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クロップの選択は変化か、我慢か?クラブOBが語る「リヴァプールの3トップ、不振の理由」

マンチェスター・ユナイテッド戦のスコアレスドローで、3試合連続ノーゴール。絶対王者と目されていたリヴァプールに、異変が起こっています。マンチェスター・シティやチェルシーの優勝を予想していた人は、レッズが転落するとすれば、レギュラーCBのリタイアによる守備力ダウンをイメージしていたのではないでしょうか。「スカイスポーツ」で解説を務めるジェイミー・キャラガーさんは、3年半の長きに渡って欧州のトップクラスだったフロントスリーの終焉を予感しているようです。

2015年にリヴァプールに入団したロベルト・フィルミーノは、プレミアリーグ193試合62ゴール43アシスト、チャンピオンズリーグは39試合15ゴール13アシスト。1年遅れてサウサンプトンからやってきたサディオ・マネは、プレミアリーグ144試合69ゴール22アシスト、CLは38試合17ゴール7アシスト。マネの翌年に加わったモー・サラーが最もゴールを決めており、国内リーグで125試合86ゴール31アシスト、欧州では39試合22ゴール10アシスト。ユルゲン・クロップが創り上げた3トップは、リヴァプールのみならず、プレミアリーグ史上最強のトリオといい切ってもさほど異論はないでしょう。

サラーの入団初年度にチャンピオンズリーグでファイナル進出。翌シーズンにトッテナムとの決勝を2-0で制してビッグイヤーを獲得すると、2019-20シーズンにはクラブの悲願だったプレミアリーグ制覇を果たしました。3人が揃った最初の年は、プレミアリーグ57発。2年めは56発で、優勝した昨シーズンは46発。この間、3トップがプレミアリーグで3試合連続ノーゴールは、1度もありませんでした。

2020-21シーズンは、ヴィラに7-2で大敗した後、ファン・ダイクが前十字靭帯損傷でリタイアするなど、今までになかった事件が続きましたが、3トップは元気でした。13節にトッテナムとの直接対決を制して首位に立った昨季王者は、14節のクリスタル・パレス戦を0-7で圧勝。3トップと南野拓実が全員ゴールを決め、サラーは5試合連続の13発めで得点王ランキングのTOPに立ちました。ライバルのサポーターの多くが、WBA、ニューカッスル、サウサンプトンという年末のスケジュールを見て、レッズの独走が始まったとため息をついたのではないかと思われます。

19位のWBA戦でマネが決めたボレーが、最後の歓喜。オンターゲットを2本しか打てず、アジャイに同点ゴールを許して勝ち点を落としたレッズは、ニューカッスル戦もサラーが2度の決定機を逃してドローに終わりました。続くセインツ戦は、古巣対決のダニー・イングスに2分にループシュートを決められ、1-0のままでタイムアップ。17本のシュートを放ちながら枠内は1本で、75分にロバートソンが打った当たり損ねがフォースターの懐に収まっただけでした。マンチェスター・ユナイテッド戦の決定機は、デ・ヘアに弾き出されたチアゴのミドルのみ。3トップのフィニッシュは、バーやポストの外に逸れていきました。

サラー、フィルミーノ、マネに何があったのでしょうか。不振のレッズをアナライズしたジェイミー・キャラガーさんの意見を聞いてみましょう。「リヴァプールのフロントスリーがユニークなのは、一緒にいる期間の長さだ。4年めになるけど、これだけ素晴らしいフロントスリーは、通常は2~3年しか続かないものだ。彼らの契約は2~3年残っているので、5年めに突入するかもしれない」。20代後半になった3トップについて、「徐々に入れ替えを始めなければならない」と主張するレッズのOBは、フィルミーノの衰えを懸念しています。

「現在はマネとサラーが厳しいけど、彼らは再びゴールを決められるようになる。心配なのはフィルミーノだ。他の2人が凄いせいで、彼はゴールスコアラーとは見做されないが、2人が決められないときは大きな脅威でなければならない。マンチェスター・ユナイテッド戦で、彼にはいくつかチャンスがあったのに、適切なシュートを打てなかった。仲間との連携もゲームへの関与も足りなかった。今季に限らず、カウンタープレッシングの回数もボール奪取も減っているんだよね」

いわれてみれば、そのとおりです。「スカイスポーツ」が調べたデータによると、90分あたりのアタッキングサードでのボール奪取は、2019-20シーズンの1.11回から0.42回に激減しています。敵陣での強奪で始まるショートカウンターは、ゴール前に人数をかけてくるチームに対する必殺の武器だったのですが、フィルミーノのプレスが弱くなれば、サラーやマネがラストパス1発でフリーになるシーンが減るのは当然です。

クロップ監督が「いつもの3人」にこだわり続けたのは、自信を失いつつあるなかでいじると、モチベーションが低下してしまうと考えたからではないでしょうか。それでも、南野拓実を早い時間に投入したり、4-2-3-1にスイッチしたりするなどの工夫を試みるべきではないかと思います。次節は堅守バーンリー、後半戦の緒戦は引いてカウンター狙いのトッテナム。ジョッタが復帰するまで、少なくとも4試合は今のメンバーで戦わなければなりません。名将の選択は変化か、我慢か。木曜日のゲームは、スタメン、フォーメーション、フィルミーノのパフォーマンスに注目したいと思います。


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“クロップの選択は変化か、我慢か?クラブOBが語る「リヴァプールの3トップ、不振の理由」” への2件のフィードバック

  1. まさやん より:

    更新お疲れさまです。
    今シーズンのフィルミーノはボールをキープできない、シュートも打てない、周りとも合わないシーンが多いですね。
    クロップも入れ替えを考えてジョッタを獲得したと思うのですが、怪我をしてしまってから勝ちきれないゲームが増えていってます。

    パレス戦の圧勝の引き金になった南野をまた先発で使ってほしいですが、クロップもなかなか頑固ですからね。

    これ以上勝ち点を落とすと、優勝争いどころか例年より激しい4位争いに巻き込まれそうなので、次のゲームでは変化をしてスッキリ勝ってほしいです。

  2. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    今は我慢の時かもしれませんが、多少の組み替えも必要。ジョタに復帰が2月らしいので、もう少しですね。南野も奮起して欲しいです。今は勝利が何よりの薬ですね。

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