プレミアリーグのTOP3がまさかの総崩れ!ジャイアントキリング続出のFAカップ4回戦【前篇】
ロイク・レミー、ドログバ、サラー、ラミレス、ミケルがスタメンに入り、最終ラインにはクリステンセンとズマ、GKはチェフ。モウリーニョ監督がメンバーを落としてきたのは確かですが、何しろ、ここは難攻不落のスタンフォード・ブリッジ。普通に戦えば、今季ホームで無敗のチェルシーが、3部相手に負けることなど考えられません。CKからのヘッドをチェフのビッグセーブでしのいだプレミアリーグ首位チームは、21分の左CKで、ニアにいたケーヒルが右足アウトでコースを変える巧みなシュートを決め、あっさり先制。38分の2点めは、いかにもチェルシーらしいショートカウンター。ハーフライン付近でラミレスがドリブルをカットすると、そのまま単独で持ち込み、並走していた右のサラーにパス。ペナルティエリアに入ったサラーが完全に空いていたラミレスに戻すと、コースを狙ったシュートが右ポストの内側に当たり、2-0です。
チェルシーに前半で2点差をつけられたら、アーセナルやマンチェスター・シティの攻撃陣でも追いつけないのは、プレミアリーグの定説のようなもの。ラミレスのシュートで順当勝ちがみえた瞬間、私の興味は完全に他会場に移りました。
しかし、ここから3部のクラブが粘ります。2点めを失った直後、ブラッドフォードはサイドに流れたFKの折り返しを16番のステッドが受け、左45度からゴール左隅に突き刺さる強烈なシュート。さすがのチェフもこれには触れず、2-1で後半に入ります。プレミアリーグでホームに下位を迎えたチェルシーなら、開始早々からラッシュをかけ、先に1点を奪って試合を殺していたでしょう。しかし75分、ゴールを決めたのはブラッドフォード。左サイドからニアに入ったボールに、ラミレスの対応が遅れました。ビリー・ノットのスライディングシュートはチェフが弾くも、こぼれ球をモライスに押し込まれ、モウリーニョ監督にとっては想定外の2-2。ゴール裏に陣取った、意外と多かったアウェイサポーターは狂喜乱舞です。
こうなると、プレミアリーグ首位と格下の3部のクラブのゲームではなく、「いける」と勢いに乗ったチームと、「やばい」と焦り出したチームの戦い。ピッチにはセスク、ウィリアン、アザールまで入っていたにも関わらず、チェルシーは流れを変えることはできませんでした。アスピリクエタが簡単にクロスを上げさせたのも、ケーヒルが足を出せずに中央への落としを許したのも、バイタルエリアがぽっかり空いたのも、いつものチェルシーならありえないことでした。82分、ダイレクトシュートを左隅に決めたのはハリデイ。歓喜に湧いたスタンドからサポーターがフェンスを乗り越え、警備のスタッフが必死で静止します。
残り10分は、まだ予断を許しませんが、チェルシーは既に呆然自失。最終ラインはすっかり集中力を失っています。追加タイム3分、ステッドとイエイツが2人で持ち込んだチャンスに、5人残っていたチェルシー守備陣は何もしませんでした。GKと1対1は、チェフ、ノーチャンス。イエイツが確実に右隅に流し込んだ瞬間、悪夢のようなジャイアントキリングが決まりました。
敗因を挙げるなら、主力固定で戦ってきたチェルシーの、サブメンバーの修羅場経験の少なさということになるのでしょうか。うーん、どうもしっくりきません。レギュラー3人が入った後の逆転劇には、油断という言葉以外思い浮かびません。まさか、こんなに早く、トレブルへの道が潰えるとは…。興奮さめやらぬスタンフォード・ブリッジ。同じ時間、エティハドでもまた、信じられないことが起こっていました。
長くなりましたので、「プレミアリーグのTOP3がまさかの総崩れ!ジャイアントキリング続出のFAカップ4回戦【後篇】」に続きます。
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更新ご苦労様です。
チェルシーまさかの敗戦、、、。下位リーグのモチベーションの高さは見ていて面白いですね。これぞFA Cupです。
ケンブリッジは数万人いるかどうかのクラブですよね。そんなクラブが世界有数のクラブを倒した。歴史に残るジャイアントキリングですよね。
ケンブリッジのサポーターは一生語り継げるわけで、羨ましいこと限りないです。
Mackiさん>
ゴール裏が凄かったです。3部のクラブでもあのサポーター。プレミアリーグをはじめとする、イングランドの底力を見た思いです。
オーファーマネスルさん>
ブラッドフォードですね。地元では、何十年語り継がれる伝説ですね。