イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

プレミアリーグのTOP3がまさかの総崩れ!ジャイアントキリング続出のFAカップ4回戦【前篇】

金曜日に先陣を切って登場したマンチェスター・ユナイテッドが、4部のケンブリッジにスコアレスドローで終わるというサプライズで始まったFAカップ4回戦。漂っていた不穏な空気は、翌土曜日、ジャイアントキリング4連発という着地に結実しました。プレミアリーグTOP3のチェルシー、マンチェスター・シティ、サウサンプトンと、6位のトッテナムがすべてホームで敗れるという大波乱。敗れた相手がクリスタル・パレスだったセインツと、レスターのトッテナムはプレミアリーグ勢同士の対決だったのでまだしも、マンチェスター・シティが完封されたのはチャンピオンシップ2位のミドルスブラ。チェルシーの逆転負けに至っては、リーグ1(3部相当)で7位とパッとしないブラッドフォードです。最初の45分は共に格下を圧倒していたプレミアリーグ2強は、後半なぜ崩れてしまったのでしょうか。いずれもキックオフは現地時間の15時と、同時多発的なジャイアントキリングだったので、試合内容をチェックするのに時間がかかってしまいましたが、それぞれのゴールシーンと崩壊劇を辿ってみたいと思います。

ロイク・レミー、ドログバ、サラー、ラミレス、ミケルがスタメンに入り、最終ラインにはクリステンセンとズマ、GKはチェフ。モウリーニョ監督がメンバーを落としてきたのは確かですが、何しろ、ここは難攻不落のスタンフォード・ブリッジ。普通に戦えば、今季ホームで無敗のチェルシーが、3部相手に負けることなど考えられません。CKからのヘッドをチェフのビッグセーブでしのいだプレミアリーグ首位チームは、21分の左CKで、ニアにいたケーヒルが右足アウトでコースを変える巧みなシュートを決め、あっさり先制。38分の2点めは、いかにもチェルシーらしいショートカウンター。ハーフライン付近でラミレスがドリブルをカットすると、そのまま単独で持ち込み、並走していた右のサラーにパス。ペナルティエリアに入ったサラーが完全に空いていたラミレスに戻すと、コースを狙ったシュートが右ポストの内側に当たり、2-0です。

チェルシーに前半で2点差をつけられたら、アーセナルやマンチェスター・シティの攻撃陣でも追いつけないのは、プレミアリーグの定説のようなもの。ラミレスのシュートで順当勝ちがみえた瞬間、私の興味は完全に他会場に移りました。

しかし、ここから3部のクラブが粘ります。2点めを失った直後、ブラッドフォードはサイドに流れたFKの折り返しを16番のステッドが受け、左45度からゴール左隅に突き刺さる強烈なシュート。さすがのチェフもこれには触れず、2-1で後半に入ります。プレミアリーグでホームに下位を迎えたチェルシーなら、開始早々からラッシュをかけ、先に1点を奪って試合を殺していたでしょう。しかし75分、ゴールを決めたのはブラッドフォード。左サイドからニアに入ったボールに、ラミレスの対応が遅れました。ビリー・ノットのスライディングシュートはチェフが弾くも、こぼれ球をモライスに押し込まれ、モウリーニョ監督にとっては想定外の2-2。ゴール裏に陣取った、意外と多かったアウェイサポーターは狂喜乱舞です。

こうなると、プレミアリーグ首位と格下の3部のクラブのゲームではなく、「いける」と勢いに乗ったチームと、「やばい」と焦り出したチームの戦い。ピッチにはセスク、ウィリアン、アザールまで入っていたにも関わらず、チェルシーは流れを変えることはできませんでした。アスピリクエタが簡単にクロスを上げさせたのも、ケーヒルが足を出せずに中央への落としを許したのも、バイタルエリアがぽっかり空いたのも、いつものチェルシーならありえないことでした。82分、ダイレクトシュートを左隅に決めたのはハリデイ。歓喜に湧いたスタンドからサポーターがフェンスを乗り越え、警備のスタッフが必死で静止します。

残り10分は、まだ予断を許しませんが、チェルシーは既に呆然自失。最終ラインはすっかり集中力を失っています。追加タイム3分、ステッドとイエイツが2人で持ち込んだチャンスに、5人残っていたチェルシー守備陣は何もしませんでした。GKと1対1は、チェフ、ノーチャンス。イエイツが確実に右隅に流し込んだ瞬間、悪夢のようなジャイアントキリングが決まりました。

敗因を挙げるなら、主力固定で戦ってきたチェルシーの、サブメンバーの修羅場経験の少なさということになるのでしょうか。うーん、どうもしっくりきません。レギュラー3人が入った後の逆転劇には、油断という言葉以外思い浮かびません。まさか、こんなに早く、トレブルへの道が潰えるとは…。興奮さめやらぬスタンフォード・ブリッジ。同じ時間、エティハドでもまた、信じられないことが起こっていました。

長くなりましたので、「プレミアリーグのTOP3がまさかの総崩れ!ジャイアントキリング続出のFAカップ4回戦【後篇】」に続きます。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“プレミアリーグのTOP3がまさかの総崩れ!ジャイアントキリング続出のFAカップ4回戦【前篇】” への3件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    チェルシーまさかの敗戦、、、。下位リーグのモチベーションの高さは見ていて面白いですね。これぞFA Cupです。

  2. オーファーマネスル より:

    ケンブリッジは数万人いるかどうかのクラブですよね。そんなクラブが世界有数のクラブを倒した。歴史に残るジャイアントキリングですよね。
    ケンブリッジのサポーターは一生語り継げるわけで、羨ましいこと限りないです。

  3. makoto より:

    Mackiさん>
    ゴール裏が凄かったです。3部のクラブでもあのサポーター。プレミアリーグをはじめとする、イングランドの底力を見た思いです。

    オーファーマネスルさん>
    ブラッドフォードですね。地元では、何十年語り継がれる伝説ですね。

コメントを残す