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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ウーデゴーアが超絶スルーパス、ラヤはPK2本をセーブ!苦しんだアーセナル、14年ぶりのCL8強進出!

エスタディオ・ド・ドラゴンのファーストレグは、タイムアップ直前にガレーノにミドルを決められて1-0。ホームでポルトを迎え撃つアーセナルは、2点差以上で勝たなければなりません。攻撃的な戦術を仕込んでいるはずのアルテタ監督は、2-1の辛勝だったプレミアリーグのブレントフォード戦から、フィールドの10人をそのままスライドしています。

GKラヤ、DFベン・ホワイト、サリバ、ガブリエウ、キヴィオル、MFジョルジーニョ、デクラン・ライス、ウーデゴーア、FWサカ、カイ・ハヴェルツ、トロサール。立ち上がりのポルトは強いプレスをかけず、パスコースを切るように守っています。サカがカットインしたのは4分。キヴィオルのハイクロスに競り勝ったベン・ホワイトのヘッドは、バーを越えていきました。

プレスをかわされているアーセナルは、ルーズボールも取れず、ポルトが持つ時間が長くなっています。11分に敵陣右サイドで奪ったウーデゴーアは、クロスが味方に合いません。サカが右から抜け出した13分の速攻は、ボックス右からのシュートをGKジオゴ・コスタがファンブル。拾ったサカからの二次攻撃は、デクラン・ライスのパスでゴール前に入った8番が打てませんでした。

直後のショートコーナーから、ゴールライン際に出たサカがニアに折り返すと、ウーデゴーアのシュートはニアポストの外。22分、右からのクロスが中で空いていたエヴァニウソンに通ると、右足の一撃はラヤが左に弾き出しました。チコ・コンセイソンがリバウンドを取って中央に送ると、落としに走り込んだウェンデルのダイレクトショットは、サカがブロックしています。

29分、縦に突破を図ったサカは無理せず、外から追い越したベン・ホワイトに託しました。ファーポストに上がったクロスは、ペペがぎりぎりで触ってCK。アーセナルの攻撃はサカ頼みになっており、右サイドはジョアン・マリオとチコ・コンセイソンに押されています。しかし41分、左にまわったウーデゴーアが、4人を一気に無力化する超絶スルーパスを縦に通しました。

完全にフリーになったトロサールが、ペペの股間を抜く美しいシュートを右隅へ。グーナーのテンションが爆上がりし、ポルトの選手たちの緊張感が高まっています。43分、右からカットインしたチコ・コンセイソンのミドルはミスキック。シュート数7対5、オンターゲット2対1と優勢だったアーセナルが、トータルのスコアをイーブンにしてハーフタイムを迎えています。

後半の立ち上がりにポルトが左から仕掛けたサイドアタックは、ラストパスが通らず。アーセナルは縦のボールの精度が低く、サイドを突破できずにいます。キヴィオルと対峙するチコ・コンセイソンが最大のリスク。前線が奪われた瞬間、左サイドの枚数が足りないシーンが多いのが気になります。

CKからの波状攻撃で、カイ・ハヴェルツが右からゴールラインに出たのは57分。ファーにいたデクラン・ライスの右足ボレーは、DFにヒットしました。63分のチコ・コンセイソンのFKはクロスバー越え。67分、ラインの裏に出たロングフィードをカイ・ハヴェルツが追いかけ、ペペとジオゴ・コスタが絡んでこぼれたボールをウーデゴーアが枠に流し込んだのですが…。

カイ・ハヴェルツのファールのジャッジに激昂したアルテタ監督に、イエローカード。映像をチェックすると、29番の足は2人にかかっていなかったように見えます。73分の左からのFKから、トロサールがファーにクロスを入れると、サリバのヘッドは右に逸れていきました。残り時間は10分。アーセナルの後半のシュートは、2本のみです。

83分、ジョルジーニョに代わってジェズス。直後、サカとウーデゴーアが右から仕掛けたアタックで、こぼれたボールに反応したジェズスがGKと向き合いますが、股間を狙った一撃は足に当たってしまいました。85分に右から上がったウーデゴーアがサカに預け、切り返しからの一撃をGKが正面に弾くと、ウーデゴーアのダイレクトショットは右ポストの脇を抜けていきました。

1-1のままタイムアップとなり、延長戦に突入。アルテタ監督は今のメンバーで走るのか、サブの選手を投入するのか。右サイドからの執拗なアタックは、クロスを入れる手前で止められています。97分の9本めのCKも味方に届かず、左から突破を図ったジェズスはペペを抜けず。101分にベン・ホワイトをかわしたタレミのシュートは、右に外れました

最も長い距離を走ったデクラン・ライスが、屈伸をする姿が映し出されています。前半は0-0で終わり、アルテタ監督はトロサールとキヴィオルを下げ、エンケティアとジンチェンコを投入しました。やはり希望は、サカとウーデゴーアか。ビルドアップがスローになったアーセナルは、サイドでキープする形が減っており、ジンチェンコはパスミスが目立っています。

攻めきれなかったホームチームは、PK戦を甘受するしかありません。先陣を切ったウーデゴーアは右隅。カイ・ハヴェルツはGKの逆を突いて右に収めました。続くウェンデルをラヤがストップ!3人めのサカは左のサイドネットです。グルイッチが決め、デクラン・ライスもGKは右と見て逆にゲット。初戦で劇的ミドルを決めたガレーノは、敗戦を決めるキッカーとなりました。

最初のセーブも最後のセーブも、左と読み切ったラヤの勝利。14年ぶりのチャンピオンズリーグベスト8を決めたセービングは、夏に加わった守護神がエミレーツで最も輝いたシーンであり、ラムズデールとの残酷なコントラストがくっきりと描かれた瞬間でもありました。

決定的なシュートを打たせなかった最終ライン、超絶パスを通したウーデゴーア、冷静に右隅に突き刺したトロサール、右サイドを制圧したサカ、ピッチのどこにでも顔を出したデクラン・ライス、前線で体を張ったカイ・ハヴェルツにも拍手を送りたい一戦。あのシーンは、「彼は細心の注意を払ってステップしていた。しかし笛は鳴った」とだけ記しておきましょう。

バイエルンとバルセロナが苦しみ、パリのビッグネームがムバッペのみとなった今季は、上位に進出するチャンスです。とはいえ、次のラウンドは、絶不調のアトレティコ・マドリードかブンデスリーガで4位のドルトムントがいいですね。グーナーのみなさん、おめでとうございます!秘かにペップとのファイナルを期待しております。


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