劣勢のCL、夢膨らむEL…プレミアリーグ勢の欧州戦線プレビュー!
カンプ・ノウに乗り込んだリヴァプールは、ポゼッション率が48対52、シュート数12対15とそれぞれ上回りながらの完敗でした。スアレスのゴールで1-0となってから、主導権を握る時間が続きましたが、マネとミルナーが決定機を活かせず。シュテーゲンのファインセーブ連発もあり、後半の早い時間に追いつけなかったのが、思いもよらぬ大差のターニングポイントとなりました。メッシのFKが決まった直後、フィルミーノのシュートをラキティッチがゴールライン上でクリアしたシーンで、リバウンドを押し込もうとしたサラーがポストにぶつけなければ、3-1で帰ってこられたのですが…。アンフィールドでのセカンドレグで3点を取り返すというのは、プレミアリーグで3点差以上の勝利が10試合あるレッズといえども、相当難しいミッションです。
この試合で気になったのは、攻撃陣の不発だけではありませんでした。プレミアリーグNo.1のCBといわれるファン・ダイクは、バルサをリスペクトしたのか慎重すぎるプレイに終始し、ラインの統率やコーチングにいつもの冴えがありませんでした。スアレスがマティプの裏を取った先制のシーンについて、リオ・ファーディナンドが「ファン・ダイクは当たりにいけたはず」と指摘しておりましたが、止められたかどうかは微妙ながらもリアクションできた距離ではありました。
セカンドレグのポイントは、「フィルミーノが頭からいる布陣で早期に先制できるか」「メッシに入る縦パスを阻止できるか」「アーノルドとロバートソンがサイドで勝てるか」「アグレッシブな守備からの速攻をどれだけ増やせるか」でしょう。昨季のファイナルで負傷リタイアしたサラーに、悔しい思いを払拭するゴールショーを期待しています。
トッテナム・ホットスパー・スタジアムで0-1といいところなく敗れたスパーズですが、ヨハン・クライフ・アレナでのセカンドレグにはソン・フンミンが戻ってきます。欧州戦線シフトでエールディヴィジの日程を丸ごと後ろ倒しにしてもらったオランダの名門が、体力的に有利なのは間違いありませんが、彼らはCLのホームゲームでは3試合連続で勝利なし。ドルトムントやマン・シティとのアウェイゲームで互角に戦ったチームが、逆転する可能性は充分にあります。
エリクセンやトリッピアーのラストパスに、精度が戻るかどうかがポイントのひとつ。ジョレンテとソン・フンミンを最初から並べ、高さと速さの2本立てで勝負したほうが先制のチャンスは増えるのではないでしょうか。エリクセン、デル・アリ、シソコを中盤に配し、ダニー・ローズ&トリッピアーがアウトサイドという攻撃的な布陣で、直近4試合で1ゴールの貧攻を活性化していただければと思います。
ファーストレグで唯一勝利を挙げたアーセナルは、ミスが多かったグエンドゥジをルーカス・トレイラに代えるだけでOK。コシールニーの足に大きな問題がなければ、エジルの前にラカゼットとオーバメヤンという3-4-1-2続行でしょう。連勝しても4位以内が約束されないプレミアリーグの優先順位を下げ、ELに全力を注いだほうがCL出場権獲得のチャンスは高まるのではないかと思います。前の3人&コラシナツの速攻で2発決めれば、バクーで行われるファイナルを手に入れることができるでしょう。
フランクフルトをスタンフォード・ブリッジに迎えるチェルシーは、ユルゲン・クロップと同様に戦い方を変えられないチームです。ポゼッション70%でドイツのクラブを制圧し、ELで10ゴールのジルーにボールを集めるサッカーを徹底するしかないでしょう。好調のロフタス=チークは週末のワトフォード戦を休ませ、ELで勝負させるのがベター。若きプレーメイカーがアザールやマルコス・アロンソと絡み、貪欲にシュートレンジに入っていく形を増やせれば、結果は自ずとついてくるはずです。
レッズとスパーズのいずれかがCLファイナルに進出し、アゼルバイジャンのビッグロンドンダービーが実現すればテンションが上がります。相方のグーナーは「バクー貯金」を始めており、週末の京都の同窓会を夜行バス利用に切り替えるようです。プレミアリーグ勢はビッグタイトルを手中に収めることができるのか。そして来季のCL出場権は…!? 国内を含む残り試合は最大4つ。悔いのないように戦い抜いてほしいと祈るのみです。
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確かにファンダイクは何時もの落ち着いた彼ではなかったですね。気負いすぎたのか、メッシに気をとられたのか。
アンフィールドでは3点4点とっても1点与えたら厳しくなる。
でも、こうなったらホームだし、全開でいくしかないですね。フィルミーノの先発で前半から取りまくるしかないでしょう。