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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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ティーレマンスのスーパーミドルで決着!ブレンダン・ロジャースのレスターがFAカップ初優勝!

FAカップ決勝でトロフィーを争った直後に、プレミアリーグ37節はTOP4を巡るシックスポインター。2つとも勝てばタイトルとCL出場権獲得、2戦とも落とせば無冠&5位という結末に近づく重要な連戦です。チェルシーVSレスター、最初のステージは21000人のファンを迎えたウェンブリー。トゥヘル監督は、ゴールマウスにメンディではなくケパを配しています。3バックにリース・ジェームズ、チアゴ・シウヴァ、リュディガー。WBはアスピリクエタとマルコス・アロンソ、センターはジョルジーニョとカンテ。メイソン・マウントとツィエクの前にヴェルナーが入る3-4-2-1です。

立ち上がりから、ラインの裏を狙うチェルシー。シュマイケルの前に並ぶフォファナ、ジョニー・エヴァンス、ソユンチュがラストパスをカットしています。両サイドにカスターニュとルーク・トーマス、セントラルにエンディディとティーレマンス。トップ下にアヨゼ・ペレスが入り、ヴァーディーとイヘアナチョの2トップです。10分に左からロングフィードを追ったヴァーディーは、リース・ジェームズに体を入れられました。アスピリクエタをサイドに置いてリース・ジェームズを3バックに組み込んだのは、ベテランストライカーのスピード対策でしょうか。

15分のリュディガーのロングシュートは右にアウト。1分後、ティーレマンスの浮き球で右のカスターニュが縦に突破し、グラウンダーがヴァーディーに届きますが、リース・ジェームズがブロックしました。20分の右からのFKをティーレマンスがファーに上げると、ソユンチュのヘッドはクロスバー越え。23分にチアゴ・シウヴァのパスが前線のメイソン・マウントに通ると、ソユンチュを抜き去って打った左足のシュートはDFに当たって右に逸れました。

27分、カンテの縦パスでヴェルナーが前を向いて突進。遠めから放ったショットは、明らかにミスキックです。28分、CKのクリアを拾ったメイソン・マウントがツィエクとのワンツーで右サイドを突破。ファーでクロスを受けたチアゴ・シウヴァがリュディガーとのパス交換から中央に浮かすと、ヴェルナーのヘッドは右のポストの外に切れていきました。31分、レスターに激痛のアクシデント。ジョニー・エヴァンスが負傷リタイアとなり、「FAカップの決勝は子どもの頃からの夢だった」と語っていたオルブライトンが呼ばれました。

39分、マルコス・アロンソのクリアが前線のツィエクに通り、ボックス右に流れたヴェルナーにラストパスが通りますが、2本のシュートはいずれもフォファナが冷静にブロック。43分、オルブライトンのパスミスを敵陣でインターセプトしたヴェルナーは、カットインから左隅を狙いますが、フォファナに触れたボールは外に流れていきました。追加タイムにティーレマンスが右から浮かしたボールがゴール前のヴァーディーに届くも、ヘディングは枠にいきませんでした。

両者ともオンターゲットゼロで、後半がスタート。50分にレスターが速攻を仕掛け、オルブライトンのアーリークロスにヴァーディーが反応しますが、ケパがボックスから飛び出してカットしました。53分、ジョルジーニョのスルーパスでカンテが右サイドを崩し、ファーに出たクロスをマルコス・アロンソが頭で合わせますが、ボールはシュマイケルの正面です。63分、後方からのリース・ジェームズのパスにアヨゼ・ペレスが触り、ルーク・トーマスが中央のティーレマンスへ。ドリブルで進んだ8番の完璧なミドルが左隅に突き刺さり、オンターゲットがなかったチームがリードしました。

