偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグ30節のマンチェスター・ユナイテッド戦が控えているクロップ監督が、どこまでメンバーを落としてくるのかに注目していました。チャンピオンズリーグラウンド16、リヴァプールVSポルト。ファーストレグは0-5でレッズ圧勝。不用意な失点を避けて相手を勢いに乗せなければ、ベスト8進出が決まります。プレミアリーグでレギュラーのメンバーでスタメンから外れたのは、サラー、ファン・ダイク、アーノルド、ロバートソンです。ロリス・カリウスの前にジョー・ゴメス、マティプ、デヤン・ロブレン、アルベルト・モレノ。中盤にエムレ・ジャン、ヘンダーソン、ミルナーが入り、前線にはフィルミーノ、マネ、ララナが並んでいます。

慎重に立ち上がったリヴァプール。前からのプレスは健在で、ボールを奪うと素早くサイドに展開してシンプルにクロスで勝負しています。最終ラインはボールに対する寄せが速く、ポルトのアタッカーにミドルレンジからのシュートを許しません。両者ともフィニッシュがなく、15分が過ぎました。スルーパスでラインの裏に出たワリスは、ロリス・カリウスの果敢な飛び出しに阻まれます。17分、エムレ・ジャンがオーバーラップしてきたジョー・ゴメスを縦に走らせると、クロスに右足を伸ばしたマネのボレーはわずかにバーの上。マネがアーリークロスをニアに上げた25分のチャンスは、トラップしたフィルミーノが打ち切れません。

31分、左サイドでアルベルト・モレノが粘り、ララナを経由してボックスの角にいたミルナーにボールが渡ると、ベテランMFは右から上がったマネにラストパスをフィード。ジオゴ・ダロトと入れ替わったマネはクロスにシュートを放ちますが、左のポストを叩いて先制はなりません。主導権を握りながらの前半0-0は、レッズにとって文句なしの着地でしょう。後半開始早々の47分、ヘンダーソンがロングフィードをアルベルト・モレノに通し、縦に走ってもらったララナがグラウンダーを中に入れると、走り込んだミルナーはフリーのボレーをミス。51分に中央から強引に突破したワリスのミドルは、ロリス・カリウスが右に弾き出します。

執拗にサイドアタックを仕掛けるホームチーム。ポルトは前に出られません。59分、ヘンダーソンの鋭いスルーパスでフィルミーノがラインの裏に抜け出し、フェリペをかわして左足でシュートを放つと、倒れていたDFに当ててしまい0-0は継続。62分にクロップ監督はフィルミーノをダニー・イングスに代え、セルジオ・コンセイソン監督はアンドレ・アンドレをセルジオ・オリベイラです。右サイドにいたヘンダーソンが長いボールをゴール前に上げると、ダニー・イングスのヘディングはカシージャスの正面。68分にはワリスが下がりリカルド・ペレイラが入ります。残り時間は20分。プレミアリーグ3位チームがベスト8進出に近づいています。

マネがサラーに後を譲ったのは74分。敵陣でインターセプトに成功したアルベルト・モレノはシュートをDFに当ててしまいます。ジョー・ゴメスのマークを外して打ったコロナのシュートは左にアウト。残り10分となり、レッズはエムレ・ジャンをクラヴァン、ポルトはアブバカルをパシエンシアにチェンジしました。サラーの左からのシュートはカシージャスがキャッチ。84分にコロナが蹴った右からのFKは、ファーに流れてきたところをオリヴェラ・トーレスがボレーで合わせるも、デヤン・ロブレンが体を張ってブロックしました。

88分、左からドリブルで上がったサラーが完璧なアーリークロスをダニー・イングスに通すと、ヘディングシュートはカシージャスがビッグセーブ。本拠地アンフィールドでゴールを奪えなかったものの、レッズがスコアレスドローで畳んで8強入りを決めました。サポーターのみなさん、おめでとうございます！勝ってすっきり次のラウンドに進みたいところでしたが、サブの選手たちをチームになじませ、守備の不安なくプレミアリーグの決戦に向かえるのはよかったのではないでしょうか。週末の試合とCLの組み合わせ抽選が今から楽しみです。（ジョーダン・ヘンダーソン　写真著作者/John Jones）