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「武藤嘉紀、チェルシーから正式オファー」…レンタル先はオランダか、イングランド2部か!?

「チェルシーから話はありました。条件についてはこれから詰めていく段階」…FC東京の大金直樹社長がオファーがあったことを認めており、慶應義塾大学サッカー部を出てFC東京で1シーズンを過ごしたばかりの日本代表FW武藤嘉紀が、プレミアリーグの門を叩く可能性があるのは確かなようです。FC東京では、初年度に13ゴールを挙げ新人最多タイを記録。今季も4試合3ゴールと滑り出し絶好調。日本代表では既に11試合に出場しており、昨秋のベネズエラ戦で初ゴール。22歳の選手としては、申し分のない数字です。トップに張るもよし、サイドから攻めるもよしの武藤は、岡崎慎司に追いつけ追い越せで、次世代を代表するストライカーになってくれるでしょう。また、「FC東京からこういった選手が出たことは光栄」と大金社長が語っているように、プレミアリーグの首位を走るクラブから7億円といわれているオファーが来たこと自体は素晴らしいことだと思います。しかし、凄い名前ですね、大金さん。移籍交渉のテーブルで顔を合わせるのを躊躇するようなお名前です。

もとい、いい話ではあるのですが、仮に武藤のチェルシー入りが決まったら拍手喝采かといえば、それはまた別の話。このニュースを聞いて、私が真っ先に思い浮かべたのは、ノースロンドンの伝統あるクラブからプレミアリーグ入りした2人の選手の名前です。稲本潤一、戸田和幸。2003-04シーズンにトッテナムに入った戸田は、わずか4試合の出場で翌年エールディヴィジのデンハーグへ。その2年前にアーセナルに加わった稲本に至っては、1試合も出場することなくフラムに移籍しています。欧州の大会に出場するようなプレミアリーグのトップクラブにおいて、それなりに使われたのは香川真司ひとり。ましてや武藤のポジションには、ジエゴ・コスタやアザールがいます。日本の記者が、来季からクラブのスポンサーとなる横浜ゴムが関与しているのかという下世話な質問をしてしまう気持ちはわかります。チェルシーが武藤に手を伸ばす理由が見えない、ということですね。

デンバ・バやシュールレですら居場所を失い、サラーやモーゼスはベンチに入れるかどうかも微妙だったチェルシーで、武藤がピッチに立つイメージはありません。入団したら、今季欧州各地にレンタルされた27人の選手たち同様、他クラブに修業に出されるでしょう。しかし、凄いですね、この顔ぶれ、この人数。今季、22人しか試合に出場していないクラブがそれ以上の選手を外に出しており、彼らは全員、フル代表か世代別代表の経験者です。

【2014-15 チェルシーからレンタルされた選手リスト】
(カッコ内の国名は、代表あるいは世代別代表経験)
■GK
デラク(FKサラエヴォ/U-21クロアチア代表)
■DF
ナタン・アケ(レディング/U-21オランダ)
デイビー(スカンソープ・ユナイテッド/U-19スコットランド)
カラス(ミドルズブラ/チェコ)
ケイン(ノッティンガム・フォレスト/U-19イングランド)
オメルオ(ミドルズブラ/ナイジェリア)
ウォラス(フィテッセ/U-20ブラジル)
■MF
クリスティアン・アツ(エヴァートン/ガーナ)
ベイカー(ミルトン・キーンズ・ドンズ/U-21イングランド)
チャロバー(レディング/U-21イングランド)
ダビラ(ヴィトリア・セトゥーバル23歳/U-23メキシコ)
カクタ(ラージョ・バジェカーノ/U-21フランス)
マルコ・マリン(アンデルレヒト/ドイツ)
マクイクラン(フィテッセ/U-21イングランド)
モーゼス(ストーク/ナイジェリア)
パシャリッチ(エルチェ/クロアチア)
ピアソン(フランクフルト/U-17ブラジル)
ロメウ(シュトゥットガルト/U-23スペイン)
サラー(フィオレンティーナ/エジプト)
スウィフト(スウィンドン/U-20イングランド)
トラオレ(フィテッセ/ブルキナファソ)
ファン・ヒンケル(ACミラン/オランダ)
■FW
バンフォード(ミドルズブラ/U-21イングランド)
クエバス(ウニベルシダ・デ・チレ/U-21チリ)
フェルス(ブラックプール/U-21スコットランド)
ペリカ(ウディネーゼ/U-21クロアチア)
ロドリゲス(ヴィトリア・セトゥーバル/U-20コロンビア)

