史上初の利益1億ポンド⁉ リヴァプールを変えたクロップ&マイケル・エドワーズの戦略。
あらためて、昨季のリヴァプールを振り返ってみましょう。収入面で大きかったのは、マッチデーとトランスファーです。アンフィールド改修後、初めて欧州で戦ったシーズンにファイナル進出。CLにおける収入は8130万ポンド(約118億円)で、記録的な財政の柱となりました。移籍市場においては、2018年1月にフィリペ・コウチーニョを1億4500万ポンド(約210億円)でバルセロナに売却。CBにそんな大金を払うのかと騒がれたファン・ダイクの獲得費用は、元10番の半分です。デロイトトーマツコンサルティングが発表した「フットボール・マネー・リーグ」の最新版によると、リヴァプールの年間売上4億4000万ポンド(約640億円)は、アーセナルとチェルシーを抜いて欧州7位にジャンプアップしています。売上が大きく伸びたことに加えて、選手に支払うサラリーがさほど高くないことも利益増加につながっています。
「ザ・サン」が紹介していた欧州のクラブのサラリーランキングによると、リヴァプールが選手に支払ったサラリー総額は2億1600万ポンド(約313億円)。2億7000万ポンド超えのマンチェスター勢と2億2600万ポンドのチェルシーを下回っており、プレミアリーグでは4位です。2億700万ポンドで5位のアーセナルが、エジルひとりに1820万ポンド(約26億4000万円)を払っているのに対して、レッズの最高額はサラーの1040万ポンド(約15億円)。いちばん稼いでいる選手がプレミアリーグで10番めに留まっており、戦績とコストのバランスが取れているのが健全経営につながっています。
レッズ改革の大きなターニングポイントは、2016年11月のマイケル・エドワーズSD就任でした。ブレンダン・ロジャースと悪名高き移籍委員会の時代は、バロテッリやベンテケなど補強の失敗が目立っておりましたが、2015年10月に就任したクロップ監督がマネとワイナルドゥムをゲット。エドワーズさんが加わった翌シーズンはサラー、チェンバレン、ファン・ダイク、昨夏はファビーニョ、ナビ・ケイタ、アリソンと2000万ポンド以上のディールをすべて成功させています。彼らに加えて、800万ポンドのロバートソンや、1350万ポンドのシャキリといったお買い得案件も決めており、ソランケの売値1900万ポンドとGKウォードの1250万ポンドでおつりがくるというミラクルを見ると、SDの素晴らしさを称えずにはいられません。
「ESPN」がトランスファーマーケットにおけるエドワーズSDのアプローチをレポートしてましたが、彼のターゲットとなるのは「ハングリーで質が高く、成長余力がありながら所属クラブで誤った起用をされている」選手だそうです。チェルシー時代のサラーやアーセナルでのチェンバレンを思い出せば、腹落ちする方も多いのではないでしょうか。この方針が成功しているのは、SDひとりの手柄ではなく、前体制で獲得したフィルミーノを偽9番として輝かせたクロップ監督の手腕も大きいと思われます。8~12ヵ月前にはプランを決めていると聞けば、近年恒例となったマーケットでのロケットスタートも納得。的確な強化を進められるようになり、経営も安定しているリヴァプールは、プレミアリーグをリードする存在であり続けられるのではないでしょうか。慧眼のSDと求心力の高い指揮官が、クラブを去ることさえなければ。
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更新ご苦労様です。
ヒックス&ジレットの暗黒期から、ここまでチームが作られるとは、当たり前ですが当時は考えられなかったです(苦笑)
チームコンセプトの確立や現場と経営陣のコミュニケーションがしっかりとれているから、ここまで来たんだと思いたいです。
派手なことをせず、この先も盤石の体制を築いてほしいですね。
純利益が一億ポンド超えだとか。
やりますねぇ
クロップとSDに加えて現オーナーのFSGグループの存在が大きいでしょうね
オイルマネーを持ってるようなクラブには及ばないでしょうけど、クロップが望む選手への投資を惜しまないですし結果もついてきてますしね