「BBC」が分析!「コウチーニョを失ったリヴァプールは、なぜ得点力が上がったのか!?」
「わがチームに、ローマは諦めたと考えている選手がいるなら、彼は次戦に出られないだろう」とチームを引き締めにかかるクロップ監督は、「今夜の試合で私が学んだのは、セカンドレグでも彼らを倒せるということだ」ともコメントしており、守りに入るという選択肢はないようです。ローマにしてみれば、バルサ戦のように3バックで中盤を厚くし、プレッシングで勝とうとすればサラーやマネへのチェックが緩くなり、後ろを増やせば速攻につながる縦パスのコースを切りづらくなります。初戦のサイドにおける完敗を見る限り、ディ・フランチェスコ監督のチームがレッズをゼロに抑えるのは難しそうです。クロップ監督と選手たちが攻撃的なスタイルを貫ければ、ファイナルに進出するのはレッズでしょう。
前説が長くなりました。本題に入りましょう。プレミアリーグでCL出場権獲得を目前にし、欧州でもファイナル進出にあと一歩と迫ったリヴァプールについて、「BBC」が興味深いレポートを掲載しています。「How Reds have adapted since selling Philippe Coutinho(レッズは、フィリペ・コウチーニョを売却してからどう適応してきたのか)」。地元出身のザ・ビートルズになぞらえ「Fab4(ファビュラスな4人)」と称されたサラー、フィルミーノ、コウチーニョ、マネから、1月に10番が抜けたのはショッキングでした。バルサでは今季のCLに出られないコウチーニョは、夏までは残ってくれると思っていたサポーターも多かったのではないかと思われます。プレミアリーグ2017-18シーズンは14試合7ゴール、チャンスメイク40回と6アシストは前半戦のチームNo.1。これだけの選手がいなくなれば、攻撃力が落ちるのが当然です。
ところが実際は、レッズの得点力はUPしています。「Feb4」が「Three red arrows」に変わった1月以降のプレミアリーグ14試合で32ゴールを挙げており、1試合あたりのゴール数は2.29。コウチーニョがいた14試合は2.14ですが、いなかった21試合を通算すると50ゴールで2.38となり、どこをどう取っても痛手は感じられません。これに関して、「BBC」もおもしろいデータを紹介しています。2016-17シーズンのフィルミーノ、コウチーニョ、マネが66回のチャンスメイクで10ゴールだったのに対して、今季プレミアリーグにおけるフィルミーノ、サラー、マネは71回のチャンスで17ゴール。10番を失った3本の矢は、むしろ決定力を高めているのです。
これについて「BBC」は、「コウチーニョはドリブルが多く、キープ力があったために、チームを減速させる傾向があった」「ボックス外からのシュートの25%をコウチーニョが放っており、自ら打ちたがることが決定機創出を妨げることがあった」と分析しています。彼がバルサに移籍した後、ボックスの外からのシュートが1試合あたり7.1本から6本に減った一方で、ショットコンバージョンは17.4%から21.6%に向上。「現在の3人のMFは、素早く3トップに渡しており、前線も決定的な形をより多く創っている」「コウチーニョは守備に難があり、現在の3トップの方がプレスが巧みである」。記事でアナライズを担当したレッズOBのスティーブン・ワーノック氏は、「エティハドで、リバプールがマンチェスター・シティを倒すのを観たが、3人のFWが6人のシティのプレーヤーを押し込んでいるシーンがあった」とも付け加えています。
これを受けて、中盤の選手を中心にさまざまなデータをチェックしてみました。クロップ采配において最も秀逸なのは、「ミルナー起用法」です。中盤に流動性をもたらし、シンプルに前線につなげるベテランMFは、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントはフルタイム出場。2月以降のプレミアリーグでは、ルールを決めたかのように先発と途中出場を繰り返しています。ルーニーやネイマールを超える史上最多となるCL年間9アシストを記録したMFを、フレッシュな状態で起用できているのが、欧州におけるゴール量産の原動力になっているのではないでしょうか。
ララナとエムレ・ジャンを失う厳しい状態のなかでも、プレミアリーグとCLを両立させてきたクロップ監督をあらためてリスペクトしながら、心の中で祈っています。「どうか最後までもってください。レアル・マドリードと激突するであろう決勝で、最高のレッズを観られますように…!」。ミルナー以上に前線をうまく動かしている試合が多かったチェンバレンのリタイアは、コウチーニョ以上に激痛なのかもしれないと思いつつ…。(ユルゲン・クロップ 写真著作者/Дмитрий Голубович)
