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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ボロに敗れて現地記者がテンションUP…ポチェッティーノのチェルシーが不振に陥ったホントの理由は?

就任以来の公式戦で12勝5分9敗。7ヵ月ももたずに解任された昨季のグレアム・ポッターは12勝8分11敗で、わずかながら改善したというべきでしょうか。プレミアリーグは8勝4分8敗で10位。ボトム10に沈んだ2022-23シーズンより上をキープしており、7位のブライトンと3ポイント差なら、欧州へのチケットを手に入れられる可能性は充分といえます。

マウリシオ・ポチェッティーノ監督の現状について、「テレグラフ」のマット・ロー記者が話題にしたのは、カラバオカップ準決勝のファーストレグでミドルズブラに1-0で敗れたからです。ポゼッション72%と圧倒的にボールを支配していたチェルシーは、シュート数6対18と攻め立てながらも、5本のオンターゲットをGKグローヴァーにセーブされてノーゴールで敗れました。

FAカップならメディアの見出しになるアップセットですが、ホーム&アウェイの初戦を落としただけで騒ぐ必要はありません。コール・パルマーを最前線に配する布陣を試せたのは、よかったといえるでしょう。スタンフォード・ブリッジのセカンドレグを2点差以上の勝利で終えれば、チャンピオンシップの12位にクリーンシートで敗れたという事実はすぐに忘れられるはずです。

とはいえ、直近の公式戦を6勝1敗で快走していたチームの敗戦は、懐疑的なジャーナリストたちの執筆意欲を掻き立てたようです。「フットボールロンドン」のチェルシー担当ライター、ボビー・ヴィンセント記者は「アイデンティティの欠如」「未だにベストイレブンがわからない」と指摘。「テレグラフ」のマット・ロー記者は、リーダーシップの不足を問題にしています。

「左SBでレヴィ・コルヴィルのベストを見られるとは思えない」というのは、「アスレティック」のサイモン・ジョンソン記者。これについては本人も、「自分はCBだけど、チームのためと理解しており、将来の自分のためにも多くのことを学ぼうとしている」「ウインガーとの1対1や、サイドでキープした際のパスコースの少なさを難しいと感じている」といっています。

「BBC」のウィル・フォークス記者は、エンクンクやラヴィアら負傷者の多さを指摘しており、最前線の決定力はどのメディアも1度は取り上げている課題です。今季プレミアリーグで4位のxG10.6を記録しながら、7ゴールに留まっているニコラス・ジャクソンのポジションに、決定力が高いとはいえないアルマンド・ブロヤしかいないのは不振の要因のひとつではあるでしょう。

チェルシーが負けた試合を見ていて思うのは、劣勢になったときにゲームをコントロールする存在がいないことです。FAカップでアーセナルを下し、カラバオカップのフラム戦で逆転勝利を挙げたリヴァプールは、フロントスリーのポジショニングや攻めるポイントを変えてゴールを決めています。追いついてから、オンターゲット5本を浴びせたアタックは迫力充分でした。

対してチェルシーは、ボロ戦は終盤にシュートに持ち込めず、ウルヴス戦は1-0のラスト5分までエンジンがかからず、2-0完敗のエヴァートン戦は強引なシュートが目立ちました。アスピリクエタ、カンテ、メイソン・マウント、コヴァチッチが一気に抜けたのに、精神的な支柱となれる代役を押さえられなかったことが、複合的な理由が重なる不振のベースにあるような気がします。

とはいえ冒頭で触れたように、ECLまで3ポイント、ELまで6ポイントなら逆転は可能です。プレミアリーグのビッグチャンスクリエイト64回は3位、xG39.9はリヴァプールに次ぐ2位とゴールに迫る形は創れています。劣勢になったときの攻め方の明確化や、チェンジオブペースができるようになれば、おのずと勝ち点は増えていくでしょう。このあたりは指揮官の仕事です。


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