残るはELのみ。ついに終わりを迎えたチェルシーの長く厳しい戦い
FAカップ決勝の組み合わせが決まりました。4月13・14日に行われた準決勝は、ウィガンがミルウォールを0-2、マンチェスター・シティがチェルシーを1-2と勝利し、この両チームがウェンブリー・スタジアムで戦うことになります。準々決勝でマンチェスター・ユナイテッドとのアウェイゲームを2点先制されて追いつき、ホームで撃破したチェルシーは、この準決勝でまたもや2点のビハインドを背負い、今度はこれを返すことができませんでした。
ゲームは非常に緊張感のある好ゲーム。お互いつぶしが速く、ボールを持つ時間が長いと狭いところに追い込まれてしまうため、短いパスを頻繁にまわしながらの攻撃の応酬。立ち上がりこそ、テベスとアグエロのシュートがGKチェフを脅かすなどマンチェスター・シティペースでしたが、前半途中からはまったくの互角でした。
しかし35分、先制点がマン・シティに入ります。ヤヤ・トゥレからアグエロ、ナスリとつなぎ、ペナルティエリアに侵入したナスリがアグエロに戻そうとしたパスが相手に当たると、そのボールが再び彼の足元へ。フリーで目の前にはチェフのみ。ナスリはゴール左に軽く蹴り込み、この1点でマン・シティが勢いにのります。ハーフタイムまでは押しながらも決め手がありませんでしたが、後半開始直後、ギャレス・バリーが左から上げたクロスに飛び込んだアグエロのヘディングシュートは、絶妙の軌道を描いてチェフの頭を越え、サイドネットに吸い込まれます。これで0-2。チェルシーは攻めるしかありません。
どちらが勝ってもおかしくないゲームでしたが、勝敗の分かれ目は攻守の切り替えのスピードにあったと思います。ボールを奪ってからの縦への展開が速かったマンチェスター・シティ。カウンターからミルナーが左サイドを抜けて中に出したとき、そこにフリーでコンパニがいるなど、後ろからのフォローが厚く、攻守のメリハリが効いていました。チェルシーは66分にデンババのコントロールシュートで1点を返し、その後もマタがGKと1対1になるなどチャンスはありましたが、GKパンテリモンとナスタシッチ、コンパニに要所を抑えられ、あと1点が獲れませんでした。
それにしてもチェルシー、がんばりましたね。先日のマンチェスターダービーにおけるマン・ユナイテッドと比べれば、チェルシーのほうが格段にいいサッカーをしていました。アグエロ、コンパニ、アザール、デンバ・バ。最高の技がぶつかり合ったこのゲームは、まさに事実上の決勝戦でした。3つの果実を追っていたチェルシーは、今後はELとプレミアリーグ3位以上をめざすことになりますが、ここまでチームのコンディションを落とさずに走らせてきたベニテス監督は称賛されるべきでしょう。
そして、マンチェスター・シティは、そのポテンシャルはプレミアリーグ最高であることを証明しました。この2年の最大の謎は「なぜこのチームがCLでからきしダメなのか」でしょう。こればかりは何とも説明のしようがありませんが、ウィガンとの決勝戦にきっちり勝ちきれば、今季限りという噂があるマンチーニの未来が変わるかもしれません。
FAカップもあと1試合。そして今季もあと1ヵ月とちょっとです。最後に、目に見える成果を得るのはどのチームなのか。プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド。FAカップはマンチェスター・シティとウィガン。CL出場権はアーセナル、エヴァートン、トッテナム、チェルシー。そしてELのチェルシー。これから続々と、勝者が誕生していきます。注目してまいりましょう。
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初めて、今年の9月に初めてイギリスに行く予定の山中さんです。
質問なのですが、私はエヴァートンとトッテナムのファンなのですが、スタジアムで出待ちしてサインをもらえる場所などありますか?※写真つきで教えていただければありがたいです。
よろしくお願いします。
Thanks for being on point and on target!