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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

これぞモウリーニョサッカー!マタの一発を守り切ったマンチェスター・ユナイテッドがリベンジに成功!

昨日のトッテナムとリヴァプールが大胆に若手やサブの選手を起用できたのは、クロップ監督とポチェッティーノ監督が自らのチームに手応えを感じており、「誰が出てもコンセプトを体現できる」と信じているからではないでしょうか。主力をより多く起用したほうがクオリティを上げられるのは間違いないのですが、プレミアリーグの長い戦いを見据えたときに、使える選手の層を厚くしておくことのほうが重要と腹をくくったのでしょう。それができるのは、チームが好調で完成度が高いことが前提にあるのだと思われます。

さて、EFLカップ4回戦の2日め、マンチェスターダービー。プレミアリーグで3戦勝利なしのモウリーニョ監督と、公式戦5戦勝利なしのペップ・グアルディオラ監督は、前日の2チームほど思い切った手を打てないようです。オールド・トラフォードでライバルを迎え撃つホームチームは、GKデ・ヘア、バイリーが負傷離脱した最終ラインはルーク・ショー、バレンシア、ロホとブリント。セントラルMFにキャリックとエレーラが入り、2列めにはマタ、ポグバ、ラシュフォード。トップはプレミアリーグで5試合ノーゴールと沈黙を続けているイブラヒモヴィッチです。アウェイのペップは、GKカバジェロ、コンパニとオタメンディのCBコンビにクリシーとマフェオ。フェルナンドを底に置き、アレイシ・ガルシア・セラーノ、レロイ・サネ、ノリート、ヘスス・ナバスを並べて、最前線にはイヘアナチョが入っています。「勝ちたい」「主力を休ませたい」「若手を使いたい」「チームの完成度を上げたい」「新しい起用法を試したい」と、さまざまな思惑が錯綜する両者のスタメン。指揮官に収穫をもたらずのは誰でしょうか。現地時間26日20時、今季2度めのダービーがいよいよキックオフです。

開始早々の2分、いきなりヘスス・ナバスの高速クロスがイヘアナチョの頭に届きます。早いタイミングでサイドに展開して攻めるマン・シティに対して、受ける時間が長いマン・ユナイテッドの戦い方は、まだわかりません。プレミアリーグ4節で当たったときと同様に、ポゼッションはアウェイチーム。中盤でのせめぎ合いが続き、両者ともシュートはおろか、いい形でボックスに侵入することすらできません。22分、マタが倒されて得た中央からのFK。壁の足元を抜こうとしたズラタンのキックは、思惑通りにいかずにCKです。プレーメイカーがおらず、攻撃に緩急も工夫もないペップ・シティに対して、ホームチームもポグバにミスが多く、ズラタンは前線でさばくだけ。30分を過ぎても両者とも1本ずつしかシュートがないゲームには、昨日のアンフィールドに充満していた熱はありません。

36分、ラシュフォードの素晴らしいスルーパスでルーク・ショーがゴールラインまでえぐると、最後はズラタンのシュートがDFに当たってCK。その1分後、カウンターからスルーパスで最前線に飛び出したラシュフォードは早いタイミングで打てず、チャンスをものにできません。40分に左から単独で突破を図ったイヘアナチョの左足シュートはバレンシアがカット。最後の10分のサッカーをそのまま続けられれば、後半のオールド・トラフォードは盛り上がるでしょう。前半は0-0。チャンスの数が多かったのはマンチェスター・ユナイテッドでしたが、優勢だったかといわれれば、イエスとは返せません。

コンパニに何かあったのでしょうか。後半のピッチには、キャプテンマークを巻いたコラロフがいます。自陣で横へのパスをインターセプトされたマン・ユナイテッドは、イヘアナチョにいい形でつながらず助かりました。49分、オタメンディを一発で抜き去り、初めて前を向いてドリブルで持ち込んだイブラヒモヴィッチは、左を走るポグバにラストパス。前にはカバジェロしかいなかった絶好機に、6番のシュートは左のポストを叩き、ボールは外に流れてしまいます。

