サッリ解任ゴシップの火は消えず…チェルシー停滞の理由はメンタル?戦術?
「われわれは、今季のベストといえるぐらいの45分を過ごした。ところが、後半が始まると突然プレイを止めてしまった。理由はわからない。フィジカルの問題ではないだろう。それが理由なら、だんだん悪くなっていくものだ。変化を説明するのは難しい。おそらく、メンタルブロックなのだろう。今は、そこがわれわれの限界。前半のプレイを貫ければ、別なポジションにいたはずだ」
後半開始4分のCKからリシャルリソンに決められ、景色は一変しました。サイドからの仕掛けは淡白になり、ミドルレンジから狙うだけのアタックは、エヴァートン守備陣を守りやすくさせてしまいました。サッリ監督は、しばしば敗因をメンタルに求めてきましたが、問題の解決につながらないネガティブなコメントは、チームのモチベーションを下げるだけではないでしょうか。指揮官に「理由はわからないけどダメだった。気合いが足りない」といわれても、次の試合の戦い方を改善することはできないでしょう。
チェルシーの弱点のひとつは、交代策で試合の展開を変えられないことだと思います。ヨーロッパリーグであれだけ機能したジルーは、プレミアリーグの途中出場ではなぜ空回りするのか。カラム・ハドソン=オドイ、アザール、ペドロ、ジルーと前に4枚並べた布陣にどんな狙いがあったのか。後半戦の勝ち試合はすべて先制しており、追いつかれても時間を空けずに勝ち越しゴールを決めています。一方で勝ち点をロストした試合は、92分にアザールが同点ゴールを決めたウルヴス戦を除いて、全戦ゴールレス。シーズンを通じて逆転勝利は5節のカーディフ戦のみで、ビハインドを背負うと苦しくなるのは、オプションの意図が希薄で、4-3-3以外に自信をもって戦えるフォーマットがないからでしょう。
試合の展開によってはカンテとジョルジーニョの役割を変えてみる、ジルーとイグアインを近くでプレイさせる、SBを1枚削って3-4-3でサイドからの圧力を高めるなど、打てる手はあると思われます。来季は、攻撃のバリエーションが豊富なチェルシーを見てみたいのですが、サッリ監督は続投となるでしょうか。プレミアリーグで4位以内に入る可能性は残されており、ヨーロッパリーグという別ルートも確保しているなかでの解任はなさそうですが、CL出場権を逃せば、アブラモヴィッチさんは新監督の招聘を検討するでしょう。
今のチェルシーに必要なのは、指揮官が選手たちへの信頼を表明することと、個性溢れる前線のタレントを活かし切ることだと思います。今季プレミアリーグも残り8試合。「途中出場の選手が決めて、鮮やかな逆転勝利」とレポートできる試合があれば、チームはひと皮剥けるのではないでしょうか。
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