イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

2度めのジャイアントキリングはならず。連覇を狙うアーセナルがジルーの2発でボロを圧倒!

チャンピオンシップ(2部相当)で現在2位につけ、最少失点を誇るミドルスブラ。FAカップ4回戦のジャイアントキリング、エティハドに乗り込んでマンチェスター・シティを0-2と完封した力は侮れません。特に後半は、完全に彼らのペース。プレミアリーグの上位対決ですら、コンパニがあれだけ何度も簡単に抜かれるのを観ることはないでしょう。ボロの愛称で親しまれるアウェイチームの指揮官は、レアル・マドリードでモウリーニョ氏のアシスタントコーチを務めていたカランカ監督。「われわれにはアーセナルに勝つ力がある。キャピタルワンカップでは、リヴァプールともいいゲームをして(PK戦で敗退)、マンチェスター・シティには勝っているからね」と自信たっぷりです。2000年代には、キャピタルワンカップ優勝とUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)準優勝を奇跡的な粘りで成し遂げたクラブは、アーセナル相手にどこまで戦えるでしょうか。

ヴェンゲル監督は、いよいよガブリエウ・パウリスタをデビューさせます。先日のプレミアリーグで足を気にしていたアレクシス・サンチェスをはじめ、ウェルベック、ジルー、エジル、カソルラと揃えたスタメンからは、勢いのあるチームに対する警戒が窺えます。開始4分、カソルラの直接FKはトマスがセーブ。アーセナルの前線からのプレスが鋭く、ミドルスブラはボールを前に運べません。ホームチームの圧倒的なポゼッションに対して、8人が引いて守るボロ。ガナーズ最初の決定機は13分。ジルーの左からのシュートをGKが弾くと、アレクシス・サンチェスが詰めますが、シュートは枠を外れます。

ダイレクトパスを多用しながら、サイドを使って攻めるガナーズは、最後の1本が通りません。23分のジルーのミドルはGK正面。ボロのペースに傾くかと思われた27分、やっと決まった見事なパスワークでガナーズが先制します。アレクシス・サンチェスからの楔をウェルベックがカソルラに落とすと、すかさず通した左サイドへのパスにギブスがフリー。丁寧なグラウンダーがジルーの足元に届き、左足の一撃はGKに当たってゴールに刺さります。2分後のCKは、またもジルー。ニアに走り込んで合わせたボレーは完璧でした。アーセナル、電光石火の2-0。代表選手で占められた攻撃陣が、プレミアリーグとチャンピオンシップの力の差を見せつけます。

33分、最前線に抜け出したアレクシス・サンチェスは、GKの飛び出しの前にシュートを打てず。ミドルスブラは、38分にアドマーがようやくまともなシュートを打ちました。ここから前半終了までは、完全なるガナーズペース。エジルは目立たないものの、カソルラの中盤のさばきとアレクシス・サンチェスの視野の広さが光ります。最初の45分からは、後半、ボロが追いつくような展開は想像できません。

後半に入っても、アーセナルペースは変わらず。ウェルベックの突破やエジルの左足シュートがボロのゴールを襲います。62分、カソルラ、ジルーとダイレクトにつながって、最後はギブス。直後のカソルラのFKに合わせたアレクシス・サンチェスのヘッドは、GKトマスが指先で弾いて逃れます。71分、アレクシスとウェルベックがお役御免。代わって入ったのはロシツキとウォルコットです。80分、ロシツキのパスを受けたエジルのクロスにウォルコットが飛び込みますが、これもGKがブロック。86分のロシツキのスルーパスも、GKと1対1になったウォルコットが決められません。結局、3点めはならなかったものの、終始ゲームを支配した昨季チャンピオンが完勝です。

今日はまさしく、ジルーの日。サイドにボールが出たときのポジショニングは、さすがでした。カソルラ、エジル、アレクシス・サンチェスと、どこからでもラストパスが出てくる攻撃陣はバランスがよく、プレミアリーグやチャンピオンズリーグに期待を抱かせる出来だったと思います。初登場のガブリエウ・パウリスタは、スピードにやられそうになって体をぶつけたイエローカードのシーンと、92分にヘディングをかぶってポスト直撃のシュートを喰らったプレイはいただけませんが、全体的には無難だったのではないでしょうか。

