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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

おとぎ話の終焉…スロースタートのアーセナルがリンカーンに5発圧勝でFAカップ4強進出!

サットン・ユナイテッドの次は、リンカーン。FAカップのアーセナルは、2戦続けてカンファレンス・ナショナル(5部相当)のクラブと当たる幸運に恵まれました。直近の公式戦7試合を2勝5敗、プレミアリーグ1勝3分と崩れているヴェンゲル監督のチームは、与しやすい相手をエミレーツに迎えたこの試合まで落とすわけにはいきません。ノンリーグのクラブとして103年ぶりのベスト8進出となったリンカーンは、どこまで見せ場を作ることができるでしょうか。アーセナルは、本気度の高いメンバーです。GKチェフ、最終ラインはベジェリン、ムスタフィ、コシールニー、ギブス。ジャカ、ラムジー、チェンバレンが中盤に入り、前線にはアレクシス・サンチェス、ジルー、ウォルコット。キックオフからリンカーンが果敢に攻め、最前線のマルドゥーンに何度も速い縦パスが入りますが、コシールニーが冷静に対応しています。5分を過ぎ、アーセナルが自分たちのペースをつかみ始めました。10分、サイドチェンジを受けたベジェリンがボックスに走り込んだラムジーにグラウンダーを通しますが、インサイドのボレーは右に外れます。

14分、CKのクリアを拾ったギブスがファーにクロスを上げると、競り合ったボールの落ち際をボレーで叩いたのはウォルコット。右隅に飛んだボールはGKファーマンが見事にセーブし、ポストに当たったボールをコシールニーが中に入れると、ウォーターフォールがジルーの前でブロックします。27分、足を痛めたチェンバレンがリタイア。代わって入ったのは、体調不良でチームを離れ、バイエルン戦で復帰したばかりのメスト・エジルです。昨季プレミアリーグアシスト王は、復調のきっかけをつかめるでしょうか。29分、右からボックスに侵入し、切り返しでコシールニーをかわしたアーノルドの左足シュートにはヒヤリとさせられました。足元に入り過ぎて強く当たらなかったボールは、チェフが右に飛んでセーブ。どうした、ガナーズ。33分にアレクシス・サンチェスが左から入れたグラウンダーは、トラップしたウォルコットが体を反転させて左足でシュートしますが、マークに入ったDFの足に当たってファーマンがキャッチします。

ベジェリンのクロスをジルーが競ったこぼれ球は、ラムジーのボレーが左にアウト。44分のチャンスを決められなかったガナーズは、終了間際にようやく先制点を決めました。右サイドにいたエジルがファーにいたムスタフィにロングボールを通すと、裏への浮き球がギブスに通り、ダイレクトパスのやりとりからウォルコットがシュート。DFに当たってコースが変わったボールは、ゴール右隅に吸い込まれました。6分という長い追加タイムには何も起こらず、ハーフタイムは1-0。シュート6本は、下部リーグのクラブとホームで戦うプレミアリーグのクラブとしては、もの足りない数字です。

48分のエジルのミドルは相手に当たってCK。2分後、ロングフィードに前線で追いついたジルーが左から持ち込んでシュートを放つと、GKが弾いたボールをウォルコットが中に浮かしますが、ギブスのヘッドは高く浮いてしまいます。エジルのクロスを叩いたジルーのボレーは強さが足りず。左サイドを再三崩していたア―セナルは、52分に決定的な2点めを奪いました。エジルの左からのグラウンダーがウォルコットに通ると、アレクシス・サンチェスとのワンツーで右からえぐったベジェリンが中央に完璧なラストパス。ジルーがこれを右足で強引にねじ込み、リンカーンに勝負を諦めさせました。

中に斬り込んでくることが多いベジェリンは、56分にボックス手前でひとりかわすと、きわどいシュートを右のポストぎりぎりに飛ばします。58分の3点めは、エジルが左のアレクシスに出したサイドチェンジのボールから。内から縦にスプリントしたギブスに7番からの優しいパスが通ると、高速グラウンダーはウォーターホールが触って枠に入れてしまいました。61分、ジャカに代わってコクラン。エミレーツの空気はすっかり弛緩しています。ジルーに代わって入ったルーカス・ぺレスは結果を出したいところ。リンカーンは、依然として左から攻めてくるガナーズに防戦一方です。

72分、前線でパスを受けたアレクシス・サンチェスが右隅にコントロールショットを決めて4-0。最後のゴールはその3分後、ボックス手前でインターセプトしたボールが左のアレクシスに出ると、逆サイドに通ったパスをラムジーがフリーでトラップし、GKを抜き去って無人のゴールに蹴り込みました。リンカーンサポーターは、赤いスカーフを掲げてここまで辿り着いたクラブの健闘を称えています。FAカップらしい雰囲気のなか、おとぎ話はついに最後のページを閉じました。5-0、アーセナル。リンカーンは、プレミアリーグのトップクラブ相手には奇跡を起こせませんでした。ガナーズとしては、エジルやルーカス・ペレスのコンディションを上げつつ、ゴールの感触を確認できたのが収穫でしょう。調子を崩しているチームにとっては、勝利が最高の良薬です。ベスト4進出が決まったFAカップはもちろん、WBA、マンチェスター・シティと難敵が続くプレミアリーグでの巻き返しにも期待しています。

【FAカップ準々決勝結果・組み合わせ】
ミドルズブラ 0-2 マンチェスター・シティ
アーセナル 5-0 リンカーン
トッテナム VS ミルウォール
チェルシー VS マンチェスター・ユナイテッド

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