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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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サポーターは愛想を尽かした!? 「BBC」のチーフライターがサッリ解任間近とレポート!

you’re getting sacked in the morning(明日の朝には解任だ!)」。アウェイサポーターがお約束のチャントをがなり立てると、ストレスを溜めていたホームサポーターが尻馬に乗り、スタンフォード・ブリッジに不穏な空気が流れました。「BBC」のチーフフットボールライター、フィル・マクナルティさんは、「Why end is near for Chelsea manager after defeat by Man Utd(マン・ユナイテッドに敗れた後、チェルシーのマネージャーが終わりに近づいた理由)」と題したレポートのなかで、「これは重要な瞬間であり、サッリがサポーターにどれほどひどい評価を受けているかを物語る尺度だった。彼は今まで、この類の敵対的な扱いを受けたことがなかった」と驚きを表現。「ひとたびファンベースを失えば、取り戻すのは並大抵のことではなく、通常ならサッリは職責を果たせなくなる」と、プレミアリーグ6位に転落した指揮官の行く末を案じています。

シーズンの前半戦で窮地に立たされていたのは、FAカップ5回戦で激突したマンチェスター・ユナイテッドのほうでした。モウリーニョ監督と選手の不和が囁かれていたクラブは、プレミアリーグ12節のマンチェスターダービーに敗れて6勝2分4敗の勝ち点20。ここまで8勝4分と無敗だったチェルシーは、優勝候補の一角と目されていました。12月にポルトガル人監督のクビが飛び、スールシャールがノルウェーから招かれると、マン・ユナイテッドは公式戦11勝1分1敗と完全復活。チェルシーはこの間プレミアリーグで4勝1分4敗、公式戦7勝1分5敗と停滞し、ゴールを決められないまま終わる試合が急増しました。

7勝5分5敗で6位に沈んでいたチームに追いつかれたサッリ監督は、どんな問題を抱えているのでしょうか。「BBC」に寄稿したライターは、「イタリア人指揮官は柔軟性に欠け、頑固」「ハイペースのアタッキングサッカーは、質の高いチームと当たると退屈で予測可能になり、簡単に混乱してしまう」と指摘しています。監督の頑固さとチームの弱点の象徴として挙げているのは、ナポリから獲得したジョルジーニョです。「チームがうまくいかなくなれば、中盤の混雑と執拗なブロックによって打ち消され、試合が終わってしまう」。世界で最も優れたアンカーと見做されているエンゴロ・カンテがいるのに、このポジションでは能力的に劣るプレーヤーを支持するのは理解できないというわけです。

マンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、これまで右サイドで起用していたマタを2トップの後ろに配し、ジョルジーニョにプレッシャーを与えました。一方、チェルシーの監督のほうは、いつものメンバーでいつものサッカー。劣勢となっても、ペドロをウィリアン、コヴァチッチをロス・バークリーと判で押したような同ポジションの交代策でした。アスピリクエタをザッパコスタという最後のカードは、将棋でいえば投了前の形づくりのようです。ジルーとカラム・ハドソン=オドイがベンチにいるのを見たサポーターたちが怒るのも無理はありません。ポゼッション67%、シュート数でも上回っていたホームチームに対して、赤い悪魔の2点の貯金はセーフティではなかったように思います。

サッリ監督に厳しいマクナルティさんは、「選手たちは迷っており、インスピレーションとアイデアが欠けている」と不振の原因について触れた後に、「彼も同じに見える」としています。カラバオカップ決勝は6-0で大敗したマン・シティ、直後のプレミアリーグは3-1で完敗したスパーズが相手ですが、サッリ監督は同じメンバー、同じ戦術をチョイスするのでしょうか。ホームゲームでサポーターの怒号が響く今となっては、新しいことは始められないでしょう。「BBC」のライターの最後の言葉に、反論する根拠が見当たりません。「It is hard to see Sarri coming out of this crisis unscathed.(サッリがこの危機から無傷で戻ってくるのを見るのは難しい)」。

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