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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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120分、エル=アラビ!激痛のアウェイゴールを喫したアーセナルがELラウンド32で敗退!

昨季のヨーロッパリーグでは、アゼルバイジャンで開催されたビッグロンドンダービーで涙を呑んだアーセナル。プレミアリーグのTOP4フィニッシュが厳しくなっているクラブとしては、こちらのルートでも希望をつないでおきたいところです。オリンピアコスの本拠地ヨルギオス・カライスカキスで行われたファーストレグは、終盤のラカゼットのゴールを守り切って0-1で先勝。アーセナルスタジアムで引き分け以上なら、ラウンド16進出が決まります。アルテタ監督は、ベストメンバーを揃えてきました。GKマルティネス、DFベジェリン、ムスタフィ、ダヴィド・ルイス、サカ。中盤センターにダニ・セバージョスとジャカ、2列めにニコラ・ペペ、エジル、オーバメヤン、最前線にラカゼットの4-2-3-1です。

ガナーズのアタックで始まった試合は、3分過ぎからオリンピアコスのポゼッション。サイドの主導権を握られているホームチームは、10分を過ぎても守勢を強いられています。最初のチャンスは11分。右サイドでニコラ・ペペがインターセプトに成功し、中央のラカゼットに預けると、落としを受けたジャカのシュートはDFにヒット。拾ったエジルがニコラ・ペペにつなぐと、左足の一撃はブロックされてCKです。プレミアリーグ9位のプレスは緩く、運動量も少ないため、オリンピアコスは前線への縦パスを通しまくっており、ボックス手前の攻防が続いています。

20分、ラカゼットが仕掛けたカウンターは、ニコラ・ペペがボックス手前で倒されてFK。レフティが自ら蹴ったきわどいシュートは、狙い通りに落ちません。押されながらもフィニッシュは許さないガナーズの最終ライン。ムスタフィの的確なチェックが目を引く展開が続き、30分を過ぎてもアウェイチームはシュートゼロです。32分のブーハラキスの強引なミドルは、ムスタフィがブロック。36分に左に展開したオリンピアコスのカウンターは、ボックスに入ったカマラの左足シュートがニアに外れます。

38分、サカのグラウンダーを押し込んだラカゼットは、オフサイドを示すフラッグを確認して悔しそうな表情を浮かべています。静かだった前半は0-0。セカンドハーフが始まって間もない49分、ラカゼットのクロスのクリアを拾ったニコラ・ペペが、2人を抜き去って折り返すも味方に合いません。53分、CKでフリーになったのはパブ・アブ・シセ。完璧なヘッドがゴール右に刺さり、トータルスコアはイーブンです。57分に2人をかわして中央に斬り込んだツィミカスのミドルは、レノが上に弾き出しました。

59分、中央に絞ったベジェリンが左に流すと、ダイレクトで叩いたジャカの左足シュートはファーポストの外。65分のCKはエジルのシュートが跳ね返され、直後のショートコーナーもクロスをクリアされると、崩すアイデアがありません。72分、アルテタ監督はダニ・セバージョスに代えてルーカス・トレイラ。75分、ボックス右でキックフェイントと切り返しを繰り返したニコラ・ペペは、グーナーを盛り上げたもののシュートを打てません。直後、ジャカの浮き球を受けたニコラ・ペペが、チーム初のオンターゲットを放ちますが、GKジョゼ・サがセーブ。リバウンドを取ったムスタフィがラカゼットにラストパスを通すと、ダイビングヘッドはうまく当たらず、右に逸れていきました。

83分のルーカス・トレイラのミドルは、ジョゼ・サが右に倒れてキャッチ。1分後、ベジェリンと代わったウィロックは、最終ラインに3バックと伝えています。終盤の攻め合いは両者とも決め手がなく、アーセナルはラウンド32から延長戦にもつれ込むことになりました。延長前半のスタートから10分に渡ってハーフコートマッチを展開したガナーズは、どうしてもフィニッシュに辿り着かず。99分にオーバメヤンが初めて放ったシュートは、シセのハンドを取ってもらえません。

102分、ムスタフィがハムストリングを痛め、パパスタソプーロスにチェンジ。CBが代わった直後に決定的なカウンターを喰らいますが、右から打ったガスパールのシュートが枠にいかず、助かりました。後半開始から、ラカゼットに代わってマルティネッリ。108分のマスラスのシュートは、クロスバーに当たってゴール裏に消えていきます。113分、エジルのクロスをマルティネッリが競り、浮いたボールがオーバメヤンへ。美しいバイシクルがゴール左に突き刺さり、アーセナルがついにトータルで勝ち越しました。

1分だけ耐えればよかったガナーズは、120分に激痛の一撃を許してしまいます。CKのクリアが右サイドに流れ、マスラスが左足でゴール前に浮かすと、エル=アラビのボレーが右のサイドネットへ。アルテタ監督は俯き、ダヴィド・ルイスやオーバメヤンは敗者の表情です。追加タイムの2分が終わり、おそらくラストチャンス。エジルのロングクロスのクリアがパパドプーロスに当たってオーバメヤンの足元へ。右隅に押し込めば奇跡的な逆転勝利でしたが、プレミアリーグ17ゴールのエースがまさかのキックミスでゴール裏はため息に包まれます。

顔を覆ってうずくまるキャプテンを、「まだ終わっていない」と抱き上げたのは18歳のマルティネッリ。ほどなくタイムアップの笛が鳴り、ガナーズの敗退が決まりました。マスラスのクロスが上がる直前に、エル=アラビの位置を確認していたパパスタソプーロスは、なぜ追わなかったのか。前にいたガスパールのオフサイドとセルフジャッジしてしまったのか。ムスタフィが残っていれば勝敗は逆だったのではないかと、「たら・れば」に浸ってしまいそうになる痛恨の失点でした。あまりにも劇的で、あまりにも残酷だった最後の3分。「顔を上げて、プレミアリーグで勝ち続けましょう」という月並みな言葉しか浮かばない幕切れでした。


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