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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

キャピタルワンカップ速報(2)絶品フィルミーノのクロップ監督初勝利!準々決勝はセインツと激突

「キャピタルワンカップ速報(1)ジャイアントキリング発生!ホームで沈黙したマン・ユナイテッド」より続きます。マンチェスター・ユナイテッドが敗れたキャピタルワンカップ2日め。ホームで勝利を飾った他のプレミアリーグ勢を表現するなら、「リヴァプール辛勝、サウサンプトン快勝、マンチェスター・シティ圧勝」でしょう。ボーンマスをアンフィールドに迎えたリヴァプールもまた、マン・ユナイテッド同様の若手大胆起用。CBはデヤン・ロブレンとコロ・トゥレ、左にまわったナサニエル・クラインまではおなじみのメンバーですが、右SBランダル、中盤にブラナガン、ティシェイラは思い切りました。オリギ、ジョーダン・アイブ、フィルミーノは、この試合でいいところを見せ、チームへのフィット感を高めたいところです。しかし5分、いきなりアンフィールドが凍りつきます。自陣でボールをロストし、スタニスラスに簡単に右サイドを破られてフリーのシュート。GKボグダーンがブロックしていなかったら、昨日のアーセナルのような結果も充分にあったでしょう。

15分にフィルミーノが放ったきわどいミドルは、歓喜の前祝いのようなもの。17分、プレミアリーグではなかなか真価を発揮できていなかった11番が、ようやく彼らしさを見せてくれました。オリギからのパスを受けたフィルミーノは、ラインの裏に飛び出したティシェイラに絶品スルーパス。ティシェイラがヒールで狙ったシュートはアダム・スミスがクリアしますが、こぼれ球を流し込んだナサニエル・クラインの一撃は文句なし。この日のリヴァプールは、まさに「フィルミーノのチーム」でした。35分、自軍の攻撃がカットされた直後に奪い返し、巧みなフェイントから放ったミドルは、クロップ監督のチームらしい逆襲。前半終了間際に右サイドで決めたジョーダン・アイブとのワンツーは、この2日間のチェルシーやマンチェスター・ユナイテッドにはなかったシンプルで効果的な崩しでした。オリギのヘッドが決まっていれば楽でしたが、1-0の折り返しなら悪くありません。

58分、ブラナガンとフィルミーノで囲んで奪い、フィルミーノがポストぎりぎりにシュートを放ったシーンも、ロジャース監督時代にはないアグレッシブな守備でした。この2人は、いずれクロップレッズの中心になるのではないかと思います。リヴァプールは守備が不安定で、チャンスの数はボーンマスのほうが多かったのではないかと思いますが、何しろ急造DF陣です。勝利をゲットした今となっては、ボグダーンが素晴らしいGKであることを確認したということで、いいのではないでしょうか。93分に笛が鳴り、初勝利を決めたクロップ監督は得意のガッツポーズ。スタッフとの握手の後、最初に抱擁した選手は、87分にベンチに下がっていたフィルミーノでした。

ところ変わって、マンチェスターのエティハド・スタジアム。いや、もう、凄いです。この攻撃陣。敵陣でインターセプトしてショートカウンターを仕掛けた序盤のデブライネのプレイを観ただけで、勝負あったという雰囲気でした。プレミアリーグのクラブ同士とは思えない、ホームチームの圧倒的な強さ。プレミアリーグのTOP4で唯一8強に残ったマンチェスター・シティは、このところ調子が落ち気味のクリスタル・パレスを問題にしませんでした。22分、コラロフの左CKからの先制点は、「これぞボニー!」と叫びたくなるパワフルなヘディングシュート。この試合で、私が注目していたのは背番号72だったのですが、前半終了間際にサバレタがダイレクトで裏に出した見事なパスで彼が抜け出し、左足のアウトを使ったおしゃれなラストパスを逆サイドのデブライネに決めさせました。2点めをアシストしたケレチ・イヘアナチョは、後半に入ると今度はゴールの主役になります。

ボニーがイージーなチャンスを打ち上げ、フリーのシュートをデブライネがGKにぶつけてしまい、押しながらも3点めが入らなかった59分。ヘスス・ナバスの右からのクロスが逆サイドに流れ、拾ったデブライネからのパスを受けたイヘアナチョは、トラップ一発、左足一閃!左隅に吸い込まれたシュートには、トラップからシュートまでの速さや、浮き球の処理の巧みさといったイヘアナチョの魅力が詰まっていました。ヒザのかぶせ方がいいので、シュートが浮かないんですよね。マルシアルとイヘアナチョの19歳コンビが、次世代のプレミアリーグを背負って立つのではないかと期待しています。