他会場を見渡すと、おお、4回戦でチェルシー相手に最大のジャイアントキリングを演じたリーグ1(3部相当)のブラッドフォードが、今度はサンダーランドを撃破。昨日敗れたストークといい、下部リーグのクラブと当たったプレミアリーグ勢が元気がありません。プレミアリーグでは点が獲れないアストン・ヴィラは、FAカップでは2戦連続の2発で8強入り。追加タイムに決まったレスター新加入のクラマリッチのゴールは遅すぎました。FAカップ5回戦は、プレストン・ノースエンドとマンチェスター・ユナイテッドの一戦を残すのみ。準々決勝の組み合わせ抽選は、日本時間で17日の早朝4時35分スタート。運命のドローは、イングランド代表監督、ロイ・ホジソンの手によって決まります。

【2/14 FAカップ5回戦結果】
ブラックバーン 4-1 ストーク
ダービー 1-2 レディング
クリスタル・パレス 1-2 リヴァプール
WBA 4-0 ウェストハム
【2/15 FAカップ5回戦結果】
アーセナル 2-0 ミドルスブラ
アストン・ヴィラ 2-1 レスター
ブラッドフォード 2-0 サンダーランド
【2/16 FAカップ5回戦予定】
プレストン・ノースエンド vs マンチェスター・ユナイテッド

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“2度めのジャイアントキリングはならず。連覇を狙うアーセナルがジルーの2発でボロを圧倒!” への5件のフィードバック

  1. のり より:

    この試合のハイライトはfoxの解説だったと思います
    あんな解説初めて聞きました

  2. makoto より:

    のりさん>
    東本さんですか?ひどかったですね。質問には答えない、いっていることが要領をえない、ネガティブ…。代わってあげたいと思ってしまいました(笑)。僭越ながら。

  3. サッカー小僧! より:

    正直、もっとメンバーを落としてくるか、と思っていましたが、けっこうガチでしたね。
    まぁ、ここんところ、パッとしない試合内容が多かったので、しっかり勝ちに行こうという
    意思表示の表れだな、と思いました。
    実際、アーセナルがタイトル狙うなら、FAカップでしょうしね。
    とりあえず、無事勝ったこと、負傷者が出なかったことを喜びたいです。

    ガブリエルは、イエローのシーンはその前のボールの失われ方が悪すぎましたし、
    最後のヘッドも、チーム全体の弛緩なので、彼自身は無難なデビュー戦だったかな
    と思います、あと1点決めていれば試合は終わったのですが、ウォルコットは
    決めてほしいですね、ウェルベックは、サイドで走り回っている(アーセナルに
    来てから気づいたことですが、彼は本当にサボらないですね、ファーガソンがサイドで
    起用していたのもうなずけます)ので仕方ないですが、ウォルコットはそこまで
    献身的に走っていないので、決めるべき時にしっかり決めてほしいですね。
    じゃないと、ジルーの代わりにCFなんて、夢のまた夢だと思います。

  4. ソニーレッド より:

    ちょっと失礼にあたるかもしれないですが、アーセナルにとって国内カップ戦はどのくらい価値があるのか分かりかねます。

    もちろん勝ち進むにこした事は無いのですが、プレミアでも優勝が難しい状況、CLも残ってる状態で主力を休ませないのはどうかなと思います。

    昨シーズンアーセナルはFAカップを獲りましたが、それによって勝者のメンタリティーが根付いたとは今シーズンの戦いぶりをみるととても思えませんし、あまり重きをおくコンペティションでは無いんじゃないかと個人的には思います。

  5. makoto より:

    ソニーレッドさん>
    どのクラブもタイトルはほしいので、ヴェンゲル監督は、FAカップ連覇はプレミアリーグTOP4の次に重視しているのではないかと思います。何しろチェルシーやマン・シティ、レアル・マドリードと戦わずに獲れるタイトルで、あと3つ勝てばいいのですから。

    また、休養については、ミドルスブラ戦を休ませて10日空けてしまうことのほうが気になったのかもしれません。「ケガの原因=疲労の蓄積」ではなく、急激に負荷を高めたり、普段やらない動きをすることもケガにつながるので。アーセナルはここまでケガ人が多かったわけですが、裏を返せば、「みんなどこかで休んでいるので、相対的には長期的な疲労の蓄積を気にしなくていいチーム」でもあります。主力固定のチェルシーほど、どこで休ませるかを考えなくてもいい状態で、ウォルコットなどは、むしろコンディションを上げるために使う機会を増やしたいぐらいでしょう。

    ちなみにモウリーニョ監督は、試合の疲れを「早く抜く」ことに重きを置いたメニューを組んでおり、とりわけ精神的な疲労を溜めないことを大事にしているそうです。ケガをさせないための対策法については、休みを長く取るばかりでなく、いろんな観点を加味する必要があるようです。

コメントを残す