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ジェイミー・キャラガーが熱く語る!「リヴァプールが強くなるための3つの提言」

ジェイミー・キャラガーさんがまた、話題を提供しています。いえ、エヴァートンのシャツを着てロメウ・ルカクにインタビューし、「やっと本来のカラーに戻れたね」といじられた話ではありません。地元紙「リヴァプール・エコー」に掲載された「Liverpool boss Klopp to blame for Leicester defeat, says Jamie Carragher(レスター戦の敗北はリヴァプールのボスであるクロップが責任を負うべきとキャラガーは語った)」という記事のほうです。プレミアリーグ26節のレスター戦のリヴァプールは、長い間眠っていたヴァーディに、切れ味のいいカウンターを思い出させてしまいました。「スカイスポーツ」の「マンデー・ナイト・フットボール」で古巣について語ったレジェンドは、「特定の選手を信頼し過ぎる」とコメント。「私を右ウイングに置いて、なぜ相手のディフェンスを打ちのめせないんだ?といっているようなもの」と表現し、左SBミルナー、CBルーカス・レイヴァという2つのコンバートに疑問を示しています。

「ジェームズ・ミルナーは大好きだけど、彼は左SBではない」「ルーカス・レイヴァはリヴァプールのファンを喜ばせているけど、私は残念に感じた。ピッチを去ったときはハッピーだった」

ジェイミー・キャラガーは、デヤン・ロブレンの欠場でCBをまかせられたルーカスが、ヴァーディに2つのゴールを許す難しい夜を過ごしてしまったことについて、選手を責めるべきではなくクロップ監督の戦術と人選の問題だと強調しています。ハーフラインまでDFを押し上げて、ルーカスとヴァーディをスプリントで勝負させたら、捕まえられるはずがない、と。バーンリーのアンドレ・グレイやハル・シティのニアッセにも2人のCBが高いラインの裏を突かれたと指摘するレッズOBは、ヴァーディにやられたのも同じ理由だといっているわけです。なるほど、納得です。私も、観戦レポートに「後ろにクラヴァン、アンカーにルーカスを置いて、CBの2人にはヴァーディを徹底的にケアさせるべきだった」と書かせていただきましたが、速いストライカーがいるチームに対して、プレスがかからない時間帯にラインを上げるのはリスキーだと感じていました。さらにキャラガーさんは、2つめの修正ポイントとして、こんなこともいっています。

「リバプールが常に同じようにプレーするのも問題だ」 「なぜ彼らはモーガンとフートにボールを持たせて、マネのペースをうまく使うことができなかったのか?特定のゲームで戦術に違いをもたらし、変化させない理由がわからない」

「プランBがない」というわけですね。モウリーニョ監督のマンチェスター・ユナイテッドが負けなくなった理由のひとつは、押し引きをコントロールできるようになったこと。ペップもまた、厳しくプレスをかける時間帯とカウンター狙いに徹する状況を明確に切り替えて戦っています。クロップ監督のゲーゲンプレッシングは素晴らしく、これ1本でプレミアリーグを制するところを観たい気分もあるのですが、「カウンターさえつぶせばOKのチーム」「中盤の選手が圧力をかけられない時間帯」など、ラインを上げないほうが得策である状況においては、相手を呼び込んで速攻を浴びせる戦い方にスイッチしたほうがいいのではないかと思います。何しろスケジュールがタイトなプレミアリーグ。クロップ流の走るサッカーにオプションが加われば、体力的なメリットも大きいのではないでしょうか。

キャラガーさんの3つめの提言は、「リヴァプールは夏に変わらなければならない」。プレミアリーグ最多得点ではありながら、「不幸せだった夏にマンチェスター・ユナイテッドのようなことができない」、すなわちイブラヒモヴィッチやポグバのようなワールドクラス獲得が難しいクラブは、別なアプローチで変わる必要があると主張しています。

「33失点はTOP8で最多。このペースだと50を超えるが、クロップは修正できていない。これは大きな懸念だ」「アレクシス・サンチェスは、リヴァプールとアーセナルを比べたら、アーセナルに行く。トッププレイヤーを獲得するためのフィナンシャリーマッチには勝てない。だからわれわれは、別な方法を選べばいい。多くのゴールを決めるだけでは勝てないとわかっているのだから」

