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2014.01.10 香川真司

噂だらけのプレミアリーグ!香川真司、吉田麻也の1月移籍はあるのか!?

ドイツの「ビルト」紙が、ドルトムントが香川真司の1月獲得を検討していると報道し、日本ではYahoo!トップに記事の見出しがデカデカと載りました。1月の移籍市場がクローズするまであと20日。これからさらにプレミアリーグ関連の移籍報道は過熱し、香川移籍の噂は最終日手前まで消えることはないでしょう。「ビルト」紙の記事は、獲得候補としてケディラの名前まで出ているくらいで、信ぴょう性・実現性は高くありません。イギリスで、「ゴシップ」「ルーモア」と見出しやコーナーに書かれて伝えられる「飛ばし記事」と、さほど変わらないものと思われます。

日本のマスコミとイギリスの新聞では、ゴシップ記事に対する感覚が大きく異なるようです。日本では、噂レベルで記事を書いても許されるのは「東〇ポ」や、表紙に扇情的な見出しの多い大衆的な週刊のみで、新聞や一般週刊誌は、基本的には取材に基づく信頼性のある記事しか載せません。対してイギリスは、「ガーディアン」「インディペンデント」など、高級紙といわれる新聞でも、「これは噂だけどね」という匂いを出しつつ、憶測記事を掲載していたりします。事実ではない記事を載せると、訴訟になったり信頼性を毀損したりしやすい日本のメディアと、一定「ゴシップを愉しむ」カルチャーのあるイギリスメディアは、同列に見ないほうがよさそうですね。私は、移籍報道については「関係者のコメントが付いている」「移籍金など具体的な数字が語られている」もの以外は、信頼性10%くらいの感覚で見ています。

さて、前説が長くなりましたが、香川真司と吉田麻也です。両者とも、レギュラー・準レギュラー扱いだった昨季に比べ、プレミアリーグでの出場試合数が減り、スランプにあえいでいます。プレミアリーグ開幕当初は「コンディションの問題で監督が起用を見送っている」というニュアンスの報道が多かったのですが、その後試合で使われるようになっても結果が伴わず、ベンチにいる時間の長さと移籍に関する噂の数が比例して増えている状態です。香川真司はアトレティコ・マドリード、ドルトムント。吉田麻也は古巣名古屋グランパスへのレンタル移籍や、横浜Fマリノスが候補として挙がっています。これらの移籍話は実現するのでしょうか?

香川真司に関しては、「1月はなし」でしょう。理由は3つで、「本人がマンチェスター・ユナイテッドで継続してがんばる意向を示している」「マンチェスター・ユナイテッドに選手を放出する余裕がない」「サイド、トップ下、センターMFと使い勝手のいい香川真司の代わりの選手を獲得できる見込みがない」。香川自身が強く希望し、代理人が動き出せば、古巣ドルトムントへの移籍などは実現しやすいと思われますが、本人にもクラブにもその気がない状況で、話が進むことはありえません。1点、どんでん返しの可能性があるとすれば、「クラブがセンターMFとトップ下を両方獲得できた場合」です。昨年末に、マンチェスター・ユナイテッド関係者がスペインのゲームを視察していたという報道があり、再三伝えられているアトレティコ・マドリードのMFコケや、ウェズリー・スナイデルなどのプレミアリーグ参入が決まれば、香川を出すという話になることもあると思います。いずれにしても、現在の情報からは「可能性5%未満」くらいで捉えておいてよさそうです。

吉田麻也のほうは、動くかもしれません。本人が「悩ましい」というニュアンスのコメントをしており、ワールドカップに向けた出場試合数確保の問題は、チャンピオンズリーグなどチームの試合数が多い香川真司よりシビアです。サウサンプトンのポチェッティーノ監督は、「選手を放出しない」と公言しているので、実現するとすれば、吉田麻也が強く希望した場合だけでしょう。李忠成の前例もあるので、「プレミアリーグや欧州内の他クラブはなし、名古屋レンタル移籍の可能性はあり」ではないかとみます。

香川真司、吉田麻也に対していいたいのは「早まらないでほしい」という一言に尽きます。香川真司は、近年チャンピオンズリーグに優勝している欧州のトップクラブで出場機会を与えられるという恵まれた環境におり、吉田麻也も、プレミアリーグ中位チームで、結果さえ出せばレギュラー復帰が見込めるポジションにいるわけです。以前にも書きましたが、「欲しがられて移籍するのでなければ、プレミアリーグで通用しなかったというレッテルがキャリアの選択肢を狭くする」のだと思います。チャンスを活かせなかったのは、自身の問題。状態が悪いなかで移籍をすれば、当然入るクラブはレベルダウンし、そこで活躍できたとしても再度ステップアップできる保証はありません。もっといえば、「移籍=レギュラー」ではないわけです。吉田麻也は、横浜F.マリノスに移籍してもレギュラーは獲れないかもしれません。

というわけで、まとめるならば「香川真司は残留、吉田麻也のレンタル移籍は可能性あり。ただし、今のクラブでがんばるのが長いサッカー人生を考えればベターでは?」といったところですね。

最後に、もうひとつだけ。香川真司と吉田麻也の状況を難しくしたのは、コンフェデレーションズカップもさることながら、「8月・9月のキリンチャレンジカップ」だと思います。選手は、ワールドカップイヤーに代表招集は断れません。これに強行出場したことで、猛暑のなか日本とイギリスの往復にも体力を使い、所属クラブにフィットする時間を奪われ、「なぜ、親善試合のために何度も極東に行くのか」と監督の信頼を失う種を作りました。

その昔、中田英寿がASローマにいて、クラブが優勝争いをしていたときは、コンフェデレーションズカップにすら出るな、といわれたくらいです。彼はパルマに所属していたときも、日本代表戦出場の是非について現イタリア代表監督のプランデッリ監督と揉めたことがありました。これだけ海外で活躍する日本人選手が増えている状況を考慮すれば、代表強化プランも欧州スケジュールに完全連動させなければいけないのではないでしょうか。そもそも、コンフェデレーションズカップ直後、暑苦しいニッポンの8月にマッチメイクするなど、成果も期待できず、愚の骨頂です。…あ、ついムキになっちゃいました。すみません。昨年のことを、遡ってどうこういっても仕方ないですね。プレミアリーグから脱線気味な話でもありますので、この話はまた、おかしなことがあったときにでも(ないことを祈ってますが)。

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