2025.09.27 チェルシーの話題
クラブワールドカップは、このまま続けるのか?大量の負傷者に苦しむチェルシーを見て思うこと。

エステヴァン・ウィリアンとペドロ・ネトをヨルゲンセンとトシンに代え、21分にはコール・パルマーがリタイア。この時間の3枚チェンジは、プレミアリーグの最速レコードです。オールド・トラフォードで10番が痛めたのは、8月と同じ鼠径部で、2~3週間の離脱となるようです。ブライトン戦を控えたチェルシーの欠場者リストは、13人に膨れ上がっています。
ロングリストをチェックしてみると、ドーピングのペナルティで最長4年の出場停止処分を喰らう可能性があるムドリク、カラバオカップをサスペンデッドでスキップしたロベルト・サンチェス、リンカーン戦で脳震盪を起こしたウェズレイ・フォファナ、病気で欠場したアチャンポンの名前もあります。負傷者は9人ですが、それでも20クラブのなかで最多です。
「クラブワールドカップの影響で、われわれは新たな状況に直面している。今シーズンの負傷状況がどうなるかは予測不能だ。われわれが抱える負傷者の数は、偶然ではないと思う。この状況から学習し、マネジメントの方法を模索する必要がある」。やりくりを強いられているマレスカ監督は、「呪い」などという数年前に流行ったネットミームでごまかされたくないのでしょう。
クラブワールドカップで6試合出場のコール・パルマーは、2度の負傷で4試合欠場となっており、リアム・デラップは初めてのハムストリングで3ヵ月の離脱。5試合のレヴィ・コルウィルは、前十字靭帯損傷でシーズンアウトとなりそうです。同じく5試合のノニ・マドゥエケはアーセナルで膝を痛め、ノックアウトラウンドでリタイアしたラヴィアは未だ復帰できていません。
クラブワールドカップ王者は、ファイナルの3週間後の8月4日にプレシーズンのトレーニングを再開し、わずか13日の準備でクリスタル・パレスとの開幕戦に臨んでいます。指揮官とスタッフはリスクを承知しており、ウルヴスに次ぐ総勢22人のターンオーバーと交代策で負担を減らそうとしたのですが、前線から最終ラインまですべてのポジションで主力を失ってしまいました。
スタンフォードブリッジのブライトン戦は、コルウィル、フォファナ、トシン、エスゴ、ブオナノッテ、コール・パルマー、デラップが不在。バディアシル、アチャンポン、ラヴィアは万全ではなく、トレーニングで違和感を訴えたマルク・ギウはベンチ入りを見合わせるかもしれません。プレミアリーグとCLで全試合先発のカイセドとエンソ・フェルナンデスが心配です。
ジョアン・ペドロの古巣対決を終えると、中2日でCLのベンフィカ戦があり、さらに中3日でリヴァプールと戦わなければなりません。3試合ともロンドンとはいえ、トレヴォ・チャロバーが唯一元気なCBと、計算できるサブの選手がアンドレイ・サントスのみの中盤に不安を抱えながらの連戦となります。マレスカ監督の嘆きに、真っ向から異を唱える記者や評論家はいないでしょう。
イングランド代表のトーマス・トゥヘル監督は、「クラブワールドカップによって、プレミアリーグの優勝争いはリヴァプールとアーセナルに有利になった」とコメント。以前から過密スケジュールに難色を示していたユルゲン・クロップは、「フットボールの日常業務に全く関わったことのない人々が思いついた史上最悪のアイデア」と件の大会を非難しています。
数年前の欧州王者や南米王者まで引っ張り出して、現在の最強クラブを決めるレギュレーションには違和感があります。「カンファレンスリーグの王者が、直前に新戦力を加えてチャンピオンズリーグの覇者に勝った」というオチは、痛快な抗議になったのではないかと思います。韓国と南アフリカのクラブの対戦に3400人しか集まらない大会を、そのまま続けるのでしょうか。
出場国が増えたワールドカップや相変わらず盛り上がらないネーションズリーグなど、オフシーズンの大会の膨張について真剣に考え直す必要があります。特定のクラブが2週間のみの準備で開幕に突入するなどという最悪のスケジュールは、今季限りとしていただきたいものです。今は、ただひとこと。チェルシー、マン・シティ、がんばれ!(エンツォ・マレスカ 写真著作者/Oscar0123)
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