自らが現役のときは、今のチームほど強くはなかったが相手にとって勝つのが難しいチームであり、守備の数字はよかったと語る元CBは、後ろを強化すればプレミアリーグ優勝に近づけると確信しているのでしょう。「チャンピオンズリーグどころか、エヴァートンに捕まることを怖れている」と語るキャラガーさんは…だったらなぜ、こんな最悪のタイミングでエヴァートンのシャツ着ちゃったんですか!?元々エヴァートンサポーターだったことは存じ上げておりますが、古巣が大変なときに青いユニフォームは…。この件で、サポーターのツッコミと嘆きに包まれてしまったようで、ご自身の守備もちょっぴり緩かったようです。以上、「ジェイミー・キャラガー、愛の提言」をお送りいたしました。(ジェームズ・ミルナー 写真著作者/dom fellowes)

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“ジェイミー・キャラガーが熱く語る!「リヴァプールが強くなるための3つの提言」” への4件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    キャラ兄さんの厳しいお言葉をまたしても頂戴してしまったレッズですが、CBについては同意します。スパーズ戦のルーカスがあまりにも良かったので、クラヴァンではなかったのは多少わかりますが、やはり餅は餅屋なので、、、。SBは仕方ない面もあり、今シーズンはミルナーで通すとは思いますが、来季はMFに戻ってSBは違う顔をがいることを願います。
    ここ数シーズンのレッズに言えることですが、ご指摘の通りプランBは乏しいですね。強い試合は観ていて気持ちがいいのですが、厳しいゲームでも勝ち切る力がまだこのチームには足りていないと感じます。エヴァートンの足音が聞こえる中でのキャラ兄のユニフォーム着用はなんとも苦笑してしまいますね。

  2. nyonsuke より:

    更新お疲れ様です。

    キャラガーの言うことはごもっともですが、クロップ監督のやり方はモウやペップと違い、ヴェンゲルさんよりなのではと思います。
    特定の選手、やり方に拘るのは、選手が1人や2人、あるいは11人代わっても同じサッカーができるチームを目指しているのではないかと。
    たしかにこの上ない理想論ですが、この下地作りが未だに続いているのではと思います。
    特に今シーズンは相手によって戦い方を変えて、目先の1勝をとるようなこはしない気がします。
    この方針が吉と出るか凶と出るかは数年後にしかわかりませんが、私が思うのはワールドクラスの選手も取れないでしょうが、クロップ以上のワールドクラスの監督も今のレッズでは獲得できないだろうということです。
    うるさいOBがは良くも悪くもレッズの伝統の一部ですが、青いユニフォームを着たOBの言葉は無視していいと思いました。
    もともとエヴァトニアンとは知っていますが、オーウェンに続きキャラガーにも幻滅です。

  3. K より:

    せっかく最終ラインがボールを回せるメンバーなのに前への意識ばかりで時間の使い方が下手な事などご指摘はごもっともです

    監督の指導方針が強みを活かせ、というものでチームの調和が狂ってきてますね
    ミルナーはもはやSBと言うよりウィングに近いポジションなのに無意味なクロスしか上げられない
    本職のSB買って左足のシュートがある事を相手に意識させないとコウチが活きなくなってきました

    故障者が主力に出なければ3位に入れるという算段は2位〜6位を争う本命の
    両マンチェスターとアーセナルとチームとの直接対決前にヘンドを失い完全に狂い始めました
    勝てると思ってた今週の6ポイント戦で勝たないと非常にマズイです

    長くなり過ぎるので割愛しますが今のチームはポゼッション向きの選手とカウンター戦術向きの選手と
    半々で誰か欠けるとチームがぐちゃぐちゃになるスカッドなので夏の補強でチームの戦術に合う選手を揃える必要があります

    クロップ以上の監督は今のチームに招聘不可能ですし、クロップの改革を判断するには時期尚早で来季の終わりまで黙って期待したいと思います

  4. makoto より:

    Mackiさん>
    バレンシアにSBやっていただいているチームのサポーターとして、SBミルナーはありだと思いますが、ルーカス・レイヴァのCBは相手を選びますね。ダニー・イングスやスタリッジが機能していれば、取りこぼしは減ったと思われるので、プランBとその役割を担う選手は必要でしょう。

    nyonsukeさん>
    「ヴェンゲルさん寄り」というご指摘については賛成です。強いときのクロップサッカーがプレミアリーグ最強レベルなのは間違いないので、あとは取りこぼし対策ですね。ヴェンゲルさん寄りであれば、戦術を複数持つのではなく、アーセナルにルーカス・ぺレスやウェルベックという人材がいるように「タイプの違う選手投入で流れを変える」作戦かと思います。オリギは一定その役割を果たしているので、もう1~2人ほしいですね。

    Kさん>
    選手のタイプの問題は、監督のディレクションで何とかなるところが大きいのではないでしょうか。エレーラ、フェライニ、ブリント、バレンシアを使いこなしているモウリーニョ監督や、ヤヤに守備をさせてデブライネとダヴィド・シルヴァに複数ポジションを求めているペップがそうであるように。

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