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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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プレミアリーグでは停滞、ELは健闘…7月から戦い続けるウルヴスの足跡を辿ってみました。

プレミアリーグ7節までの戦績は1勝4分2敗。最初の6試合を未勝利で過ごし、最下位ワトフォードと当たった前節にようやく初勝利を挙げています。「ウルヴスが苦しんでいる」。プレミアリーグマニアの多くが、昇格初年度の2018-19シーズンに7位に食い込んだクラブの未来を案じているのではないでしょうか。ルベン・ネヴェス、ジョアン・モウティーニョ、ルイ・パトリシオらポルトガル代表の主力を擁して、ビッグ6相手に4勝4分4敗と互角に渡り合った昨季があまりにも眩しく、バーンリーやクリスタル・パレス相手に勝ち点を落としている現状とのコントラストは鮮明です。

プレミアリーグにフォーカスすると不調に見えるウルヴスですが、公式戦全体に引き延ばして戦績をチェックすると、全く違う表情が映し出されます。開幕から9戦連続無敗で、17試合9勝4分3敗。レスターの指揮官に就任したブレンダン・ロジャースのプレミアリーグ18試合が9勝4分4敗ですので、今季のウルヴスは、2強のすぐ下にジャンプアップしたダークホースのペースを上回っているということになります。

7月に始まったヨーロッパリーグ予選では、アイルランドのクルセイダーズに2試合トータル6-1で圧勝、アルメニアのピュニクには4-0を2回重ねて悠々とプレーオフ進出。セリエA7位のトリノとの対戦はアウェイ2-3、ホーム2-1とこちらもダブルで、本大会に駒を進めました。近年、ヨーロッパリーグ予選を戦ったプレミアリーグ勢で、これだけ圧倒的な強さを見せたクラブは見当たりません。

ただし、欧州での好調はプレミアリーグにおける懸念でもあります。他のクラブより2週間早くシーズンインしているクラブは、丁寧なコンディショニングを求められており、木曜日開催のELグループステージが始まるとタイトなスケジュールと向き合うことになります。2015-16シーズンにEL予選を戦ったサウサンプトンは、プレミアリーグ5節までで1勝3分1敗。翌シーズンのウェストハムは1勝5敗という散々なスタートとなりました。2017-18シーズンのエヴァートンは2勝1分5敗の大スランプでクーマン監督のクビが飛び、昨季のバーンリーは1分4敗という最悪のスタートで前年の7位から15位に転落しています。かくも難しい7月開幕。彼らの苦闘を思い出せば、今季のウルヴスはELとプレミアリーグの両立を最もうまくやれているチームといえるでしょう。

さて、ここからはELグループステージの戦いぶりに目を移しましょう。本拠地モリニューにスポルティング・ブラガを迎えた初戦は0-1と沈黙。ポゼッションとシュート数で上回りながら、後半に喫した失点を取り返すことができず、ポルトガルの精鋭たちをもってしても欧州の壁は厚いのかと悔しい思いをさせられました。しかし一昨日のベシクタシュ戦では、中盤を支配されながらも終了間際の93分にボリが決勝ゴールをゲット。ゴール前に空いたスペースに落としたルベン・ネヴェスのラストパスも、最もスムーズにシュートに移れるトラップを決めたボリのテクニックもパーフェクトでした。

ロリス・カリウス、エルネニー、エンクドゥ、イェレマイン・レンスといった元プレミアリーグ勢を擁するクラブとのアウェイゲームは、グループKの最大の難関でしたが、ウルヴスは最高の結果を残し、ノックアウトラウンドのチケット奪取に希望をつなぎました。苦しみながらも何とか踏ん張っているウルヴスにとって、難しい戦いとなるのはここからです。この夏の補強は、ペドロ・ネト、ブルーノ・ジョルダン、シャパニ、クトローネ、バジェホと全員22歳以下。即戦力のベテランを加えておらず、選手層が薄いクラブは、木曜と日曜に試合が組まれる厳しい季節を乗り切ることができるでしょうか。ビッグ6を苦しめた鋭い速攻を、国内でも欧州でも見せ続けてほしい。ヌーノ・エスピーリト・サント監督の手綱さばきに注目しています。(ジョアン・モウティーニョ 写真著作者/Дмитрий Садовников)

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“プレミアリーグでは停滞、ELは健闘…7月から戦い続けるウルヴスの足跡を辿ってみました。” への1件のコメント

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。トルコのチームはどのチームも難敵でしかも場所はアウェイであれば尚更かと。見事な勝利でしたね。リーグ戦不調なのは気掛かりでした。今節は王者シティですから部が悪そうですが、これからの5試合簡単ではないですが、3つは勝てそうな相手ですので3勝できれば視界は良きなるのではないでしょうか。しかし層が薄いチームはELとの両立に毎年苦労しますよね、、、。頑張れウルブズ!

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