、若手の成長とともにどんな変化を遂げていくのか、じっくり見つめていきたいと思います。(ドミニク・カルヴァート=ルーウィン 写真著作者/Ardfern)

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