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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ウィガン、3度めのジャイアントキリング!10人のマン・シティは痛恨のノーゴール敗退!

この結末は、まったく想像できませんでした。首位と2位の対決ですが、片やはプレミアリーグ、もう一方はリーグ1(3部相当)です。ウィガンの本拠地DWスタジアムで開催されたFAカップ5回戦。デルフの1発退場で10人となったマンチェスター・シティは、残り11分で先制ゴールを奪われ1-0で敗退しました。ブラボ、ダニーロ、ジョ
ン・ストーンズ、ラポルテ、デルフで後ろを固め、中盤にはフェルナンジーニョ、ギュンドアン、ダヴィド・シルヴァ。3トップにサネ、ベルナルド・シウヴァ、アグエロを起用したペップ・グアルディオラ監督は、デブライネとカイル・ウォーカーをベンチに置いたものの、さほどメンバーを落としてはいません。開始2分、右サイドのベルナルド・シウヴァがゴールに向かって曲がる得意のクロスを入れると、アグエロがきわどいヘディングシュート。プレミアリーグで独走態勢を築いているチームが先制するのは時間の問題だと思いました。

2012-13シーズンのFAカップファイナルで対戦した際は、ワトソンが追加タイムに劇的なゴールを決めてウィガンが優勝。圧倒的に有利といわれながらジャイアントキリングを許し、無冠が決まったマンチェスター・シティは、シーズン終了を待たずにロベルト・マンチーニ監督を解任しています。さらに翌年の準々決勝でも、アウェイのウィガンが1-2で勝利。マン・シティにとっては嫌な相手ではありますが、何しろ今はプレミアリーグと3部。ペップ率いる最強チームは、今季は2敗しかしていません。9分にギュンドアンが中央から放ったミドルは、GKウォルトンがゼーブ。マンチェスター・シティが予想通りイニシアティブを握り、自分たちのペースで試合を進めています。

11分、グリッグが単独で持ち込み、左足でシュートを放ちますが、ジョン・ストーンズがコースを押さえており、ボールはポストの外。70分後、この9番は大きな仕事をやってのけます。執拗にラインの裏を狙うマン・シティに対して、ウィガンは速攻勝負。20分にエルダーと競り合いながら転倒したアグエロには、ホームチームのサポーターから容赦ないブーイングが浴びせられています。25分にCKに飛び込んだラポルテは、フリーのチャンスでうまくトラップできず。30分、デルフが逆サイドに上げたクロスをジョン・ストーンズがヘッドで折り返すと、フェルナンジーニョのボレーはクロスバーの上に浮いてしまいました。35分にボックス右でエルダーをかわして打ったギュンドアンのシュートは、バーをかすめて裏に抜けていきます。46分にドリブルでひとりかわしてクロスに狙ったアグエロの一撃は、GKウォルトンがビッグセーブを見せて何とか切り抜けました。

前半終了間際、敵陣でこぼれたボールに反応したデルフは、パワーの脛をスパイクの裏で削ってしまい、レッドカード。10人でハーフタイムを迎えたペップは、レロイ・サネを下げてカイル・ウォーカーでサイドを締めるという非常手段を強いられます。マンチェスター・シティは後半に入ってもチャンスを創り続けますが、前線の厚みが足りないアタックはラストパスが味方に通らず、ウィガン守備陣を混乱させることができません。65分、ペップの2枚めのカードはダヴィド・シルヴァをケヴィン・デブライネ。プレミアリーグアシスト王の精度の高いラストパスで、一気に勝負を決めてしまおうという采配です。

72分、デブライネの高速グラウンダーがニアのアグエロに通ると、反転して放った左足シュートはエルダーがブロック。マン・シティがゴールに近づいていたゲームは、79分に均衡が崩れました。カイル・ウォーカーがボールをスルーしたのは、ファールがあったと勘違いしたのか、後ろにCBがいると思ったのか。拾ったグリッグが中に持ち込み倒れ込みながらシュートを放つと、ボールはブラボの左手の先を抜けて右のサイドネットを揺らしました。決まった瞬間、自らのミスが失点につながったかのように呆然と立ち尽くし、目を泳がせていたストライカーの姿が印象的でした。

ペップの采配は、結果的には裏目に出ました。サネ、スターリング、ガブリエウ・ジェズスがいないアグエロ頼みの前線では、さすがに厳しかったといわざるをえません。極上のジャイアントキリング。4冠を狙えたマン・シティは、意外なステージで止められてしまいました。プレミアリーグ首位チームを慢心云々とくさすよりも、高い集中力でゴールを許さなかったGKウォルトンとウィガン守備陣をほめたいと思います。3点リードしたリヴァプールが終盤の猛攻で1点差に詰め寄られたチームに対して、ひとり多いとはいえ決定機を創らせずに試合を畳んだのですから。いやー、それにしても…。試合の終盤を繰り返しチェックしているのですが、未だ興奮がおさまりません。

■FAカップ準々決勝組み合わせ
シェフィールド・ウェンズデーorスウォンジー VS ロッテデールorトッテナム
マンチェスター・ユナイテッド VS ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン
チェルシー VS レスター
ウィガン VS サウサンプトン

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“ウィガン、3度めのジャイアントキリング!10人のマン・シティは痛恨のノーゴール敗退!” への3件のフィードバック

  1. アーセナルファンのモカZ より:

    イングランドではBBCで生中継していたので家で見ていたんですが、再試合になれば万歳くらいに思っていた結果まさかのウィガン勝利!!
    あの一点が決まったときは大声上げてしまいました笑
    ウィガンの監督も言ってましたが、これだからFAカップは面白いんですよね。
    3部のチームが史上最強レベルのチームの夢をぶち壊すなんて最高のエンターテイメントですよ!!

  2. voo より:

    ミ ラ ク ル ウ ィ ガ ン
    いやープレミア最高です!

  3. yuto より:

    試合前に12-13シーズンのマルティネス監督が率いていた時代のウィガンの映像が流れていて懐かしさを感じつつ、決勝でシティを破って優勝を果たしたことを思い出すと何か見えないジンクスがあるのかもしれませんね。
    あのときもサバレタ退場から流れが変わったようにデルフ退場からどうなるかと見ていましたがハーフタイム直前ということもあり、修正して大きく崩れない辺りはさすがペップのチームでしょう。
    それでも集中して耐えしのぎ1度だけのチャンスをものにしたウィガンが素晴らしかったです。

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