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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

香川真司&スアレス復活!互角のマンチェスター・ユナイテッドVSリヴァプール、勝敗を分けた1発のCK

シュート数は18対16、ボールポゼッションは49対51。両者の間に、目に見える差はありませんでした。しかし、勝ったのはマンチェスター・ユナイテッド。先日のプレミアリーグ第3節で、CK1発でやられた借りを、同じくCK1発で返しました。決めたのは、チチャリート。後半キックオフから、香川真司が左サイドを走るナニにロングパスを出し、ナニが粘って取ったCKからでした。チチャリートがうまくニアにポジションを変えたとき、ついていけなかったホセ・エンリケは眠れない夜を過ごすことでしょう。ルーニーのピンポイントのキックを左足で軽く合わせただけの彼らしいゴール1発で、リヴァプールのキャピタルワンカップは3回戦で終わりを告げました。

前半、押していたのはリヴァプール。モイーズ監督が選んだスタメンは、あまりにも危険でした。左サイドに、ボールを奪うディフェンスが得意ではない香川真司と、今季ほとんどゲームに出ておらずミスが多いSBビュットナーを置いたために、リヴァプ―ルに完全に狙われます。加えて、キャリックを休ませてフィル・ジョーンズとギグスにまかせたセンターは、マイボールをいい形でキープできず、前線への配球も今ひとつ。マンチェスター・ダービーでボロボロだったスモーリングを、なぜCBで使うのでしょう。リヴァプールは、思い切って前線からプレスをかけ、ミスを誘ってショートカウンターを連発。スアレスとスタリッジが、交互にDFとの競り合いを制し、デ・ヘアと交錯するあわやというチャンスを作ります。

前半の香川は、うまくいかない守備に集中力を奪われ、最悪の出来。昨季のプレミアリーグではありえない頻度で、中盤でパスミスを連発します。ドルトムント時代も、昨季のファーガソン采配におけるトップ下起用時も、パスコースを切る守備はするものの、相手に体をぶつけてボールを奪取するデイフェンスはほとんどしていません。しなくても、よかったのです。後ろのギュンドガンやキャリックが、その役割は肩代わりしてくれていたから。しかし、今季のマンチェスター・ユナイテッドに、それが許されるポジションはありません。

前半30分以降はスタリッジやモーゼスにいいようにされながらも、何とか水際でのクリアを重ねて0-0でしのぎましたが、リヴァプールがいつ点を獲るのかというゲーム内容です。ところが後半開始直後、冒頭のチチャリートのゴール!追いかけないといけなくなったリヴァプール。しかし…。

後半は、最高にスリリングなゲームでした。マンチェスター・ユナイテッドが攻勢に転じ、殴り合いとでもいうべき展開。最大のポイントは、香川とナニの左右を入れ替えたこと。後ろが守備が安定しているラファエウになり、背番号26の目線は完全にリヴァプールゴールに向きます。先制点からの25分間は、香川真司のショータイム。53分にはペナルティエリア前でボールを受けると、ダイレクトでナニにラストパス。ナニがPKをもらおうとしなければ、ビッグチャンスになったかもしれません。58分にはカウンターからチチャリートのパスを右サイドで受け、中央に走り込むナニに絶妙なラストパス。63分には自身の左足シュートがバーをかすめます。得点にはならなかったものの、サイド一辺倒の単調な攻撃に違いを生み出すのは、やはり香川真司とルーニーです。今夜はナニもよかったですね。クロスが不正確なバレンシアや、判断力が今ひとつのアシュリー・ヤングよりも格段にクオリティが高いと思うのですが…。72分に香川がヤヌザイに交代すると、ここから後のマンチェスター・ユナイテッドにはこれといったチャンスはありませんでした。

一方、リヴァプールも負けてはいません。53分にはショートカウンターから3対3に持ち込み、ヘンダーソンが左ポストをかすめるシュート。57分にはスアレスのミドル。ルーカスに代わってケリーが入ると、サイドからのクロスが増え、デ・ヘアが忙しくなります。最大のチャンスは、右からのクロスをスタリッジが競り、そのこぼれ球を左から浮き球で折り返したところにシソコ(モーゼスだったかもしれません)が飛び込み、デ・ヘアがかろうじてパンチで逃げたシーンでした。リヴァプールが得点を奪えなかった最大の理由は、球離れの悪さでしょう。あとコンマ何秒か、早くパスが出ていれば…というシーンが目立ち、タメが入ったことで、エヴァンスやスモーリングのタックルが間に合ってしまうケースが多かったように思います。

スアレスは、相手DFとの駆け引きやドリブルはよかったのですが、キックがよくなかったですね。シュートは枠に飛ばず、中盤でのショートパスのミスも多く、本調子とはいえませんでした。とはいえ、やはり彼は脅威。後半見せた、美しいカーブを描いたFKがバーに嫌われなければ、この日のヒーローは彼だったかもしれません。

いやいや、これだからプレミアリーグの上位同士対決はおもしろい!両チームのDFの体を投げ出すようなタックルや、GKの好プレーがなければもう2~3点入っていてもおかしくない試合でした。間違いなく、リヴァプールは強いです。これなら昨季のように、「プレミアリーグでは蚊帳の外」といった状態にはならないでしょう。スアレスにエンジンがかかり、コウチーニョが戻ってくる今後に期待です。マンチェスター・ユナイテッドは、これをきっかけにサイド偏重を見直したほうがいいと思います。香川、フェライニ、ルーニー、ナニがポジションを激しく変えながらコンビネーションで攻め込むサッカーを期待しましょう。え?それでも入らないときは?…心配いりません。こちらもそろそろ戻ってらっしゃるオランダ人ストライカーが、有無をいわせずドスン、と。

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