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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

4点の歓喜よりも3人の心配…FAカップベスト8を決めたアーセナル、負傷者は減らず!

チャンバース、イオビ、フラミニ、ウォルコット、ジョエル・キャンベル、ジルー。FAカップ5回戦リマッチ、KCスタジアムで行われるハル・シティとの対戦で、ヴェンゲル監督はノースロンドンダービーのメンバーから5枚を入れ替えてきました。エジル、アレクシス・サンチェス、ラムジー、コクランがいないスタメンは、うまく機能するでしょうか。激戦だったプレミアリーグのトッテナム戦と比べると、アーセナルのパスワークにはチャレンジが少なく、よくいえば確実につなぐこと重視、悪くいえばおっかなびっくりです。

前への意識が高いのは、エジルの役割を担えるジョエル・キャンベルのみ。ウォルコットとイオビは後ろに戻すパスが多く、ジルーに活きたボールが入りません。サイドからシンプルにクロスを入れてくるハル・シティに対して、中を厚くしてシュートを打たせず対応できているものの、決して組織的な守備ではありません。右から上がったジョエル・キャンベルが左足でカーブをかけた一撃は、曲がり切らず左にアウト。前半半ばまでは、ホームのハル・シティが先にゴールを奪ってもおかしくない展開です。30分、FKから3連打を喰らってゴールを割られたシーンは、オフサイドに救われました。33分、ヘディングで競った際に頭を強打し、目じりを切ったメルテザッカーがモンレアルと交代。最前線で相手ボールに突っ込んでいき、足を引っかけてイエローをもらったジルーは明らかに苛立っています。オスピナが飛び出しでぎりぎりで触るシーンはあっても、ハル・シティのGKヤクポヴィッチがセーブしなければならないシーンはありません。

0-0のまま終わるはずだった低調な前半は、40分、デヴィッド・マイラーの軽率なプレイで動きました。ジョエル・キャンベルの縦パスをカットした7番は、GKに渡したかったのでしょうか。戻りながら左足アウトで横に出したボールは、ジルーに対する絶好のラストパスとなりました。目ざとく詰めたアーセナルのエースは、労せずダイレクトで流し込み、0-1。43分には、ショートコーナーの戻しをギブスがロングシュート。左隅を襲った素晴らしい一撃は、惜しくもバーに阻まれます。前半は0-1。プレミアリーグ3位チームの枠内シュートは、ジルーの一発のみ。ハル・シティも2本しかシュートがありません。

50分、フラミニのミスキックが自陣の裏に出てしまったピンチは、全力で戻った守備陣が人数でカバーして事なきをえます。その1分後、ウォルコットが左からのFKをゴール前に入れたシーンは、クリアボールをダイレクトで叩いたエルネニーの長いシュートがバーすれすれに落ちてきますが、ヤクポヴィッチが上に弾いて追加点を回避します。ガブリエウが痛めたのはふくらはぎでしょうか。57分のラムジー投入は、ヴェンゲル監督にとって誤算でしょう。チャンバースとモンレアルがCB、右にフラミニ、左にギブスというスクランブルです。65分、エルネニーが軽い守備を見せて中を突破されてしまいました。オスピナが見送ったニック・パウエルのシュートは、わずかに左のポストの外です。1分後、右からのクロスをCKに逃げようとしたラムジーのヘディングは、あわやオウンゴールの危険なプレイでした。

ピンチをしのいだアーセナルは、71分にようやく勝負を決めました。中に入ってインターセプトに成功したギブスが左にウォルコットを走らせる長いパス。ここまで何もしていなかったウォルコットは、CBの間にいたジルーに完璧なクロスを送ります。ボレーは完璧、0-2。プレミアリーグ12ゴールのエースは、今日は2発とも右足です。

2点めを奪われ、ハル・シティは切れてしまいました。77分、ジョエル・キャンベルの素晴らしいスルーパスがホームチームの最終ラインを破ります。2人のDFの間を通され、フリーになったウォルコットが余裕で流し込んで3点差。88分、敵陣でボールを奪取したイオビがオフサイドではなかった右のウォルコットを選び、持ち込んだ14番がニアへ強烈なシュートを決めて4点めが入りました。結局はアーセナルが0-4で勝利。エミレーツで行われるワトフォードとの準々決勝に歩を進めました。