67分にイヘアナチョが下がってジェームズ・マディソン。トゥヘル監督はツィエクとマルコス・アロンソを下げ、プリシッチとチルウェルを投入しました。77分、右にいたカンテがファーにふわりと浮かすと、チルウェルのヘッドはポストの手前でシュマイケルがビッグセーブ!ジョルジーニョとアスピリクエタを下げ、カイ・ハヴェルツとハドソン=オドイを入れていたトゥヘル監督は、82分にヴェルナーをジルーに代えてカードを使い切りました。逃げ切りを図るロジャース監督は、ルーク・トーマスとアヨゼ・ペレスを下げてウェズ・モーガンとチョードリー。残り時間は、5分しかありません。

88分、クロスのクリアを左足で叩いたメイソン・マウントの決定的なボレーも、シュマイケルが左手で弾き出すビッグセーブ。1分後、チアゴ・シウヴァのロングフィードでチルウェルが裏に抜け、クロスのこぼれ球がSBに当たってゴールに飛び込みますが、VARがオフサイドを指摘してノーゴールです。5分の追加タイムは、チェルシーの放り込みがことごとく跳ね返される時間でした。パーフェクトなミドル以外にケパを慌てさせるシーンを創れなかったチームが、FAカップ初優勝を遂げました。

おめでとうレスター、そしてブレンダン・ロジャース!プレミアリーグで3試合しか出番がなかった37歳のウェズ・モーガンの起用は、功労者へのプレゼントのように感じられました。クラブの歴史に偉業を刻んだ指揮官は、ティーレマンスと熱くハグをかわし、トロフィー獲得の喜びに浸っています。ミドルシュートを決めた8番がMVPという声が大半だと思われますが、フォファナとシュマイケルを並べてもいいでしょう。ジョニー・エヴァンスを失った後、チェルシーのアタッカーを止め続けたCBと、終盤のきわどい2本をセーブした守護神もチームに欠かせない存在でした。

アーセナルとのビッグロンドンダービーに続き、得点力という弱点を露呈してしまったチェルシーですが、ティーレマンスにやられたシーン以外に守備のミスはなかったと胸を張っていいと思います。伝統のカップ戦にふさわしいナイスゲームでした。次は、プレミアリーグのTOP4争いですね。火曜日のスタンフォード・ブリッジでも、今日のような緊張感の高いゲームを見せていただければと期待しています。


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“ティーレマンスのスーパーミドルで決着!ブレンダン・ロジャースのレスターがFAカップ初優勝!” への2件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き より:

    お互いに集中していた素晴らしい試合でした。
    シュマイケルにビッグセーブを連発され、唯一の枠内シュートであるティーレマンスにゴラッソを決められ、意地の同点弾がVARでノーゴールになっては、今日はそういう日じゃなかったと割りきって諦めるしかありません。
    ライブで抜かれる現地サポーターも終始チームの初優勝を祈るレスター側がほとんどでしたし、そういう意味でもアウェイ感の強い試合だったと思います。
    決勝で負けてはしまいましたが、FAカップならまたすぐに決勝まで這い上がれると思うので、すぐに気持ちを切り替えて、重要度の高いリーグ戦、そしてCL決勝に挑んでいただけたらなと思います。
    しかし相手チームの優勝セレモニーを見るマウントの背中が悲しすぎて…
    この悔しさをバネにすることができたら、チームとしても個人としてもまだまだ若いですし、より上のステージで戦えそうな気はしますが、やっぱり悔しいでしょうね…

  2. n より:

    中盤を抑え合いながら、コンパクトなプレーエリアの駆け引きにとても見応えのある内容で楽しめましたし、シュマイケルの神セーブの連続に、残念ながらも諦めのつく敗戦でした。全体的に悪くはないのに何故か失点になるケパを比べて、ここの紙一重の重要さを感じます。決定力不足、やはりヴェルナーの出来も結果には大きく影響してますね。
    2冠&CL枠の期待から、連敗で何も取れない可能性が拡がり、何とも不安です。ツィエクとマウントの棲み分け&活かし合い、かつてのオドイのシュート感覚、ハヴァーツの覚醒、期待の要素は沢山あるので、コバチッチ復帰含めてまずはリーグのレスター戦での変化とリベンジに期待し、世間の予想と期待に反したビックイヤーに望みをつなぎます。

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