左、左、左。コンパニがいなくなった穴を、ホームチームが執拗に突いています。ラシュフォードが2人を抜いて左サイドを破ったチャンスは、ポグバのシュートが右にアウト。さらにマタがボックスの左から侵入してゴールライン際から浮かすと、ラシュフォードやエレーラが次々に放ったシュートはゴール前に張っていたマン・シティ守備陣にはね返されます。猛攻が実ったのは54分。イブラヒモヴィッチが空中戦を競ったオタメンディをフィジカルの強さで弾き飛ばし、マフェオもかわして左サイドから緩いグラウンダー。ニアでつぶれたエレーラの裏から入ったマタが、ゴール左隅を正確に射抜きました。63分、ペップはサネを下げてスターリング。これで追いつけなければ、最後のカードはアグエロでしょう。

マン・ユナイテッドの左サイド攻略は続きます。64分、ラシュフォードがまたもマフェオを翻弄し、中央に絶妙なクロスを上げると、フリーのズラタンがボレーを空振り。めざすのは追加点、モウリーニョのバスが発車するのはその先でしょう。70分、コラロフは直接FKを大きく打ち上げてしまいました。残り20分、ノリートがアウト。プレミアリーグ7戦5ゴールのエース・アグエロはここで登場です。その2分後、満場の拍手で送られたマタが、シュナイデルランに後を譲ります。

今日のズラタンは、ポストプレーヤーとして機能しています。79分に自陣で粘り、右サイドを走ったラシュフォードに長いパスを通したカウンターは、ゴール前に上がってきたのがポグバだけでなければ決定的でした。モウリーニョ監督のマンチェスター巡回バスがゴール前に止まったのは、足をつったラシュフォードがリンガードに代わった81分からでした。しかしそれでも、残り10数分のなかで、よりチャンスを創っていたのはマン・ユナイテッドです。92分にポグバが最前線に飛び出したシーンは、先着したカバジェロの判断が遅れていれば追加点だったでしょう。マン・シティは枠内シュートゼロ。こんなに無策なペップのチームを観たことがありません。ディフェンディングチャンピオンだったプレミアリーグ首位チームは、下位クラブのような凡庸なサッカーで早々に大会を去りました。

先にゴールを奪われるのを回避すべく前半を慎重に戦い、ハーフタイムで相手の弱点を見定めて後半開始からラッシュ。先制したらペースを落とし、自陣のスペースを埋めてカウンター狙い。典型的なチェルシー時代のモウリーニョサッカーで、マンチェスター・ユナイテッドがプレミアリーグの借りを返しました。前半は右サイドに張り付いていたマタが、後半は中央や左でプレイするようになり、チャンスを創れるようになりました。ポグバはパスミスが目立ったものの、運動量は豊富で、トップ下で標的にされるよりは後ろから上がっていったほうが活きるでしょう。今日は脇役に徹していたズラタンがゴールを決めてくれれば、さらに勢いがつきます。相手の出来を考えれば、もう1~2点ほしいところでしたが、勝ち抜けばOKのカップ戦ですので、よしとしましょう。チェルシー戦の悪夢を払拭したマンチェスター・ユナイテッドに、プレミアリーグでの復活を期待します!

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“これぞモウリーニョサッカー!マタの一発を守り切ったマンチェスター・ユナイテッドがリベンジに成功!” への6件のフィードバック

  1. シティふぁん より:

    やっぱりラッシュフォードは素晴らしいですね
    守備に奔走させるのはもったいないと思います
    前半両チーム枠内シュートゼロだったとか
    ターンオーバーできた

  2. シティふぁん より:

    やっぱりラッシュフォードは素晴らしいですね
    ユナイテッドの選手で1番好きです
    前半両チーム枠内シュートゼロだったとか
    シティの不調も続きそうですが
    メンバーを落としたシティに1-0のユナイテッドもまだ不調が続くかも?

  3. レッズサポ より:

    一文、アンフィールドになっていますよ

  4. makoto より:

    シティふぁんさん>
    前半は双方しんどい状態で、後半はマン・シティが混乱しましたね。しばらくは、お互い苦戦が続くかもしれませんね。

    レッズサポさん>
    その一文は、「昨日の熱気が今日はなかった」と伝えたかったので誤りではありません。いただいたご指摘を受けて、誤読を防ぐべく、「昨日の」とつけさせていただきました。ありがとうございます。

  5. プレミアリーグ大好き! より:

    ユナイテッドのサポーターの雰囲気が素晴らしかったです。
    モウリーニョが試合後のサポーターに4-0のジェスチャーして手を合わせて謝るのもなかなか絵になるかっこよさでした。

  6. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    あれは、よかったですね。土曜日のバーンリー戦で、指を8本出して謝るなどということにならなくてホッとしています(笑)

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