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アザールPK失敗でチェルシー敗退、アーセナルは守備崩壊…キャピタルワンカップ4回戦速報!

キャピタルワンカップ4回戦1日め、私の注目はストークVSチェルシーの勝負の行方、そしてアーセナルの戦い方です。片やはプレミアリーグ15位に低迷しているチェルシーが、復活の道を模索しながらアウェイで難敵とぶつかるゲーム。もう一方は、プレミアリーグ首位を窺うアーセナルが、チャンピオンシップ(2部相当)に所属するシェフィールド・ウェンズデイ相手にどんなメンバーと戦術を用いるのかに興味があります。ヴェンゲル監督は、試合前の会見で「ジョエル・キャンベルとチャンバースはチャンスを活かしてくれると確信している」とコメント。アレクシス・サンチェス、エジル、カソルラはスタメンどころかベンチにも入っておらず、前述の2人に加えてカマラ、イオビ、ドビュッシー、フラミニと、若手と出場機会の少ない選手を大胆に起用しています。ブリタニアに乗り込んだチェルシーは、ズマとラーマン・ババの両SBに、オスカル、ラミレス、ミケルが先発。セスクとマティッチは不在、アスピリクエタをサブに置いた以外は「よく見るメンバー」です。

ディウフ、ウォルターズ、アルナウトヴィッチ、アフェライ、チャーリー・アダム、ウィーラン。ホームのストークは、当然ながらプレミアリーグさながらのガチンコメンバーです。5分にウィリアンのグラウンダーをニアでオスカルが合わせ、GKバトランドが何とか足でセーブするシーンがあり、チェルシーの出足は好調です。10分、ジエゴ・コスタが左から突破して中に入れると、DFに当たって入るかと思われましたが、リバウンドをバトランドがキャッチ。18分にはオスカルのシュートがバーをかすめ、優位に試合を進めているのはプレミアリーグ王者ですが、ストークの攻撃時に中盤であっさり抜かれる淡泊な守備が見られるのが気になります。

ストークのチャンスは、24分にバルサ出身のムニエサが狙ったオーバーヘッドぐらいです。29分、アザール、オスカルとスルーパスが2つつながり、右から走り込んだフリーのラミレスがバトランドを抜き去ったときは、ゴール裏のサポーターは失点を覚悟したはずですが、左足のシュートはサイドネット。ゴールが奪えないままジエゴ・コスタは脇腹を痛め、32分にロイク・レミーにポジションを譲ります。39分、アザールが右から放った強烈なシュートはGKに弾かれ、ウィリアンのグラウンダーをラボーナで合わせてネットを揺らしたケーヒルはオフサイド。前半終了間際にはストークが逆襲し、ディウフの股抜きパスをウォルターズがゴールの真ん前から狙いますが、ベゴヴィッチが足元に飛び込んでこれを許しません。3度の決定機をものにできなかったチェルシーは0-0。ヒルズボロでは何とアーセナルが2-0でリードされており、早くもジャイアントキリングの予感が漂っています。

後半も主導権を握っていたチェルシーは、52分、ストークの中盤を支えるウィーランの攻め上がりにラミレスが軽く抜かれてしまい、中央で待ち構えていたウォルターズに叩き込まれるという痛恨のミスで先制を許します。ビハインドを背負ったチェルシーは、ウィリアンが積極的にシュートを狙うものの、FKはわずかにバーを超え、ミドルはGKの正面。70分、モウリーニョ監督はババをケネディという前がかりの布陣で勝負します。73分、ウィリアンがFKを右に展開し、ズマがニアに強烈なシュートを放つもわずかに右。80分、モウリーニョ監督最後のカードはラミレスをトラオレです。

トラオレのミドルがクロスバーの上に消え、敗色濃厚だったチェルシーは、91分に息を吹き返しました。左CKをファーサイドで待ち構え、左足で蹴り込んだのはロイク・レミー!右足のトラップからシュート態勢に入る速さは、さすがストライカーです。昨季プレミアリーグでも大事な場面でゴールを決めていた男が、土壇場で1-1の同点に持ち込みました。93分には、ストークのバーズリーが2枚めのイエローで退場。風はアウェイチームに吹いています。アーセナルはいいところなく3-0で敗れましたが、こちらはラスト30分の勝負です。

