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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

デブライネ、ジェズス、スターリング!ペップ采配が当たったマン・シティが敵地で逆転勝利!

アトレティコ・マドリード1-0リヴァプール、トッテナム0-1ライプツィヒ、チェルシーVSバイエルン。チャンピオンズリーグのプレミアリーグ勢は、勝利どころかゴールを決めておらず、ビハインドを背負ってセカンドレグに向かおうとしています。本日、最後に登場するのはマンチェスター・シティ。ペップ・グアルディオラ率いる昨季プレミアリーグ王者は、サンチャゴ・ベルナベウでレアル・マドリードと戦います。リヴァプールの背中を見失ったチームは、欧州戴冠が唯一のモチベーション。名将のベンチには、アグエロ、スターリング、ダヴィド・シルヴァが控えています。

日本時間で2月27日5時。いよいよ、キックオフの時間になりました。GKエデルソン、DFカイル・ウォーカー、オタメンディ、ラポルテ、バンジャマン・メンディ、MFギュンドアン、ロドリ、デブライネ、FWマフレズ、ガブリエウ・ジェズス、ベルナルド・シウヴァ。開始早々からエンジン全開のマン・シティが、左サイドから仕掛けています。1分のベルナルド・シウヴァの左足シュートは、カルバハルがブロック。最初のピンチをしのいだ白いシャツが、3分過ぎからポゼッションを高めています。全員が自陣に引いたマン・シティは、なかなか見られるものではありません。デブライネにいい形でパスが入らず、エル・ブランコに対するクロスは明らかに緩くなっています。

13分、前線に飛び出したイスコにロングフィードが入ると、エデルソンがボックスを出てカット。ペップの守備時の布陣は、デブライネとベルナルド・シウヴァが2トップとなり、ガブリエウ・ジェズスは左サイドに下がっています。16分のヴァランの左足ミドルは、大きく浮いてしまいました。両者とも失点回避が最優先。20分までシュート数1対1の神経戦となっています。21分、マン・シティに決定機。デブライネのスルーパスがボックス左のガブリエウ・ジェズスに通り、切り返しでマークを外したストライカーが右足を振り抜きます。左に弾き出したのは、プレミアリーグをよく知るティボ・クルトワ。攻勢を強めたいレアル・マドリードの容赦ないプレスは、ボックスのすぐ外を取り囲んでいます。

28分、バンジャマン・メンディの高速グラウンダーをマフレズがダイレクトで左に流すと、走り込んだデブライネのシュートは右に大きくアウト。30分、カゼミーロが左のフェルランド・メンディに展開し、SBのハイクロスがゴール前に上がると、ベンゼマのヘッドはエデルソンが右に飛んでビッグセーブ。リバウンドに反応したヴィニシウスは、ボレーをミートできずにチャンスを逸しました。33分、ペップに激痛のアクシデント。復帰してから大事に起用していたラポルテが負傷リタイアとなり、急遽フェルナンジーニョが穴を埋めることになりました。

中盤でまわせるようになったマン・シティですが、サイドを突破することができず、強引なパスをカットされる展開が続きます。45分、デブライネが左から入れたCKをクルトワがパンチするも遠くに出せず、落下点にはガブリエウ・ジェズスが待っていました。渾身のボレーは枠にいかなかったものの、セルヒオ・ラモスがクリアミスしてボールはゴールへ。ライン上にいたカゼミーロが掻き出し、ホームチームはピンチを乗り切りました。前半はゴールレス、シュート数は3対5。チャンスの数で勝ったプレミアリーグ王者は、何としてもアウェイゴールを持ち帰りたいでしょう。

後半も、両者ともプレスを嫌がっています。50分、デブライネがドリブルで仕掛けたカウンター。アウトにかけたラストパスを右で受けたマフレズが、中に斬り込んでコントロールショットを放ちますが、ボールは左のポストの外を抜けていきます。55分、カイル・ウォーカーのパスをインターセプトしたヴィニシウスは、ボックス左に持ち込みながらもシュートを打てずに転倒。56分にガブリエウ・ジェズスが久々に前を向いてボールをキープし、ラストパスを受けたマフレズが2度の切り返しから右足を振り抜くと、クルトワが正面でブロックして先制を許しません。

56分、ギュンドアンが最終ラインの裏に落とし、マフレズが完全に抜け出しますが、左隅を狙ったシュートはクルトワがビッグセーブ。マン・シティに痛いミスが出たのは、60分でした。ロドリとオタメンディのパス交換をモドリッチに突かれ、ヴィニシウスが左からドリブルで突進すると、フェルナンジーニョは逆サイドを放置して対応せざるをえなくなり、イスコが空いてしまいます。パスコースを切れればプレミアリーグ王者の勝ち、通ればスペインの名門の絶好機。狭いスペースを縫ったボールがイスコに届き、フリーのシュートがエデルソンの脇を抜けてゴール左に吸い込まれました。

71分、セルヒオ・ラモスがオーバーラップしたのを見たフェルランド・メンディがボックス右のイスコに浮かすと、折り返しがニアで待っていたCBに入るも、ボレーは浮いてしまいます。ペップが勝負に出たのは73分。ベルナルド・シウヴァを下げて、何とか間に合ったスターリングです。ジダン監督は、直後にヴィニシウスをガレス・ベイル。貴重なアウェイゴールが決まったのは、78分でした。左からドリブルで突破を図ったデブライネが急ブレーキをかけ、右足に持ち替えてふわりと浮かすラストパス。セルヒオ・ラモスの背後にいたガブリエウ・ジェズスがヘッドで押し込み、セカンドレグが有利になるスコアに持ち込みました。

さらに82分、ボックス左に侵入したスターリングをカルバハルが引っかけ、PK。キャプテンマークを着けたデブライネがクルトワの逆を突く左に蹴り込み、逆転に成功しました。ジダン監督は、イスコとモドリッチを下げ、ルーカス・バスケスとヨヴィッチを投入。86分、カゼミーロのミスパスをカットしたガブリエウ・ジェズスがゴールに迫ると、背後からチェックしたセルヒオ・ラモスが倒してしまい、1発レッドでピッチを去りました。

マフレズのFKは、壁の足元を抜けてクルトワの正面。92分に右からのクロスに合わせたフェルランド・メンディのハーフボレーは、エデルソンが冷静に見送りました。勝ったのはマン・シティ!ターニングポイントは、残り20分を切ってからの左サイドの交代策です。2-0という絶対的に有利なスコアでマンチェスターに行こうとしたジダン監督は、左サイドで脅威になっていたヴィニシウスをガレス・ベイルに代え、アウェイチームの反撃を許す格好となりました。キープ力のベルナルド・シウヴァをスピード勝負のスターリングにスイッチしたペップは、果敢にアタックしたドリブラーによって勝利を手繰り寄せました。

残り15分までは、「決定機を逃し続けたマン・シティが、ミスを許さなかったレアル・マドリードに屈した」と書くべき一戦でしたが、たった5分で「決定機を創り続けたマン・シティが、終盤の猛攻で逆転」に表現が変わりました。この試合の勝利だけを考えれば、アグエロとガブリエウ・ジェズスを並べたくなることろですが、2-0を避けつつアウェイゴール奪取をめざしたペップが「スターリングを左に入れてガブリエウ・ジェズスを中央にシフト」という見事な采配で先勝。プレミアリーグ勢の全滅が心配されたラウンド16に、ひとつ明るい灯が燈りました。ラポルテとセルヒオ・ラモスが欠場見込みのセカンドレグは、打って変わって攻め合いとなるのでしょうか。3月17日のシティ・オブ・マンチェスターが今から楽しみです。


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