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2014.04.03 香川真司

後半、活性化したマンチェスター・ユナイテッドの前線…香川真司に現地メディアは高評価

「ドローでポイントをゲット」「夢はまだ続く」と、ガーディアンをはじめイギリス紙は軒並み勝ったかのような騒ぎでした。記者の方々からすれば、最悪の事態を想定してビクビクしていたところでドロー決着となり、安心のあまりハイになってしまったのでしょうね。サポーターとしては心外ですが、みなさん、マンチェスター・ユナイテッドが勝つどころか、健闘することすら想像していなかったようです。失礼な。一応、昨季のプレミアリーグを独走で制覇したディフェンディングチャンピオンですよ。一応、ですけど。本ブログのコメント欄でも「ノーチャンス」「可能性ゼロ」「血の雨が降る」と、私の願望は明るく否定されておりましたが、未だ劣勢ながらも何とかセカンドレグに期待できるところまでは漕ぎつけました。後はミュンヘンでどう戦って、世界チャンピオンを敵地で葬るという「大番狂わせ(涙)」を演じるか。ですね。

勝てなかったのに新聞の見出しが躍り出すという、ちょっとしたお祭り状態のなか、香川真司も各メディアで高評価です。やはり、人間のやることですから、「印象」は大事なのでしょうね。「香川真司が左サイドでCKを獲って、直後のルーニーのCKからヴィディッチがゴール」。この2つの出来事に直接的な関係はないので、CKゲットくらいで「香川真司がゴールに貢献」というのはさすがに言い過ぎな感はありますが、一部メディアではそれに近い評価も散見されます。

ますは「スカイスポーツ」ですが、後半から出場した選手に「7」という評価は高いでしょう。「モイーズ監督はケガを負ったギグスに代えて後半スタートから香川真司を起用。マンチェスター・ユナイテッドはルーニーのCKからバイエルン・ミュンヘンのボックス内でスペースを見つけたヴィディッチがヘッドでゴールし、報われた」…ほらほら。これなどは、「香川が入ったから先制できた」と読めてしまうような評価です。イギリスのメディアは、イタリアやドイツに比べればフラットな書き口が多いという印象ですが、プレミアリーグでは辛口に語られがちだった香川真司は、この日だけは実際のプレイで積み上げた貢献度よりも高く査定されているように思いました。

ユーロスポーツはもう少し冷静です。香川真司をアベレージの「6点」としながら、「バイエルン・ミュンヘンがセカンドレグで有利という評判だが、マンチェスター・ユナイテッドは生き残った。香川真司はマン・ユナイテッドの攻撃にパワーをもたらした。試合前に予想した結果からすれば、モイーズ監督にとってはグッドニュース」としています。うーん、これが一般的な見方なのでしょうね。「結構いけそう」と勝手に盛り上がっていた私は、少数派なのだとあらためて認識しました。新聞に目を向けると、イギリス紙「テレグラフ」は「香川=7」。香川が交代で入ったことで互角の戦いがもたらされ、バイエルンのDF陣に不安を与えたと語っています。

その他、「マンチェスター・イブニングニュース」は香川真司の対バイエルン・ミュンヘン無敗が続いたと報じ、「ミラー」も7点の高評価。いずれも抽象的ではありながら、イギリスマスコミの評価を意訳してまとめると、「前半は縦一発のカウンターしかなかったけれど、後半になって前線でパスをつないでチャンスを創るシーンが増えて、よくなったじゃないか。これは香川真司の効果で、その流れから先制点が決まったんだよ」ということになります。正直にいえば、試合中は、「ディフェンスでは彼なりでまあまあだったけれど、うまくチャンスを創れなかったな」と思っていたので、これらの評価には驚きました。とはいえ、元の期待値が低ければ、こうなるのも理解できますね。

私は今回、バイエルン・ミュンヘンと戦うことになったとき、どちらかといえばポジティブに捉えておりました。確率7分の3という高さだった大苦手のスペインのクラブだけは避けたかったのです。もうひとついえば、オリンピアコスとの緒戦はやらかしてしまいましたが、プレミアリーグでの大苦戦と比べるとチャンピオンズリーグのほうが快勝が多く、香川真司もより輝いています。先日、野戦病院と化していて下馬評が低かったアーセナルが、プレミアリーグでマンチェスター・シティに勝利寸前のドローまでいったように、もともと地力があるチーム同士の戦いは、低調なチームが思いのほか善戦することがしばしばあるものです。

さあ、来週はいよいよミュンヘン決着ですが、私の期待はファーストレグを戦う前より上がっています。バイエルン・ミュンヘンは、昨季チャンピオンズリーグのアーセナル戦では、ホームでのセカンドレグで「あと1点獲られたら敗退」というところまで追い込まれており、今季の年末のマンチェスター・シティ戦でも、同じくアリアンツ・アレナで「あと1点獲られたら2位通過に転落」というピンチを迎えています。世界王者を追いつめたのが、いずれもプレミアリーグのクラブなのも心強いですね。この「アウェイで優勢だった相手に、ホームで集中力を欠いてやられるクセ」が、今回も顔を出してくれれば…。ハビ・マルティネスとシュバインシュタイガーを欠くバイエルン・ミュンヘンのみなさん、あなたがたが自ら感じてるよりも、実は現在、世界王者は敗戦寸前の淵に追い込まれているんですよ。まあ、見ててください。一般的な言葉でいえば「大番狂わせ」、私の言葉でいえば「ただの競り勝ち」は、きっと実現するでしょう。キーマンはもちろん、香川真司。

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“後半、活性化したマンチェスター・ユナイテッドの前線…香川真司に現地メディアは高評価” への2件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    セカンドレグはよりバイエルンのポゼッション、カウンターが効果的になってくるのではないでしょうか。ユナイテッドは確実に一点が必要ですからね。ペップバイエルンの冷静な感じが余裕を感じさせますね。

  2. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    そうさせないためにも、マンチェスター・ユナイテッドは「いかに早く点を獲るか」がポイントですね。

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