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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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マンチェスター・シティ、雪辱!モウリーニョの仔馬たちに何もさせず、FAカップは完勝!

ひとことでいってしまえば、完勝。そして、ヤヤ・トゥレの日。先日のプレミアリーグでは、マンチェスター・シティをエティハドで0-1と破り、ホームでのプレミアリーグ無敗記録と連続得点記録を同時に止めたチェルシーでしたが、FAカップに二匹目のドジョウはいませんでした。チェルシーの攻撃をペナルティエリア直前に呼び込んでカットし、速いパスワークでサイドを崩したマンチェスター・シティはモウリーニョのチームに何もさせず、2-0でFAカップ8強入りを決めています。

この日のマンチェスター・シティは、ジェコとヨヴェティッチが前線に入り、ヤヤ・トゥレ、ダヴィド・シルヴァ、ミルナー、ハビ・ガルシアという守備重視の中盤。自らボールを支配するより、堅実に守って速攻でゴールを陥れるという戦い方を選びました。スタメンをいじった効果が出始めたのは14分。中盤で相手を軽くかわしたヤヤ・トゥレの強いミドルをGKチェフがファンブル。これにヨヴェティッチが詰めたもののシュートはバーの上をたたき、チェルシーは胸をなでおろします。

しかしその1分後、今度はヨヴェティッチの勝利です。左SBのクリシーからのビルドアップで、ダヴィド・シルヴァが左サイドから中央のジェコに通し、ジェコが右を走るヨヴェティッチにラストパスを出すと、ヨヴェティッチはフリーでゴール前へ。チェルシーDFがコースも切れず、タックルもできなかった流れるような攻撃の最後は、背番号35の完璧なコントロールショットでした。右足でクロスに流し込んだシュートが左ポストの内側をたたき、今回はマンチェスター・シティが1-0でリードします。

チェルシーは、20分過ぎからラミレスの左からの突破、マティッチのきわどいクロス、ウィリアンのミドルとチャンスを創りますが、いずれもラストの精度が低く、マンチェスター・シティを慌てさせることができません。先日、プレミアリーグで対戦した時とは真逆で、リードしたマンチェスター・シティが時折カウンターを仕掛け、ミルナーのクロスにジェコが飛び込むという1点もののシーンがありましたが、これは一歩及びません。前半は1-0。モウリーニョ監督は、後半頭からエトーに代えてサラーを投入。プレミアリーグでのダブルにとどまらず、マン・シティに3連勝するのだというメッセージをピッチに送り、逆転を狙います。

しかし後半には、一方的なマンチェスター・シティペース。50分にはワンツーから左サイドをクリシーが完全に破り、ラストパスのこぼれをヨヴェティッチがシュート。これは上に外れますが、ホームチームのパスワークは好調です。チェルシーは、シュートはおろか中盤でフリーになる場面すら創れず、61分にラミレスに代わって入ったF.トーレスも、攻めの拠点になることができません。マン・シティも61分、いちばん運動量が多かったヨヴェティッチをケガから戻ったナスリにスイッチ。すると6分後、そのナスリがダヴィド・シルヴァとの完璧なコンビネーションから2点めを奪い、試合を決定づけます。

このゴールシーンでは、DFラインの裏に入り込んだダヴィド・シルヴァへ通したナスリのスルーパスはオフサイドで、即座に手を上げて主張していたCBダヴィド・ルイスは正しかったと思います。しかし、ぎりぎりのタイミングで裏へ抜けたシルヴァの俊敏な動きをラインズマンは見送りました。パスを出した後、まっすぐゴール前に走り込んで折り返しをゴールに流し込んだナスリのプレイはお見事。微妙なジャッジではありましたが、たった2人でDFラインを崩しきった美しい一発でした。

2-0となってからは、チェルシーのチャンスはまったくありません。前半からチェルシーの攻撃の芽をことごとくつぶし、敵陣でパスカットしてシュートを放つなど、馬車馬のような活躍ぶりを見せていたヤヤ・トゥレ運動量は、落ちる気配がありません。チェルシーのサラー、トーレスは不発。アザールもいつものような突破ができず、マン・シティ守備陣につかまっていました。もうひとつ気になったのは、GKチェフが珍しく不安定だったこと。プレミアリーグではクレバーにマン・シティの猛攻をシャットアウトしていた守備陣が、このゲームでは浮足立つシーンが目立ちました。レスコットが決めた3点めは今度こそオフサイドで、結局、このままタイムアップ。チェルシーのFAカップは終わりを告げ、マンチェスター・シティはプレミアリーグ、チャンピオンズリーグとのトレブルに向かって、また一歩前進しました。

ベストメンバーといっていいチェルシーの布陣をみれば、FAカップの優先順位が低いというわけではなかったと思われますが、この日はマンチェスター・シティの「1シーズンに3つも負けられない」というプライドが完全に上回ってましたね。この2チームの戦いは、先制点をどちらが奪うかがその後の展開を大きく左右し、戦術の限りを尽くした駆け引きは見応えがあります。ここは素直に、「ペジェグリーニ監督、素晴らしいサッカーでした。ベスト8おめでとうございます」とリスペクトしたいと思います。さあ、本日の夜は、こちらもプライドを賭けて戦うであろう、アーセナルVSリヴァプールです!

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“マンチェスター・シティ、雪辱!モウリーニョの仔馬たちに何もさせず、FAカップは完勝!” への2件のフィードバック

  1. チェルシー より:

    更新お疲れさまです

    コンディションの差が試合に出たとはいっても今回は完敗でしたね
    前回に比べると全体的に緊張感も足りませんでしたしなによりも運動量が少なくプレーの精度が低かったです

    タイトルを一つ逃した事になりますがやっと約一週間ほど空くので切り替えてPL&CLに全力を注いでもらえればOKですかね

    ようやくCLも再開しますし楽しみです(^^)

  2. makoto より:

    チェルシーさん>
    そうですね。前回の緊張感が、そっくり入れ替わってしまったようなゲームでした。マン・シティの中盤の守備が崩れなかったのが、彼らの勝因だと思います。

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