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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

久しぶりの追加点は、蹴り直しのPK!ドルトムントを下してベスト8進出のチェルシーに復活の予感!

ブルーズサポーターのみなさん、チャンピオンズリーグのベスト8進出おめでとうございます!ファーストレグを1-0で落としたポッター監督のチームが、スタンフォードブリッジのゲームを2-0で勝ち切りました。

最後に2ゴールをゲットしたのは、12月27日のプレミアリーグ17節のボーンマス戦。2023年の公式戦12試合は2勝4分6敗で、5ゴールしか決めていません。そのうち4発は残留を争うクラブからで、TOP10はフラムのみ。FKのこぼれ球を押し込んだのはクリバリでした。前線の選手が上位相手に決めたゴールとなると、10月末のブライトン戦のカイ・ハヴェルツまで遡ります。

得点力不足のチームを封じるべく、ウェストロンドンに乗り込んだドルトムントは、2023年の公式戦は10戦全勝。この間、チェルシーの5倍となる25発を決めています。ポッター監督は、プレミアリーグのリーズ戦に続いて3-4-2-1を採用。WBはリース・ジェームズとチルウェルで、CL登録外のバディアシルのポジションにはククレジャが配されています。

それにしても、ゴールが遠く感じる試合でした。2分にカイ・ハヴェルツの縦パスで抜けたスターリングは、GKマイヤーと1対1になりながらもプレー選択で迷い、シュートを打てず。ククレジャのチェックから、スターリングがドリブルで仕掛けた6分のショートカウンターは、ズーレを抜き去ってボックス左から放ったジョアン・フェリックスのシュートをGKがブロックしました。

次のチャンスは8分、ジョアン・フェリックスの浮き球を受けたカイ・ハヴェルツは、ボックス右からのシュートがニアにアウト。相手に持たせてプレスをかけ、速攻を狙うチェルシーの戦術はうまくはまっているのですが、ここぞというシーンでフィニッシュが決まりません。

ドルトムントが痛かったのは、絶好調だったユリアン・ブラントが開始5分で負傷リタイアとなったことです。17分のマルコ・ロイスのFKは絶妙のコースでしたが、ケパが右に飛んで弾き出すビッグセーブ。28分には、またもブルーズサポーターがため息をもらすシーンが到来しました。

右サイドでリース・ジェームズを縦に走らせたカイ・ハヴェルツは、ボックス右手前へ。クロスのクリアが足元に入り、左足でニアを狙うと、ポストの内側を叩いたボールはファーポストすれすれを横切っていきました。

ジョアン・フェリックスのロングフィードでスターリングが裏を取り、マイヤーと向き合った38分のチャンスは、GKに当たったボールを収めたカイ・ハヴェルツが左隅に叩き込んだ後、オフサイドのジャッジ。惜しいシーンが続いたチェルシーがようやく先制したのは、43分です。

カイ・ハヴェルツとコヴァチッチで左サイドを崩し、オーバーラップしたチルウェルが中央に折り返すと、スターリングが左足のダイレクトショットを空振り。またもダメかと思いきや、軸足に当たったボールが足元に残り、強引なドリブルでマルコ・ロイスをかわして右足でネットに突き刺しました。

ハーフタイムは1-0、ここまではOK。とはいえトータルスコアは1-1で、90分で勝ち抜けを決めたければ久々の追加点が必要です。そのチャンスは、後半開始早々にやってきました。チルウェルのクロスがヴルフの左手に当たり、VARを経たジャッジはPK。キッカーは、カイ・ハヴェルツです。

右隅へのキックはポストにヒットし、エズジャンがクリア。カイ・ハヴェルツの目はうつろで、ポッター監督は俯いています。ところがこのシーンでも、VARが介入。ドルトムントの選手がペナルティーアークに入るのが早すぎたため、蹴り直しとなったようです。気持ちを落ち着け、蹴る前にモーションを止めた29番の選択は、同じコース。今度はサイドネットを揺らしました。

ついにリードしたホームチームは、直近のプレミアリーグ10試合で8失点と守備は悪くありません。61分、エムレ・ジャンのミドルはケパが冷静にキャッチ。65分に右からのグラウンダーを受けたヴォルフの強烈なシュートは、守護神が素晴らしい反応で右に弾き出しました。

ドルトムントの終盤の猛攻に対して、チェルシーの守備陣はコースを開けませんでした。95分のCKからの波状攻撃も、ヴォルフのシュートコースにフォファナが足を出し、跳ねたボールをケパがキャッチ。最後まで集中力を切らさずに戦い抜き、サポーターの希望をつなぎました。

先制ゴールのスターリングだけでなく、2ゴールに絡んだチルウェル、右サイドを制圧したリース・ジェームズ、寄せの速さが目立ったククレジャ、素晴らしいセービングでクリーンシートを達成したケパにも拍手を送りたい総力戦。ポストに2度当てたカイ・ハヴェルツも、晴れやかな気持ちで家路に着けるでしょう。

カイ・ハヴェルツがPKをポストに当てたとき、0-2からボーンマスに勝ったアーセナルのゴールシーンを思い出していました。トーマスはボレーをGKにぶつけ、ベン・ホワイトのボレーもGKが触れるコース。ラストプレーで決めたリース・ネルソンは飛び跳ねるようにして、ただ思い切り蹴っていました

サカとマルティネッリが抑えられても、普段決めない選手たちが3発を重ねて勝ってしまう首位チーム。彼らに感じたのは、チャンスをことごとくつぶすチェルシーが失った「自信」でした。カイ・ハヴェルツが蹴り直した決勝PKは、勝つために必要なマインドを取り戻すきっかけとなる、とてつもなく大きな1発なのかもしれません。

もう1度、いいたい。おめでとうございます!「BBC」のフィル・マクナルティ記者の「This was a different Potter. A different Chelsea」という言葉に共感します。ポッター監督は。3-4-2-1による連勝で、手応えと自信を得たのではないでしょうか。週末はレスター。サポーターが求めるのは、プレミアリーグではしばらく見ていない2-0、3-0の快勝です。


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