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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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長期的なアカデミー強化が結実!逸材が増えた「チェルシーユース出身」の系譜。

プレミアリーグ開幕節で豪快なミドルを決めたトレヴォ・チャロバーと、サウサンプトンでいきなりレギュラーポジションを奪取した18歳のリヴラメントを見たとき、「チェルシーユースには、まだこんな逸材がいたのか」と絶句しました。ひと頃は、プレミアリーグ最強ユースでプレイしていた選手がファーストチームに入れず、度重なるローン移籍で武者修行しているうちに並の選手になってしまうという現象が多かったのですが、近年のチェルシー出身者は着実に流れを変えています。

ジャック・コーク、ファン・アーンホルト、ライアン・バートランド、ロベルト・フート、アンディ・キング、ファビオ・ボリーニ…30代のユース出身の顔ぶれを見ると、プレミアリーグの中堅クラブで地味にチームを支える存在が多いのですが、現在26歳のベルトラン・トラオレとナタン・アケの世代以降は、ワールドクラスになると期待される逸材が急激に増えています

UEFAユースリーグ2014-15を制したときの主力は、ドミニク・ソランケ、タミー・アブラハム、クリステンセン、フィカヨ・トモリ、オラ・アイナ、チャーリー・ムソンダ、イジー・ブラウン。連覇を達成した翌シーズンのメンバーリストには、タミー・アブラハムとフィカヨ・トモリに加えて、トレヴォ・チャロバーやメイソン・マウントの名前があります。

欧州を制したチェルシーユースは、国内でも無類の強さを誇り、FAユースカップは2013-14シーズンから5連覇。アーセナルを2試合トータル7-1で粉砕した2017-18シーズンに成長を遂げたのは、リース・ジェームズ、マーク・グエイ、ビリー・ギルモア、マーク・グエイ、タリク・ランプティといった面々です。

イジー・ブラウンとソランケは伸び悩んでしまいましたが、タミー・アブラハム、クリステンセン、フィカヨ・トモリ、メイソン・マウント、リース・ジェームズはフランク・ランパードの下で才能を開花させています。後を継いだトーマス・トゥヘルも、トレヴォ・チェロバーを抜擢しつつ、ロフタス=チークの復活やカラム・ハドソン=オドイの完全ブレイクをサポートしており、「アカデミー出身はファーストチームで活躍できない」は昔話になりました。

一方、チェルシーでは将来がないと見切った選手たちは、他クラブでキャリアを積むというルートを選択。冒頭に紹介したリヴラメントに加えて、ベルトラン・トラオレ(アストン・ヴィラ)、パトリック・バンフォード(リーズ)、ナタン・アケ(マンチェスター・シティ)、マーク・グエイ(クリスタル・パレス)、タリク・ランプティ(ブライトン)、ヨハン・ベルク・グズムンドソン(バーンリー)がプレミアリーグで活躍しています。

国外のクラブを選んだのは、タミー・アブラハムとフィカヨ・トモリ。ノリッジにローン移籍したビリー・ギルモアと、クリスタル・パレスでプレミアリーグ6戦2発のコナー・ギャラガーはチェルシーに復帰するものと思われますが、ヴェネツィアに貸し出されたイーサン・アンパドゥはセリエAに残るかもしれません。

近年のチェルシーが素晴らしいのは、ファーストチームに残せばよかったと後悔する放出がないこと。以前はルカク、デブライネ、14歳でチームを離れたデクラン・ライスなどの「やっちゃった」がありましたが、現状で不安なのはセリエAで評価を高めているフィカヨ・トモリぐらいではないでしょうか。アカデミーの組織とシステムを整備したことで、査定の精度が上がっている証だと思います。

ワールドクラスはチームに残し、セカンドグループは「安心・信頼のチェルシーブランド」のタグを付けて高値で売る…長期的に取り組んできたユース強化が確実に実を結んでいます。今後の監督の選定基準として、「ターンオーバーに長け、若手を成長させられるマネージャー」という一項を入れるべきでしょう。トゥヘル監督のチームづくりを見る限り、しばらくは考えなくてよさそうなお話ですが。


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“長期的なアカデミー強化が結実!逸材が増えた「チェルシーユース出身」の系譜。” への4件のフィードバック

  1. ボロネーゼ より:

    グーナーですが今年のチェルシーローン組みで言うとパレスのコナー・ギャラガーも要注目ですよね!

  2. n より:

    改めて名前を並べるとすごいタレントばかりですね。資金力だけではない哲学を感じます。

  3. ボロネーゼ より:

    グーナーですが、チェルシーからのローン組ではパレスのコナー・ギャラガーも要注目ですよね!

    • makoto より:

      ご指摘ありがとうございます!
      後々ご覧になった方のために網羅すべしと考え、追加させていただきました。

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