イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

まずは一冠!少ないチャンスを活かした「隙なしチェルシー」が、雨のロンドンを制す!

プレミアリーグ上位対決3連発、6時間耐久レースの大トリは、ロンドンダービーとなったキャピタルワンカップ決勝です。チェルシーが得られるのは、モウリーニョ監督のプレミアリーグ復帰以来初のタイトル。対するトッテナムは、ライバルのアーセナルやリヴァプールに先んじて手に入れる、5年連続となる欧州へのチケットです。スポーツはすべからく、得るものや失うものが大きければ大きいほどワクワクするもの。今季はプレミアリーグを勝てそうなチェルシーより、ヨーロッパリーグをまず確保したいトッテナムについつい肩入れしてしまいます。

開始早々から、ジエゴ・コスタとエリック・ダイアーがやり合っています。決勝戦らしい緊張感。押しているのはチェルシー。5分、イヴァノヴィッチの危険なクロスがゴールマウスを襲い、GKロリスは必至のフィスティングでCKに逃れます。9分のトッテナムは惜しかった!エリクセンのFKはクロスバー直撃。名手チェフは、ここから80分、トッテナムの司令塔の正確なキックに悩まされ続けるかもしれません。先制点が大きな意味を持つ中立地・ウェンブリーの一発勝負に、両チームとも遠めから積極的にシュートを打ってきます。攻勢となったトッテナムをみて、モウリーニョ監督は15分という早い時間からしきりにメモをとっています。

ポゼッションのトッテナムに対して、チェルシーの攻撃はシンプルです。22分、ウィリアンの見事なサイドチェンジを受けたアザールが、切り返しからのシュート。トッテナム守備陣はしっかりコースを切り、プレミアリーグ首位チームに先制点を許しません。ジエゴ・コスタがライアン・メイソンやカイル・ウォーカーにかみついているのは、トッテナムの守りがうまくいっている証拠です。淡々と過ぎる時間。プレミアリーグの得点王を争う両チームのエースがシュートを打てない神経戦。37分、トッテナムの2対2のカウンターも、ラストパスが通りません。

0-0で終わるかと思われた45分、セットプレーからチェルシーが先制します。右からのCK。エリック・ダイアーがクリアしきれなかったボールを右足で叩き込んだのはジョン・テリー。追加タイムにも、チェルシーはガリー・ケーヒルが見事なヘディングを放ち、GKロリスが横っ飛びでセーブします。1-0、トッテナム、厳しい!キャピタルワンカップの準優勝には、戴冠の名誉も欧州という実利も与えられません。プレミアリーグファンのなかに、昨季の準優勝チームを即答できる人がどれだけいるでしょうか。

後半、最初のチャンスはチェルシー。セスクのオーバーヘッドに、ロリスが必死のセーブで応戦します。ハリー・ケインがハードマークに苦しむなか、56分にチェルシーのエースがついに仕事をしました。セスクの丁寧なパスを受けて左に持ち出したジエゴ・コスタのシュートは、カイル・ウォーカーのつま先に当たって微妙にコースが変わり、守護神ロリスは対応できず。決定的な2点めは、今季のチェルシーを象徴するスパニッシュ・コネクションから生まれました。

早い時間に1点差に詰め寄りたいスパーズはチャンスを創れず、雨に濡れた頭を拭くポチェッティーノ監督の表情は、負けを覚悟した指揮官の顔です。モウリーニョ監督は、カードをもらっているウィリアンを下げて、クアドラードを投入。いかなるアクシデントも許しませんよという完璧主義者らしい交代です。スパーズが切った3枚のカード、デンベレ、ソルダード、ラメラに状況を大きく変える力はありません。87分のハリー・ケインの突破はテリーがシュートをブロック。88分に入ったきわどいクロスもイヴァノヴィッチがクリア。数分後に歓喜の瞬間を迎えるであろうチェルシーに、油断はありませんでした。

モウリーニョ監督にとって、91分のドログバ投入は、クラブと自分を支えてくれたレジェンドへのプレゼントでしょうか。チェルシーサポーターの大合唱が聖地ウェンブリーに鳴り響くなか、94分を過ぎたところでチャンピオンを宣言する笛が鳴ります。常日頃から「優勝の喜びはピッチでがんばった選手たちで分かち合ってほしい」と語るモウリーニョ監督は、プレミアリーグ復帰後初となる優勝の瞬間、はにかんだように唇を曲げ、敵将ポチェッティーノ監督と軽くハグをかわすと足早にベンチを後にしました。

チェルシーの選手とサポーターのみなさん、おめでとうございます!優勝にふさわしい素晴らしいチーム、素晴らしい戦いぶりでした。最終ラインの面々は攻守ともに活躍し、ズマとラミレスはマティッチの不在を感じさせませんでした。トッテナムは、パスがまわっていた前半、先制したかったですね。「隙をみせなかったほうが勝つ」という、チェルシーらしいゲームだったと思います。モウリーニョ監督、まずは一冠です!

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“まずは一冠!少ないチャンスを活かした「隙なしチェルシー」が、雨のロンドンを制す!” への2件のフィードバック

  1. 新参 より:

    チェルシーを見てると、他のビッククラブとの一番の違いはセンターバックだと感じてしまいます。

    シティはデミチェリス、アーセナルはメルテザッカー、トッテナムはダイアー、リヴァプールはカンの位置に良いセンターバックがいたらなあと思ってしまいます。マンUは軸となる選手がはっきりしないのが痛い気がします。

  2. makoto より:

    残念ですが仕方ありませんね…
    EL権争いを頑張るしかありませんな

    ダイアーはまだ若いですし、これからが期待できる選手です
    出場機会を与えるのはポジティブな方法だと思っています

    —–
    新参さん>
    レッズのエムレ・ジャンは悪くないと思うのですが、ロブレンが不安ですね。チェルシーはCB、MFと「背骨が強い」ですね。

    スパーズ推しさん>
    前半、よかったんですけどね。今日のブログで、トッテナムにエールを送りましたので、よろしければぜひご一読ください。

コメントを残す