2026.02.21 チェルシーの話題
補強は若手シフト、超長期契約、低額サラリー。チェルシーのチームマネジメントに潜む課題とは?
新戦力の獲得は将来性がある若手にシフトしており、超長期契約、低額の基本給、ハイパフォーマンスにはインセンティブ、チャンピオンズリーグの出場権を逃したらサラリーをカット。明確な方針のメリットは明確です。ビッグネームに支払う高額の移籍金のリスクを排除し、長期契約によって単年の減価償却費を減額すれば、より多くの選手を引き入れることができます。
長期の契約を締結すると、在籍期間の延長交渉の回数が減るのでスタッフの業務効率化が進み、個々のサラリーの増額を抑えられるのもメリットです。ベースのサラリーの低額化は、固定人件費の圧縮とともに、売却時のハードルを下げる狙いもあります。インセンティブの比率を高めると、活躍していない選手のコスト抑制と主力への高額の支払いを両立できます。
「契約に関する交渉を実施するのはオフシーズンのみ」と明言しているチェルシーは、夏にテーブルを用意する4人について、「契約が残り24ヵ月となったら放置せず、延長と売却の二択で対応する」という方針を貫くようです。契約満了が近づいてからの移籍交渉となると、相手に足元を見られてしまうからでしょう。
彼らのコンセプトと打ち手には明確な理由があり、どこを取っても合理的です。高額の移籍金が重荷になったミハイロ・ムドリクや、破格のサラリーを支払い続けているラヒム・スターリングといった失敗例は、獲得時のリサーチによって潰していくのでしょう。活躍すると見込んだ選手が鳴かず飛ばずとなるリスクは、どんなやり方を持ち込んでもゼロにはできません。
これまでの常識に囚われないスカッドのマネジメントは、他クラブも参考にしているようです。マンチェスター・シティは1年前に、アーリング・ハーランドと2034年6月までの9年半の長期契約を締結。リヴァプールが昨年の夏に獲得したイサクとエキティケも、スパーズのクドゥスとマティス・テルも、契約期間は6年となっています。
プレミアリーグでは、チェルシーの新たなスタイルがトレンドとなるのでしょうか。「アスレティック」の記者たちが、この話を取り上げたのは、関係者から「エンソ・フェルナンデスやカイセドら複数の選手が待遇改善をしたがっている」という情報を得たからです。選手のサラリー情報は、代理人を通じて出回っており、やはり他クラブの主軸と比べると安いのでしょう。
チェルシーの補強戦略とチームマネジメントに関するさまざまな記事をチェックしていくと、3つの課題が見えてきます。「獲得しやすい若手が、必ずしもチームに必要な選手ではないケースが多い」「即戦力を獲得しにくい」「ビッグクラブに主力を抜かれやすい」。クラブの基準に合わないオーダーをしてくる選手を売り続ければ、チームの弱体化は避けられません。
1億ポンドを超える額で引き入れたエンソ・フェルナンデスとカイセドは、獲って正解といえるでしょう。しかし、彼らが高額のサラリーを求めてくると、難しい判断を迫られます。言い分を呑めば人件費は高騰し、さりとて売却となるとビッグマネーを気前よく払うクラブが必要です。カイセドをマン・シティやアーセナルに売ったら、トロフィー獲得の可能性が下がります。
安定的な経営と、安定的な強さは時に相反するテーマです。チームをモデルチェンジするフェーズでは効果的だったシステムは、成熟に耐えられるのでしょうか。チャンピオンズリーグの出場権を失ったら、欧州制覇をめざす強豪クラブの魔の手が忍び寄ってきそうです。チェルシーの夏の強化と、主力選手の動向に注目しましょう。
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