武藤の出し先は、チェルシー人材バンクイギリス支店のミドルスブラか、オランダ支店のフィテッセか。修業に出されて20億円クラスの選手になれたとしても、そこで止まれば欲しがるクラブに出荷されて青いユニフォームに袖を通すチャンスはなし。50億円クラスの選手に育って初めて、スタンフォード・ブリッジのピッチを踏みしめることができるというのがチェルシーにおける前例です。ベンフィカから買い戻された「フィテッセ経験あり」のマティッチや、チャンピオンズリーグのファイナルを戦ったクルトワのようなとてつもなく高いレベルに到達すれば、です。ワールドカップで3ゴールを奪い、決勝でアシストを記録した選手ですら、満足に出場機会を得られないのがモウリーニョ監督のチームですから。

実現するかどうかは今後の交渉次第ではありますが、武藤のチェルシー入りに明るい未来が感じられません。どうしてもチェルシーに行きたいならともかく、ただ海外にチャレンジしたいということであれば、「請われてドイツのクラブに移籍する」道のほうがいいと思います。ドイツで実績を積んだ岡崎慎司ですら、降格候補の3クラブでトップを張るQPRのチャーリー・オースティン、バーンリーのダニー・イングス、レスターのレオナルド・ウジョアを押しのけてレギュラーをつかむイメージはありません。上位クラブにはワールドクラスを買える資金があり、中堅以下のクラブは敏捷さよりも強さを好むのが、現在のプレミアリーグのセンターフォワード需要です。

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“「武藤嘉紀、チェルシーから正式オファー」…レンタル先はオランダか、イングランド2部か!?” への2件のフィードバック

  1. アスピ(ry より:

    更新ご苦労様です。

    う~ん、チェルシーですか。移籍しない方が武藤のためですね。私には武藤がチェルシーの
    ユニフォームに袖を通して公式戦のベンチに入る姿さえ想像できません。彼が17歳ならば
    話は別です。ワールドクラスに囲まれて練習するだけで大きな意義はあるでしょうからね。

    ドルトムントと日本代表で絶対的な地位を得ていた香川でさえ結局レギュラーにはなれずに
    ドイツに戻りました。武藤が本気でチェルシーでプレーしようと思うならJリーグで完全に
    突出した存在になり日本代表で不動のレギュラーを獲得した上でアジア史上最高の選手だと
    認められる選手にならなければ話になりませんかね。それがプレミアとヨーロッパを本気で
    制そうとしているチェルシーというクラブのレベルだと私は思います。

    —–
    サラーのように半年で移籍とかになりそうですね… あまり素直には喜べませんが、チェルシーに呼ばれたというだけでも箔がつきますね。

  2. Uボマー より:

    チェルシー移籍はレンタル前提の契約のみたいですね。となるとレンタル先の見極めがかなり重要になってきます。ただレンタルであっても現状は出場機会を得るのも難しいでしょう。

    個人的にはフィッカデンティの下でもう一年やるのが良いと思います。FC東京はヨーロッパで標準的な守備戦術を採るチームなので、そこでもう少し守備を磨いたほうが良い。現在のJリーグは守備がダメなチームが多いので、そこで何点取っても海外だと壁にぶつかります。守備戦術がしっかり理解できていればブンデス辺りだと使ってもらいやすいので、makotoさんの仰る通り中堅どころからオファーが来るのを待った方が安全です。実際大迫や原口は守備を学びなおしている段階なので、レギュラーに定着できていません。逆にフィッカデンティでなければ何でもいいから海外に行け!って言えたんですけれどね。

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