マン・シティの守備はお世辞にもいいとはいえず、ザハに裏を取られるなどの決定的なピンチをカバジェロが何とか防ぐシーンもありましたが、勝負が決まった雰囲気のなかで集中力を欠いただけでしょう。76分にCKの競り合いで得たPKをヤヤ・トゥレが決めると、89分にディレイニーにゴールを許したものの、最後はカウンターからマヌエル・ガルシア!サポーターはいざ知らず、プレミアリーグではまだ無名の17歳は、ペジェグリーニ監督が、イヘアナチョやパトリック・ロバーツとともに期待の若手として名指ししていた逸材です。若手が振るわず、まさかの敗戦を喫したマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルを「こういう試合がしたかった」と悔しがらせるような幕引きで、5-1と圧勝したマン・シティが優勝に一歩近づきました。

キャピタルワンカップの準々決勝のドローが発表されました。レッズは難敵セインツ、マンチェスター・シティはハル・シティです。私の4強予想は、ボロ、セインツ、シェフィールド・ウェンズデイ、マン・シティですが、どうでしょうか。次のラウンドは、12月の頭に開催されます。

【キャピタルワンカップ準々決勝組み合わせ】
ミドルスブラ vs エヴァートン
サウサンプトン vs リヴァプール
ストーク vs シェフィールド・ウェンズデイ
マンチェスター・シティ vs ハル・シティ

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“キャピタルワンカップ速報(2)絶品フィルミーノのクロップ監督初勝利!準々決勝はセインツと激突” への7件のフィードバック

  1. シティさぽ より:

    それにしてもイヘアナチョは上手いですね
    落ち着いてて周りがよく見えてるとおもいます
    ただCLも近いのでもう少し若手の先発を増やしても良かったと思います

  2. あああ より:

    イヘアナチョは素晴らしい選手ですね。大活躍したU-17W杯で司令塔だっただけに、視野の広さとパスセンスには目を見張るものがあるます。それに加えてあの落ち着きはマルシャル同様、19歳とは思えません。守備も頑張りますし、言うことありません。1年前のカンザスシティ戦でシティデビューした頃から応援してきたので、この活躍は本当に嬉しいです。

  3. シティズン より:

    結果には大満足なんですが個人的にはもっと若手を使ってほしかったんですよね
    何故デブライネを試合が決した後も使い続けたのか
    彼が疲労で壊れてしまうと今のシティの攻撃陣でタクトを取れる選手が…

  4. nyonsuke より:

    更新ご苦労様です。
    フィルミーノや若手が躍動したみたいでよかったです。
    今季タイトルを狙える現実的なステージかと思うのでがんばってほしいです。
    またカップ戦の働きからリーグ戦で戦える若手が増えるといいですね。
    内容はともかく結果がでれば選手達の自信につながると思うので、次のチェルシー戦もメンタルで負けないよう戦ってほしいです。

  5. makoto より:

    シティさぽさん>
    イヘアナチョは、変な力が入っておらず、パスを出すタイミングもセンスいいですね。シティズンさんもおっしゃってるとおり、デブライネはハーフタイムで下げてパトリック・ロバーツでもよかったかなと思います。

    あああさん>
    私も、ずっと注目していた選手なので、彼が出ると聞くと見たくなります。ダヴィド・シルヴァの後釜にデブライネとイヘアナチョがいるのは、かなりぜいたくです。

    シティズンさん>
    わかります。誰が出ても4~5点いけそうな雰囲気でしたよね。

    nyonsukeさん>
    フィルミーノトコウチーニョのコンビネーションが機能したら、相当得点力が上がりそうです。私は、ブラナガンにも注目しています。気持ちよくロンドンに乗り込めそうですね。

  6. リバサポ より:

    テイシェイラやっと起用されて、ホッとしました。ブラナガンはマンチェスター出身で9歳からアカデミーにいる、ちょっと変わった経歴の持ち主です。

  7. makoto より:

    リバサポさん>
    それぞれにおもしろい選手ですね。ブラナガンは化けるのではないかと思いました。

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