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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2021.07.10 ユーロ2020

ユーロ2020の代表は…!? 2017年にイングランドのユース代表で世界と欧州を制した逸材たちの4年後。

ワールドカップでも欧州でも、ベスト4の壁に阻まれてきたイングランド代表が、ユーロ2020でついにファイナルに進出。フットボールの母国の熱きサポーターたちを熱狂させた26人のメンバーリストを見ていると、ヤングスターたちの活躍にテンションが上がった4年前を思い出します。2017年は、イングランドの年でした。インドで行われたU-17ワールドカップ、ジョージア開催のU-19欧州選手権、韓国に乗り込んだU-20ワールドカップをすべて制覇。ユーロ2020とFIFAワールドカップカタール2022は、彼らの大会になるのではないかと思いました。

それぞれの大会と主力メンバーを振り返ってみましょう。インドの大会を制圧したU-17は、7試合で23ゴールをゲットした攻撃的なチーム。6試合を3ゴール以上の圧勝で終わらせた彼らを、0-0のPK戦に引きずり込んだのは、久保建英が前線で脅威となった日本代表でした。最強チームのエースは、アメリカ戦とブラジル戦で2試合連続ハットトリックを決め、通算8発で得点王となったリアム・ブリュースター。2018年1月に負った重傷がなければ、リヴァプールのフロントスリーの一角としてプレミアリーグで戦えていたかもしれません。

ハドソン=オドイ、スティーヴン・セセニョン、モルガン・ギブス=ホワイトなど、将来を嘱望されるプレーヤーが揃っていたなかで、ユーロ2020のイングランド代表に選出されたのは、大会MVPのフィル・フォーデンとジェイドン・サンチョです。両者ともに、この世代ではトップクラスのタレントですが、欧州の頂点を争う大会では本来のパフォーマンスを発揮できずにいます。ファイナルで、出番はあるのか。接戦の後半に声がかかるなら、次のステージにつながる爪痕を残してほしい。今回は間に合わなかったスミス・ロウは、カタールの代表をめざしてグリーリッシュらと鎬を削ることになります。

U-19欧州選手権で優勝したメンバーからは、メイソン・マウントとリース・ジェームズ。ディーン・ヘンダーソンの負傷で滑り込んだアーロン・ラムズデールも、このチームの主力でした。開幕のブルガリア戦の開始1分にゴールを決めたメイソン・マウントは、4-1で快勝したドイツ戦で怒涛の3アシスト。ポルトガルとのファイナルでは、FKを右ポストに当ててサリマンの先制ゴールを呼び込むと、1-1の68分にはショートカウンターを仕掛けてヌメチャのゴールをアシストし、文句なしの大会MVPに選出されています。

コロナウイルスに感染したビリー・ギルモアとの濃厚接触により、チェコ戦とドイツ戦を欠場したメイソン・マウントは、ハリー・ケインの後ろのポジションを確保。31歳のカイル・ウォーカーが代表から退いた後は、リース・ジェームズとアレクサンダー=アーノルドの熾烈なポジション争いが展開されることになるでしょう。今後が楽しみな逸材を輩出したU-17とU-19に対して、期待が高かったU-20ワールドカップ組のユーロ生き残りは、カルヴァート=ルーウィンとディーン・ヘンダーソン(負傷離脱)のみです。

得点王とMVPのダブルを決めたドミニク・ソランケは、プレミアリーグ63試合4ゴールという散々なスタッツしか残せず、現在はチャンピオンシップのボーンマスでプレイ。ミランに移籍したフィカヨ・トモリ、昨季のフラムでプレミアリーグ34試合4ゴール4アシストのルックマン、セインツの右サイドに定着したカイル・ウォーカー=ピータースはまずまずですが、代表の椅子までは距離があります。ドゥーウェル、ジョンジョ・ケニー、ルイス・クック、クラーク=ソルターにも注目していたのですが、いずれも伸び悩んでいると評価すべきでしょう。

こうして若い選手たちの名前を並べてみると、「イングランド代表とは、どれだけ険しい山なのか…」と思わず絶句してしまいます。テクニックやパワーだけでなく、強靭な精神力、セルフマネジメント、コミュニケーション、ケガに負けないフィジカルなど、あらゆることが求められ、出番を得ても結果を出さなければ取って代わられてしまうのです。

デル・アリに再びチャンスは訪れるのか。大器といわれたタミー・アブラハムは呼ばれるのか。右サイドの守備はプレミアリーグ屈指といわれるワン=ビサカにスポットは当たるのか。明日の試合も、さまざまな顔を思い浮かべながら観戦することになりそうです。最後に結果を出してくれ、マーカス・ラシュフォード!


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