※「Sportie」に、「ペップも粉砕!ユルゲン・クロップがリヴァプールにもたらした5つの変化」と題したレッズのレポートを寄稿させていただきました。併せてお読みいただければ幸いです。
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更新ご苦労様です。
コウチーニョのボールキープによる攻撃のリズム半減や守備についての指摘は以前からありましたね。
それでも前半は彼を中心としてチームが回っていたので、彼の移籍後のチームを心配していました。今更ながらミルナーを獲得して良かったと思うシーズンです。とにかく労を惜しまないプレーが好きです。たまに変なボールロストもありますが(苦笑)
キエフまで後一歩ですが、まずはローマとの2ndレグを気を引き締めて闘う事ですね。チェンバレンの離脱は激痛ですが、このチームは逆境に強いチーム。きっとやっとくれるはずです。
長友選手がツイッターにて
「覚醒しすぎやろ。バケモンになっとるやんけ」とサラーについてコメントしておりましたが、実際にやりあった選手がそう言うくらいにサラーは変わって見えるのでしょう。
そして、チェンバレンもまた、そういう選手の一人だったのだと思います。
アーセナルにいた頃の彼は、ラムジーやウィルシャーがそうであるように「器用なのは分かるんだけど・・・スペシャリストになれないなぁ」という選手だったように思います。(ヴェンゲルを擁護するならば、ラストシーズンの3バックになってからは急に欠かせない存在になっていましたが)
クロップ監督は、適材適所を見分けることに大変優れた監督なのだなと恐れ入ります。
おそらく彼の頭の中には、僕などには平凡に見えている選手の中に「あいつをリバプールに入れることが出来たら大きく化けるぞ」という選手が何人もリストアップされているのでしょう。
彼がリバプールの監督でいる限り、我がアーセナルは対戦する週末がくるたびに不安におそわれそうです。
ローマ戦の5点目になったコーナーキックはミルナーが蹴っているので彼は9アシストになって単独トップのアシスト数になりましたよ。
訂正求むとかではないのですが凄い記録なので書かせていただきました。
ローマ戦の5点目になったコーナーキックはミルナーが蹴っているので彼は9アシストになって単独トップのアシスト数になりましたよ。
訂正求むとかではないのですが凄い記録なので書かせていただきました。
みなさま>
レッズのチーム作りに長く注目してきたこと、「BBC」のレポートがおもしろかったことがあって、書かせていただきました。補強も強化も素晴らしいシーズンですよね。試合を重ねるごとにクオリティが上がっているチェンバレンは、さらによくなるのではないかと思います。プレミアリーグ大好き! さん、ご指摘ありがとうございます。試合見ながら興奮していて、サラーが蹴ったと思い込んでいました。訂正させていただきました。ありがとうございました。
コウチーニョ移籍後のレッズの得点向上の観点は筆者様に同意です。
ファン・ダイクの巨額投資は間違いではなかったのですね!
しかし、終盤になって中盤のローテーションが非常に苦しくなりました。
PLは若手起用も増えるでしょうか?
この点についてどう思いますでしょう。
コウチーニョ移籍後のレッズの得点向上の観点は筆者様に同意です。
ファン・ダイクの巨額投資は間違いではなかったのですね!
しかし、終盤になって中盤のローテーションが非常に苦しくなりました。
PLは若手起用も増えるでしょうか?
この点についてどう思いますでしょう。
このタイミングでコウチーニョに触れていただけて、リヴァプールというチームがコウチーニョ移籍後も各々が仕事を110%こなし、より結束力を増してるかを嬉しさ込み込みで噛み締めております。
(コウチーニョを恋しくなることももちろんあります…笑)
以前、「戦術はミルナーなり」とコメントさせていただいたことがあるのですが、ミルナーがいるリヴァプールは、GKを除いたフィールドプレイヤーが「11人」いるように感じる試合が多々あります。
神出鬼没、特に攻撃のタイミングで的確なポジションにパスを出し、自らも走り込むダイナモっぷりは若手が多数所属するチームの鑑です。
フリーキックや超絶ロングシュート、信じられないようなラストパスなど多くの個人技で魅了したコウチーニョの穴を、前線3人はじめ、チームとして補っているクロップの手腕には本当に唸らされます。
>プレミアリーグ大好き!さん
私見ですが、自ずと若手抜擢で選手層を厚くしながら来季を見据えた戦いをPLでは用いる可能性が高いと思います!
CLは現状のベストメンバーで優勝狙い、PLはトッテナムとの激しい3位争いを敢えて若手に経験させるのでは?と。
中盤の候補としては、ウッドバーン、復帰予定のクラインを右サイドに据えてアーノルドをチェンバレンの代役に。
そしてフィルミーノを一列下げて前線にイングスとソランケを起用、ということも考えられますが、どうでしょう?