FAカップ激闘セミファイナル!昨季覇者ウィガン、アーセナルに大健闘もPK戦に散る!
ロシツキが負傷、ジルーはベンチ。今季が初めてのプレミアリーグで、チームにフィットしきれていないヤヤ・サノゴのワントップでは不安です。ポドルスキ、チェンバレンは比較的好調で、ラムジーが戻ってきたとはいえ、アーセナルは早い時間にゴールを決めて優位に立つことができるでしょうか。格下チームとの対戦は、同点のまま終盤までもつれると、むしろ自チームのプレッシャーのほうが強くなります。
案の定、アーセナルの攻撃はちぐはぐ。いつもどおりボールを支配してはいるものの、試合開始15分を経ても、これといったチャンスはありません。20分のチェンバレンの縦への突破は、ラストパスが中に合わず。22分には前線のサノゴにラムジーからいいパスが出ますが、サノゴがトラップミスをしてチャンスを活かせません。30分からは、ウィガンが逆襲。両サイドを攻められ、何度となく危ないクロスを上げられるものの、GKファビアンスキの再三にわたるクリアでピンチを逃れます。
40分を過ぎるとアーセナルが再び、攻勢です。カーブがかかったポドルスキのFKは惜しくもゴール右。41分にはサノゴが縦パスから抜け出し、GKと1対1になるもののシュートを体で止められCK。ポドルスキが敵陣でインターセプトに成功したチャンスも、パスを受けたサノゴがオフサイド。前半をスコアレスで終え、手ごたえを感じているのはウィガンのほうでしょう。プレミアリーグでここ4試合勝利なしと、調子が落ちているアーセナルに復活の兆しはみえません。
後半に入り、しばらくは互角の攻防が続きます。アーセナルはサイドを崩しきれず、早めに上げてくるウィガンのクロスは不正確。双方、なかなかシュートまで持ち込めません。これは、まずい。格上のチームが攻めあぐんで焦りを募らせる、典型的なジャイアントキリングの展開です。54分、左サイドからアタックしたポドルスキのグラウンダーのクロスもウィガンDF陣がブロック。アーセナルは後半最初の15分も、枠内シュートゼロで終わりそうです。すると59分、ウィガンが反撃。左からのドリブル突破に後手を踏んだメルテザッカーがマクマナマンを倒してしまい、痛恨のPK献上!キッカーはウィガンMF、ジョルディ・ゴメスです。左足で端を狙ったシュートが決まり、ウィガン、先制!
ベンチを出て戦況を見守るヴェンゲル監督にも、焦燥感がみてとれます。66分、ニアに飛び込んだサノゴのシュートも枠にいかず。アーセナルはここでジルーを投入です。下がるのは、ポドルスキ。2トップはプレミアリーグでも1回もなかったのではないでしょうか。ラスト20分、1点ビハインドのアーセナルは攻撃に関与する選手が少なく、最終ラインではウィガンのDFが2人余っています。
72分のCKもシュートにつながらず、直後のチェンバレンのミドルもGKの正面。ゴールが遠いアーセナル。どちらがプレミアリーグのクラブなのかわかりません。何度も出される無理めのスルーパスは、ウィガンに冷静にカットされます。79分のCKからの混戦も先に触ったのは青いユニフォーム。81分、ギブスのフリーのヘディングシュートも、GKカーソンがビッグセーブ!実況は「loser」と連呼しています。このときは、ガナーズはこのまま敗れ去るものと思っていました。
しかし82分、アーセナルがタイトルへの執念を見せ、ついに追いつきます。CKからの混戦で、ペナルティエリア外に出たボールをギブスが左足ミドル。シュートは明らかに右に外れていましたが、行く先にはメルテザッカーがいました。背番号4は倒れながらヘディング、ゴール!これで勢いに乗ったアーセナルが試合を決めにいきますが、イエローカード2枚を出しながら耐えたウィガンが延長戦に持ち込みます。
延長前半はアーセナルのペースも、やはりシュートが打てずにスコアは動かず。PK戦は避けたい強者は、残り15分でゴールを奪わないといけません。後半が始まっても、ウィガンの守備は堅く、アーセナルはゴール前の壁を崩せません。109分、中盤から一気に走りこんで放ったチェンバレンの渾身の一発はゴールバー直撃!残り7分、ヴェンゲル監督の3枚めは、ラムジーに代えてシェルストレームです。この後は、むしろチャンスが多かったのはウィガンのほうでした。アーセナルは、ハーフライン付近で無理なドリブルを奪われるという、プレミアリーグ上位クラブにあれほど狙われた弱点が改善していません。相手がウィガンだったので1-1で済みましたが、リヴァプールやエヴァートンなら、この日も軽く2~3点はやられていたでしょう。ともあれ120分が終わり、勝負はいよいよPK戦です。
昨季FAカップ決勝でマンチェスター・シティを破ったディフェンディングチャンピオン、ウィガンの連覇へのチャレンジは、ここで終わりを告げることになりました。この日のMVPは、コールドウェルとコリソンのPKをストップしたGKファビアンスキでしょう。アーセナルはアルテタ、シェルストレーム、ジルーが落ち着いて決め、最後のカソルラはGKをあざ笑うかのような正面への軽いキック。ゲームを締めた19番は、まっすぐGKのところへ走っていき、ナイスセーブをリスペクトします。アーセナル、決勝進出!大苦戦ではありましたが、プレミアリーグの意地を見せてPK戦を制し、2010-11シーズンのキャピタルワンカップ以来のファイナルです。
うーん、アーセナルはなかなか調子が上がりませんね。延長戦まで走り抜いて、チェンバレンは足が完全につってましたが、火曜日のプレミアリーグ、難敵ウエストハム戦は大丈夫でしょうか。…もとい、今日は勝ったことがすべてでしょう。5月の決勝は、ぜひアーセナルらしい試合で、久しぶりのタイトルを記憶に残るものにしていただければと思います。(ウカシュ・ファビアンスキ 写真著作者/Ronnie Macdonald)
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しがないサッカーファンですが貴ブログを毎日読んでおります。
小生近頃、ちと、老眼がすすみ、否、そんな歳ではないのですが・・・。
そこでもう少しだけ文字が大きいと読みやすいのですが・・・。
nojirouさん>
ありがとうございます。字の大きさですね…。変えるとなると、結構なパワーがかかるので、お約束はできませんがどこかで実現したいと思います。今シーズンが終わるまでは手がつきませんので、ご容赦ください。すみません。