4ゴール快勝とはとてもいえない、危なっかしい展開でした。ウォルコットには、「ラスト20分のプレイを最初からやってください」といいたくなります。最前線の2人がゴールを決めて、気持ちよく終われたのはよかったのですが、気がかりは負傷者。自分からNGサインを出してピッチを去ったガブリエウと、アップが足りなかったのか16分のプレイでジェフ=レーヌ・アデレードに後を譲り、ドレッシングルームへ直行したラムジーが心配です。CB2人が抜けた後をいいポジショニングで落ち着かせていたチャンバースは収穫だったものの、攻撃力があるバルセロナやエヴァートンとの戦い方を考えれば、ガブリエウやコシールニーが早期に戻ってきてくれないと厳しいでしょう。プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、FAカップのローテーションで中2~3日が続くアーセナルは、ここが踏ん張りどころです。

■FAカップ6回戦 3/11~14組み合わせ
レディング VS クリスタル・パレス
エヴァートン VS チェルシー
アーセナル VS ワトフォード
マンチェスター・ユナイテッド VS ウェストハム

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“4点の歓喜よりも3人の心配…FAカップベスト8を決めたアーセナル、負傷者は減らず!” への8件のフィードバック

  1. ミハル より:

    三人の負傷はなんとも痛い。
    特に守備に不安は残るものの、
    DF二人は代えがきかない。より正確には
    枚数的に。ラムジーの代わりはエルネニーで
    いいと思えますし、チェンバーズもフラミニも居る。
    ただそのあたりが怪我をするとピンチですね。
    チェフの補強は大成功ですが、もう二人ほど恒例の怪我離脱を
    考えれば資金もありましたし、補強してほしかったですね。
    まあ今更の話ですが。厳しい日程で選手たちも大変でしょうが、
    リーグ優勝、FA杯優勝の二冠を願ってやみません。

  2. FDN より:

    過密日程の真っ只中自ら招いた再試合でジルーウォルコットの復調の兆し?は好材料でしたが、CB2枚とラムジー離脱という高い代償を払わされましたね。

    週末ワトフォード戦から中2日でバルサ戦、やりくり下手よベンゲルの事ですから

  3. FDN より:

    過密日程の真っ只中自ら招いた再試合でジルーウォルコットの復調の兆し?は好材料でしたが、CB2枚とラムジー離脱という高い代償を払わされましたね。

    週末ワトフォード戦から中2日でバルサ戦、やりくりが決して上手ではないベンゲルはどちらも本気のスタメンで挑みそうですが、正直敗退濃厚なバルサ戦にはイオビやアデレード等出して主力は極力温存して欲しいです。ただトラウマ級の惨敗しそうで怖かったりもしますが…

  4. makoto より:

    ミハルさん>
    CBきついですね。コシールニーは来週にはもどってきそうですが。

    FDNさん>
    バルサ相手にイオビ、アデレードまで落としたらそうとう騒がれそうです。落とすにしても、フラミニやチャンバース起用ぐらいで無難に落とすのがいいのではないでしょうか。

  5. FDN より:

    過密日程の真っ只中自ら招いた再試合でジルーウォルコットの復調の兆し?は好材料でしたが、CB2枚とラムジー離脱という高い代償を払わされましたね。

    週末ワトフォード戦から中2日でバルサ戦、やりくりが決して上手ではないベンゲルはどちらも本気のスタメンで挑みそうですが、正直敗退濃厚なバルサ戦にはイオビやアデレード等出して主力は極力温存して欲しいです。ただトラウマ級の惨敗しそうで怖かったりもしますが…

  6. FDN より:

    誤送信ばかりでコメ欄汚してしまって…
    大変申し訳ありません…

  7. FDN より:

    誤送信ばかりでコメ欄汚してしまって…
    大変申し訳ありません…

  8. makoto より:

    FDNさん>
    いえいえ。いつ送信されたかわからないような仕組みになってまして、こちらこそ恐縮です。どうぞ、お気遣いなく。

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