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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

3戦連続ノーゴール…得点力不足に陥ったチェルシーの気になるスタッツと改善ポイント。

クリスタル・パレス、リーズ、レスター、ボーンマス、ルートン…2023年のプレミアリーグでチェルシーが勝った相手は、ボトム10のチームばかり。クリスタル・パレス以外は残留を争ったチームと今季の昇格組で、TOP10との15試合は5分10敗です。

最大の課題は得点力でしょう。昨季プレミアリーグの38ゴールは15位で、今季の5ゴールを下回るのはルートンとバーンリーのみです。ただでさえゴールが少なかったのに、トップスコアラーだったカイ・ハヴェルツ、後半戦だけで4ゴールのジョアン・フェリックス、中盤で最もゴールの期待値が高かったメイソン・マウントが離脱したため、悩みは深くなっているように見えます。

強力なソリューションとして期待されていたエンクンクは、負傷リタイア。可能性が感じられるニコラス・ジャクソンは、ルートン戦で決めただけで、開幕からの6戦でイエロー5枚という残念なスタッツが目を引きます。鳴り物入りという言葉がぴったりだったムドリクは、未だノーゴール。出場した公式戦22試合は2勝6分14敗で、欠場した8試合は4勝3分1敗です。

直近のプレミアリーグ3試合は、ノッティンガム・フォレスト、ボーンマス、アストン・ヴィラを相手にノーゴールで1分2敗。2023年のプレミアリーグで13試合ノーゴールはリーグワーストで、1995年の14試合というクラブレコードを更新する勢いです。孤軍奮闘のスターリングがラインの裏を取る以外に、ゴールへの道筋が見えないチームは、どこに改善の余地があるのでしょうか。

チェルシーの得点力向上を考えるうえで、着目すべきスタッツがひとつあります。MFのオンターゲットのランキングを見ると、1位のジェームズ・マディソンが11本、ウーデゴーアが9本、ブルーノ・フェルナンデスは8本で、パペ・マタル・サールとロドリは7本。上位クラブのキーマンに対して、エンソ・フェルナンデスの3本は明らかに見劣りします

今季最高のパフォーマンスだったリヴァプール戦では、センターにいたエンソ・フェルナンデスは、チュクエメカの負傷以降は前で起用されています。1試合あたりのクロスとスルーパスの本数が2位のチームが、ゴール数では14位に後退しているのは、中盤の押し上げが弱いためにゴール前での選択肢が少ないからでしょう。

さらにもうひとつ、気になる数字があります。1試合あたりのオフサイド3.2回はリーグ1位。「アスレティック」のアーメド・ワリド記者は、オフサイドが10対1だったヴィラ戦について「アイデアは正しかったが、パスのタイミングと選択肢に問題があった」とレポート。ヴィラのラインコントロールによって旗が上がったシーンを含め、うまくいかなかったアタックを図解入りで解説しています。

ポチェッティーノ監督の希望は、主要スタッツは上位にいるライバルに劣っていないことです。ポゼッション67.1%はペップをかわしてリーグTOP。1試合あたりのシュート数15.2は6位ですが、パス成功率88.4%は3位で、パス本数601本とクロス24本は2位となっています。ゲームをコントロールし、ラストパスを送るところまではトップクラス。課題はフィニッシュです。

多数の負傷者が復帰した際のベストメンバーは、こんな感じでしょうか。GKロベルト・サンチェス、DFディサシ、チアゴ・シウヴァ、コルウィル。アウトサイドはリース・ジェームズとチルウェル、センターにエンソ・フェルナンデスとカイセド。前線はスターリング、エンクンク、ニコラス・ジャクソン。いや、こうして見ると、補強のバランスはやはり悪かったですね…。

「テレグラフ」のマット・ロー記者は、チェルシーに0-1で勝ったヴィラの主軸とチェルシーの高額プレーヤーを比較し、コストパフォーマンスの悪さを指摘しています。

「エンソ・フェルナンデスとモイセス・カイセドは2人で2億2000万ポンドを要したが、総額1500万ポンドだったヴィラのドゥグラス・ルイスとブバカル・カマラは彼らを上回っていた」

「移籍金4500万ポンドのムサ・ディアビは、2ゴール3アシストを記録している。チェルシーに移籍して以来、ノーゴール2アシストのミハイロ・ムドリクより、はるかにいいリターンだ」

グーナーはトロサール、スパーズサポーターはジェームズ・マディソンとマノー・ソロモン、ハマーズはウォード=プラウズの名前を挙げて、同じことをいえるでしょう。ラヴィアを入れると、中盤センターに2億8000万ポンドは過剰投資で、その何割かは前線とサイドで実績がある選手のために使うべきだったと思います。

いずれはよくなるはずのチェルシーですが、当面は苦しい戦いが続きそうです。カラバオカップのブライトン戦は、ニコラス・ジャクソンとマロ・グストがサスペンデッド。フラムとのダービーも、リース・ジェームズとマロ・グストがいない右サイドを何とかする必要があります。彼らはいつ、スランプから脱するのでしょうか。さすがに指揮官の早期解任はないですよね…?


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