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お見事、吉田麻也!サウサンプトンがレッズに連勝し、38年ぶりのEFLカップ決勝進出!

年明けからの6試合を1勝3分2敗、プレミアリーグでは未勝利。リヴァプールの停滞は、2017年最初の事件です。ヘンダーソンの負傷、マティプの復帰遅れ、アフリカ・ネーションズカップ参加のマネの離脱…。クロップ監督は、主力が立て続けにチームを離れてバランスを崩したチームを早期に立て直すことができるでしょうか。EFLカップ準決勝セカンドレグ、サウサンプトンとのホームゲームでは、初戦で抱えた1点のビハインドをはね返さなければなりません。クロップ監督のスタメンを見てみましょう。GKロリス・カリウス、右SBにはアーノルド、左にミルナー、CBはマティプとデヤン・ロブレン。ヘンダーソン、エムレ・ジャン、ララナの中盤に、コウチーニョ、フィルミーノ、スタリッジの3TOPです。静かな立ち上がりのゲームは、徐々にレッズが押し込む展開となります。セインツはファン・ダイクを欠いており、CBは吉田麻也とスティーブンスです。

レッズが最初のチャンスをつかんだのは、15分を過ぎてからでした。敵陣で奪ったボールがコウチーニョにわたり、最後は右にいたスタリッジが中に短く持って左足シュート。強さはまずまずだったものの、GKフォースターが難なくこれをキャッチします。19分に速攻からフィルミーノが放った左足ミドルもGKの正面。セインツは完全なるカウンター狙い。レドモンドとタディッチを起点にシンプルな攻撃を仕掛けますが、レッズの帰陣が早く、セットプレーにしか活路を見出せません。28分、セインツに決定機。クリアのこぼれ球を右足で捉えたスティーブン・デイヴィスはフリーでしたが、アウトにかけた一撃はミルナーの足元に飛んでしまいます。

36分、レドモンドが左からドリブルを始め、スピードに乗ってマティプをかわしたときは、アウェイチームが先制するものと思いました。柔らかい折り返しを受けたのはノーマークだったタディッチ。ボレーは枠を捉えていたものの、足元に飛び込んだロリス・カリウスが見事にキャッチします。キレキレのレドモンドは、39分にもアーノルドとマティプを抜き去り、左足でグラウンダーのラストパス。ミルナーがカットしたボールに左足を振り抜いたスティーブン・デイヴィスは、枠を捉えることができませんでした。アンフィールドでのゲームながら、チャンスの数ではセインツが上回っています。淡泊なアーリークロスが多いレッズは、徹底してサイドを崩すか、ダイレクトパスを使って急造CBコンビを揺さぶるなどの工夫が必要でしょう。45分、タディッチのCKからウォード=プラウズが放ったシュートは左にアウト。ゲームは0-0のままハーフタイムを迎えます。

ホームでの初戦を1-0で勝っているセインツは、このままゼロで畳めればファイナル進出。ピュエル監督は、後半頭からジェイ・ロドリゲスをシェーン・ロングにスイッチしたものの、後ろを固めて速攻という戦い方は変わりません。52分、ララナが左から持ち込み、吉田麻也をかわすと、パスをもらったコウチーニョのシュートはDFに当たって勢いを失います。54分、ボックス手前から打ったエムレ・ジャンのシュートをフォースターがファンブルしますが、ゴールラインテクノロジーは反応しなかったようです。

負傷したウォード=プラウズがホイビュルクに代わった直後の59分。CKの流れで右にいたミルナーがクロスを上げると、ララナの折り返しにスタリッジはフリーでしたが、至近距離からの左足ボレーはバーを越えてしまいました。64分、左サイドに出たヘンダーソンのアーリークロスは、ここに合わせなければストライカーは打てないというピンポイント。DFの間に入ったスタリッジが右足に当てると、またもボールはクロスバーの上です。

残り時間は15分。単調なクロスか無理めの縦パスをつぶされているレッズは、追いつくことができるでしょうか。78分、コウチーニョが得意のエリアに斬り込んで右足を振り抜きますが、惜しくも右に外れます。クロップ監督は、ここでエムレ・ジャンをオリギに代えました。80分、ピュエル監督は、上下動を繰り返していたレドモンドを19歳のシムズにチェンジ。セインツが、ファイナル進出に確実に近づいています。コウチーニョに代わってワイナルドゥムが登場したのは、87分。最後の数分に賭けたレッズの目論見は、90分過ぎに砕け散りました。CKのクリアから始まったセインツのカウンター。得意のドリブルで中央を上がったシムズは、右にいたシェーン・ロングに完璧なラストパスを通しました。昨季プレミアリーグで10ゴールのベテランストライカーが、ロリス・カリウスの脇を冷静に抜くと、間もなくセインツの38年ぶりのファイナル進出が決まりました。

