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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ニューカッスル+クリスタル・パレス=プレミアリーグ8位…パーデュー監督に最優秀監督の噂!

30試合で14勝6分け10敗、プレミアリーグ8位。「Team Pardew」、すなわち年末までパーデュー監督が率いたニューカッスルと、今年に入ってからのクリスタル・パレスの戦績です。一方、パーデュー監督が去った後を受けたカーヴァー監督の新生ニューカッスルと、クビになったウォーノック監督時代のクリスタルパレスを足し込んだ「Team pre/post Pardew」は勝ち点26。この数字は、降格ゾーンにいるバーンリーと同勝ち点、かろうじて得失点差で上にいるという成績です。

イギリスメディア「メール・オンライン」の見出しは長いです。「Alan Pardew for Manager of the Year? Team made up from his combined results with Newcastle and Crystal Palace would be EIGHTH in the Premier League(パーデュー監督は年間最優秀監督か?ニューカッスルとクリスタル・パレスで彼が残した結果を組み合わせたチームは、プレミアリーグ8位だ)」。この数字と勝った相手をみると、パーデューさんはチームづくりの手腕とゲームの状況を見極める眼は確かな監督なのだとあらためて思います。

今季、初勝利が8試合めと完全に出遅れたニューカッスルは、その後トッテナム、リヴァプール、チェルシー、エヴァートンを次々と撃破し中位に浮上。クリスタル・パレスでは、同格相手に堅実に勝ち点を積み上げつつ、今週の月曜日にはマンチェスター・シティに2-1と競り勝っています。トッテナムは、ニューカッスルとクリスタル・パレスの両方に敗れる「パーデュー・ダブル」を喰らっており、ポチェッティーノ監督にとっては顏を見たくない敵将のひとりではないでしょうか。ひとたび弱気や迷いを見せたチームに対する容赦ない押しの強さは、頑固一徹パーデューならではです。

正直にいうと、今まで私は、この監督を見くびっていました。チーム・パーデューがときどき陥るスランプが長いのはカリスマ性と人望のなさであり、デヴィッド・メイラーに頭突きをかまして7試合もベンチに入れなくなるあたりは、指揮官に求められる冷静さが欠如した人物なのだろう、と(モウリーニョさんもスペイン時代にティト・ビラノバさんに目つぶし攻撃をやらかしてますが…)。カリスマ・モウリーニョ方面でも人格者・ヴェンゲル方面でもトップクラスといえない監督という印象。近年のパーデューさんの言動を見るにつけ、3年前に8年という異例の長期契約を結んだニューカッスルは、何を評価してそんなギャンブルに出たのだろうと思っていたのでした。

…いや、すみませんでした。おみそれしました。崩壊寸前だったクリスタル・パレスは、現在勝ち点39でプレミアリーグ11位。エース格が昨季のセインツでレギュラーとはいえなかったパンチュン、マンチェスター・ユナイテッドでモイーズ監督に干されたザハで、一流といえる存在はジェディナクひとりのこのチームが、古巣ニューカッスルやエヴァートンの上をいくなどということは想像できませんでした。以前からパーデュー監督のチームを見ていて感じるのは、「戦術がシンプルかつ明確で、余計なことをしない」「選手が闘う姿勢を見せることを大事にしている」こと。パーデュー教とまではいいませんが、メンタルの強さと集中力、敷いた戦術の徹底を求めてシンプルに戦うからこそ、その副作用としてリカバーの手段が乏しく、選手に迷いが生じるとグダグダになりやすいのでしょう。

とはいえ、今季は天晴れ。ほぼ同じ時期に、率いたチームを降格させたことがない「残留請負人」トニー・ピューリス監督が、こちらも降格ピンチだったWBAの監督に就任しましたが、彼らは現在プレミアリーグ14位。降格ゾーンにいるバーンリーとは勝ち点7の差がついており、残り試合数を考えれば残留は問題なしだと思われるので、ピューリス招聘は成功だったといっていいでしょう。そう、14位でも成功なのです。それなのに、まさかTOP10を窺える位置まで上がるとは…。7勝ち点差のスウォンジーには届かなくても、3差のウェストハムとストークをかわして最終的に9位にまでジャンプアップしたら、年間最優秀監督はパーデューさんでいいのではないかと思います。これは、なかなかできることではありません。ホントに。

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