ロングボール1本、ゴール前に持ち込んだアルナウトヴィッチがきわどいシュートを放った後、アザールが中央を切り裂き右足でシュート。これはバトランドが身を挺してクリアしたものの、ようやくプレミアリーグMVPが彼らしいプレイを見せてくれました。110分、ひとり気を吐くウィリアンの思い切りのいいミドルは、外からサイドネットに当たります。2分後、右からペナルティエリアに入り、切り返しから左足で狙ったトラオレの一撃は、バトランドが足でブロック。ほとんどのパスが足元で、連動性のある崩しがまったくなかったチェルシーは、10人のストークからゴールを奪えませんでした。オスカルの絶妙なロングパスをケネディがダイレクトでプッシュし、右に飛んだバトランドが指先でCKに逃れると、間もなくタイムアップの笛が鳴りました。

PK戦は、9人まで完璧。最後のキッカーとなったアザールのシュートは、完全に右と読んだバトランドが左手で上に弾き、チェルシーの連覇の夢は潰えました。いちばん自信を取り戻してほしい選手がPKを外して終わるというのは、嫌な結末です。ストークでは、最後までゴールを狙いにいっていたアルナウトヴィッチと、ピンチに一度も判断を間違えなかったクールなバトランドが素晴らしかったと思います。

キャピタルワンカップ初日は、4試合のうち3試合が1-1でPK戦となり、エヴァートン、ハル・シティ、ストークがベスト8進出となりました。中盤も最終ラインもかみ合わず、シェフィールド・ウェンズデイにセットプレーから2点を奪われジャイアントキリングを許したアーセナルは、半ば覚悟していた敗戦という結果よりも、チェンバレンとウォルコットの負傷が激痛です。週末のスウォンジー戦はジルーやフラミニでしのぐとして、11月4日に控えているバイエルン戦に何とか間に合ってくれることを祈るばかりです。イギリスメディアが解任ゴシップ一色となっているモウリーニョ監督は、リヴァプール戦で踏ん張れるでしょうか。発展途上のクロップサッカーが相手といえども、今日の後半以降の攻撃では、ゴールは決まらないでしょう。「自陣に呼び込み、相手の最終ラインを上げて速攻」という戦術を徹底できれば、窮地を脱することができそうな気もしているのですが…。(ジャック・バトランド 写真著作者/Will bcfc)

【キャピタルワンカップ4回戦日程・結果】
■10月27日
エヴァートン 1-1(PK4-3) ノリッジ
ハル・シティ 1-1(PK5-4) レスター
シェフィールド・ウェンズデイ 3-0 アーセナル
ストーク 1-1(PK5-4) チェルシー
■10月28日
リヴァプール VS ボーンマス
マンチェスター・シティ VS クリスタル・パレス
マンチェスター・ユナイテッド VS ミドルスブラ
サウサンプトン VS アストン・ヴィラ

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“アザールPK失敗でチェルシー敗退、アーセナルは守備崩壊…キャピタルワンカップ4回戦速報!” への4件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    今のチェルシーはどのチームでも勝てる気がしすね
    アザールを外したり何かきっかけを見つけようとしてますがその兆しは見えないです
    次はリバプール戦ですが負けたら解任するのでしょうか

  2. 手はお膝〜♪ より:

    今日のチェルシーは最近のひどい時よりは良さそうに見えたんですけどね…結果がついてこないあたりがいまのチェルシーを表してますね…

  3. ぐら より:

    調子のあがらないチーム同士の試合をなんとかストークがものにしましたね
    ギリギリの勝利でしたが、どうにかここから勝ちを積み上げてほしいです

  4. makoto より:

    シティさぽさん>
    モウリーニョさんは、相手の弱点を分析して狙いどころを明確にするところが好きなのですが、今は狙いが見えません。解任については何ともいえませんが、メディアは足並みがそろってますね。FAからの処分や、ピッチ外でのトラブル(モウリーニョさんに非がある・なしに関わらず)が頻発している状況も含めてクラブが憂慮するなら、思い切る可能性はなきにしもあらずだと思います。

    手はお膝〜♪さん>
    前半、敵陣にスペースがある時間帯はよかったと思います。後半以降は、攻め方が個人担保になってしまう悪いときのチェルシーが顔を出していたように思いました。

    ぐらさん>
    ストークも、まだまだこれからですね。アルナウトヴィッチやディウフはがんばってましたが、エンゾンジの抜けた穴が埋まり切っていない印象です。

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