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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2013.05.23 香川真司

香川真司のプレミアリーグ1年め (1)少なかった出場時間

出場20試合、そのうちスタメン17試合、6ゴール。出場時間1356分。香川真司選手のプレミアリーグ最初のシーズンを数字で表現するとこうなります。2012-13シーズン、ドルトムント連覇の立役者という看板を引っ提げて、マンチェスター・ユナイテッドに移籍した香川ですが、今季の彼をどう評価するのが妥当なのか。全日程を終えた今、あらためて日本が誇るトップ下のプレミアリーグ1年めを総括してみたいと思います。

マンチェスター・ユナイテッドは、その選手層の厚さから、プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、カップ戦を問わずターンオーバーを行っています。「いいプレイをしたのに次戦でスタメンを外れることがしばしばあるが、その理由はわからない」とスコールズが語るように、主軸以外はスタメンを固定せず、サー・アレックス・ファーガソン監督の頭の中にあるローテーションでもって頻繁にメンバーを変えて戦います。結局、何通りのスタメンがあるのでしょうか。そして、このチームの強さは、誰が出てもチームとして機能し、明確なレベルダウンを起こさないことなのです。

さて、では2012-13シーズン、マンチェスター・ユナイテッドの「主軸」は誰だったのでしょうか。出場時間数の多さで見れば、1位ファン・ペルシ、2位エヴラ、3位キャリックとなります。センターラインという、いわば「背骨」を固めつつ、若手のビュットナーのレベルに不安がある左SBはエヴラにがんばってもらった、といったところでしょうか。

彼らを筆頭に、出場時間が2000分を超えた選手は全体で9人います。GKデ・ヘア、右SBのラファエウ、リオ・ファーディナンドとエヴァンスのCBコンビ、バレンシア、そしてウェイン・ルーニー。香川真司はといえば、上から数えて14番め。ケガで2ヵ月を棒にふった影響もありますが、同じくケガで戦線離脱していたヴィディッチやアシュリー・ヤングより少ない時間に留まっています。さらにいえば、ラスト2ゲームのスタメンで159分、ピッチにいましたが、2試合を残した時点では、あの大ベテラン、39歳のライアン・ギグスよりも出場時間が少なかったのです。これは主軸と呼べる数字ではなく、「ローテーションで出場する選手のひとり」というポジションです。ただしそれでも、出場試合の8割を超える17試合がスタメンなので、「ファーガソン監督が、うまく休ませながら大事に使っていた」面もあるかもしれません。

内容的なところで気になるのは、「ゴールの少なさ」と「対戦相手が上位のときに使われなかったこと」。ドルトムントで2試合に1点の割合でゴールを重ねていた香川真司にしては、6ゴールは少なすぎます。また、上位チームとの対戦でスタメン起用されたのはリヴァプール、トッテナム、エヴァートンまで。マンチェスター・シティ戦は後半47分からのわずか数分の出番で、アーセナル、チェルシー戦はまったく出場していません。もうひとつ、ポイントを挙げるならば、リヴァプールやトッテナムとの2戦めが行われたのは1月、チャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦に出場したのが2月10日。これ以降、上位との対戦で使われない状況が顕著になっているというあたりにも、何やら意味がありそうです。

サー・アレックス・ファーガソンは、香川真司の「強み」と「限界」をどう見たのか?そして来季、活躍するためには何が必要なのか?次稿より、この疑問について明らかにしていきたいと考えています。引き続き、よろしくお願いいたします。

香川真司のプレミアリーグ1年め (2)6ゴールに見る香川の強み に続く

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