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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

カウンター、FK…美しい3発を後半に集めたチェルシーがマルメに完勝!

ジョルジーニョはベンチスタート。5番を中央に置く布陣にこだわっていたサッリ監督が、プレミアリーグ屈指のアンカーを得意なポジションで使うのかと期待したのですが…。ヨーロッパリーグラウンド32、スタンフォード・ブリッジにマルメを迎えたセカンドレグ。解任の噂が絶えないイタリア人指揮官は、チャンピオンズリーグ出場権につながるこの大会を失うわけにはいきません。アウェイで1-2の勝利を挙げているチェルシーは、1失点以内なら勝ち抜け決定です。ゴールマウスにはカバジェロ、最終ラインはアスピリクエタ、クリステンセン、リュディガー、エメルソン。プレミアリーグで出番が少ない3人を起用したサッリ監督は、中盤こそカンテとロス・バークリー、コヴァチッチを揃えたものの、前線にはカラム・ハドソン=オドイ、ジルー、ウィリアンと結果を出してほしい選手を並べています。

キックオフから1分もしないうちに、アンカーはコヴァチッチ、カンテは右で使われていることがわかりました。3分、マルメに最初のチャンス。ヴィンドヘイムのクロスを叩いたベントションのヘッドは、枠の上に浮いてしまいました。6分のホームチームのカウンターは、ハドソン=オドイが右のカンテに預け、アーリークロスがニアのジルーへ。ヘディングはうまくコントロールできなかったものの、こういうボールが何度も入れば、競り合いに強いフランス代表のストライカーは何とかしてくれるでしょう。ハイプレスのマルメを嫌がるチェルシー。プレミアリーグでは中盤で優位を築くチームが、10分を過ぎても押されています。13分、ボックス手前で空いたローゼンベリが左足を振り抜くと、うまくミートできずにボールは左に切れ、チェルシーは失点のピンチを逃れました。

17分、ハドソン=オドイがラインの裏に斜めのパスを通すと、ボックス右に出たジルーのシュートはベントションがブロック。19分に右から仕掛けたハドソン=オドイが横にいたロス・バークリーに流すと、左足のミドルはGKダーリンの正面です。形勢は全くの互角。左サイドからジルーやウィリアンが抜け出す形が増えているチェルシーですが、クロスの精度が低く、マルメ守備陣が慌てるシーンはありません。30分のシュート数は、チェルシー3本、マルメが4本。32分のショートコーナーは、リターンを受けたウィリアンが鋭いグラウンダーをニアに入れるも、アスピリクエタのボレーはダーリンが体を張ってブロックしました。FKを蹴ろうとしているウィリアンは苛立ち、ヘッドで落としたジルーは眉をひそめています。

40分、ジルーと絡んで中央から上がったロス・バークリーの右足ミドルはダーリンがキャッチ。低調な前半をスコアレスで終えたプレミアリーグ6位チームは、ハーフタイムの指揮官の指示で変われるでしょうか。後半開始早々はチェルシーが攻勢でしたが、諦めていないマルメがカウンターから押し返します。55分、センターサークルでインターセプトに成功したカンテが、そのままドリブルで上がってカウンター発動。パスを受けた左のウィリアンが速いグラウンダーを中央に通し、走り込んだジルーがゴールのど真ん中にプッシュしました。もう1点決めれば、チェルシーは安泰。スタンフォード・ブリッジのサポーターも安心して盛り上がれます。

62分、負傷したローゼンベリに代わってストランベリ。65分に見せたチェルシーの波状攻撃は、フィニッシュが枠にいきません。72分にレスラー監督がクリスティアンセンとトラウスタソンを下げ、レヴィツキとガルを入れると、ここからの2分で一気に勝負が決着します。エメルソンのドリブルを潰したベントションが2枚めのイエローで退場。ボックス手前からのFKをロス・バークリーが左隅に沈め、動けなかったGKダーリンが敗者の表情に変わりました。

ロス・バークリーとカンテを下げ、ジョルジーニョとロスタス=チークを投入したサッリ監督の交代策は、「いただきました」と宣言しているかのようです。79分、アスピリクエタをアンパドゥ。84分にウィリアンのサイドチェンジを受けたカラム・ハドソン=オドイは、2つタッチしてボックスに入ると迷いなく右足を振り抜き、完璧な弾道で左隅に決めました。91分に右から放ったロフタス=チークの決定的な一撃は、ダーリンが左手を出して意地のビッグセーブ。終わってみれば、アーセナルに続いて3-0完勝です。前半は互角以上に戦えていたマルメは、その後の60分でシュートを1本しか打てず、オンターゲットはゼロに終わりました。

苦しい状況のなかでカンテが先制点の起点となり、ゴールという結果を残してほしかったジルーとハドソン=オドイが完璧なフィニッシュを披露。ただ勝つだけでなく、いい勝ち方がほしかったチェルシーにとって、後半のパフォーマンスは文句なしだったのではないでしょうか。日曜日のカラバオカップ決勝は、前半の入り方が重要です。プレミアリーグで6-0惨敗を喫した相手に、今日のような消極的な姿勢を見せれば、サッリ監督にまつわる噂を実現させてしまうような完敗を再現しかねません。マンチェスター・シティとのリベンジマッチで再現したいのは、12月のプレミアリーグのほうです。あの試合でゴールを決めたエンゴロ・カンテに、今日のようなアグレッシブな攻撃参加を期待しています。勝ち抜けおめでとうございます。次戦も楽しみです!

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