「スタリッジが2本のうち、ひとつでも決めてくれれば…」。多くのレッズサポーターが、そう嘆いていることでしょう。しかし、このゲームは負けるべくして負けたのだと思います。リヴァプールのラストパスが、ヘッドで競らせるロングクロスばかりだったところに、今日の彼らの限界を見ました。強かった頃のレッズは、スルーパスやワンツーでボックス脇のスペースを崩して、グラウンダーを入れてくるチームでした。マネの不在は痛手ですが、復帰以来トップフォームを取り戻していないコウチーニョとマティプ、疲労からかアグレッシブなプレイが見られなかったララナなど、問題はいくつもあるのだと思います。プレミアリーグでも4位に後退し、踏ん張りどころを迎えたレッズは、気持ちを切り替えて、チェルシーとのシックスポインターをポジティブなムードで迎えたいものです。

セインツの選手、サポーター、関係者のみなさん、決勝進出おめでとうございます。新キャプテンのファン・ダイクがいないゲームで、吉田麻也、スティーブンス、ロメウがしっかり中央を守り切ってくれました。今の彼らが勝つための戦術は、73%のポゼッションを相手に許した今日の一戦のように、「守って守ってカウンター」でしょう。2月26日の相手はおそらくマンチェスター・ユナイテッドですが、ファイナルらしい緊張感の高いゲームを見せてもらえればと思います。吉田麻也は、欧州に渡ってから初めてとなるタイトル獲得を実現することができるでしょうか。2015年の9月に、マルシアルにバックパスをさらわれて散々叩かれた日本代表CBにとっては、聖地ウェンブリーはリベンジを果たすための最高のステージです。

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“お見事、吉田麻也!サウサンプトンがレッズに連勝し、38年ぶりのEFLカップ決勝進出!” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    アンフィールドでの敗戦。これは素直にセインツを褒めたいですし、戦術がしっかりしていましたね。
    見事です。レッズには気になることが多いですが、FA杯は若手主体で行くでしょうから、この間に足元を見てチームをしっかり建て直してリーグ戦に臨んでほしいです。まだまだ諦める時期ではないです。

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    まずは素直にセインツをリスペクトして決勝進出おめでとうと言いたいです。
    レッズファンとしては、アンフィールドでの連敗は嘘のようでまだ信じられません。
    好調だった時との落差が激しすぎて、こんなに短期間で全く異なるチームになってしまったことに混乱しています。
    やはりスタリッジとジャンがチームスタイルに馴染めていないこと、ララーナとヘンドの調子が明らかに悪いこと、そして控えメンバーのレベルが格段に劣ることが気になります。
    今日の試合に限っていえば、フィルミーノとコウチの距離が遠く全く連携できていなかったことも気になります。
    端的に言ってしまえば、Bプランを持ち合わせていないことが失速の原因でしょうか。
    試合中に多数のスタイルを使い分けるスパーズのようになれるのか、もしくはチェルシーのように確固たるスタイルを構築できるのか、クロップ率いるリヴァプールの正念場かと思います。
    ジェラードの帰還、コウチの長期契約延長とピッチ外では明るい話題があるのです。
    チェルシー戦ではレッズの意地をみせてほしいです。

  3. Null より:

    まさに負けるべくして負けた試合でしたね。
    ここ最近の試合では選手間の距離が悪く、特にミルナーが孤立してるように思います。
    単独で突破するような選手ではないですし、短いパス交換等で崩さないといけないと思うのですが…。
    そして、その高く上がるSBの裏をカウンターで使われる場面が多いですね。
    下位、中堅クラブのドン引きカウンター問題はマネが戻ってきても解決するとは思えません。
    今更補強には期待出来ませんし、クロップはどうしますかね。

  4. makoto より:

    Mackiさん>
    プレミアリーグは、ガナーズとともにチェルシーを止められればそこからが勝負ですよね。FAカップの戦い方が難しいですが、スタリッジ、オリギ、若手に結果を出してもらう場にするのでしょうか。

    nyonsukeさん>
    入れ替わりで主力が離脱することになり、違う選手が入った時に戦い方のバリエーションを増やせなかったのが停滞の原因なのかもしれません。エムレ・ジャンには期待していたのですが…。

    Nullさん>
    nyonsukeさんも指摘されてましたが、コンビネーションがいい選手同士の距離が遠かったのは、私も気になりました。サイドで数的優位を築いて崩しきる形を徹底できれば、ゴール前を固めてくる中堅や下位チームも守りきるのは難しくなるのではないかと思います。

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