心に浸みるスピーチをありがとう…FIFAの年間最優秀男子監督は、ユルゲン・クロップ。
23日にミラノで開催された「ザ・ベスト・FIFAフットボールアワード2019」におけるプレミアリーグファンの注目は、UEFAの年間最優秀選手に輝いたヴィルジル・ファン・ダイクの2冠チャレンジと、ペップ、ポチェッティーノ、クロップで争われた最優秀監督でした。FIFA男子最優秀選手賞のほうは、レッズの鉄壁CBとクリスティアーノ・ロナウドを抑えたメッシが史上最多となる6回めの受賞。イングランドの評論家からは、「ファン・ダイクはクラブをビッグイヤーに導いたのに」といったブーイングもあったようですが、公式戦50試合51ゴールというスタッツを見せつけられれば、頂点に立つ資格なしとはいえません。
プレミアリーグ対決となった名将3人のバトルは、欧州王者のドイツ人監督が初受賞となりました。同業者への敬意がこもった冒頭のコメントは、いかにもユルゲン・クロップです。
「ワオ、これはかなり重いね。私に何がいえる?多くの人々に感謝しなければならないとは、はっきりいえるけど」「最初は、家族と一緒に自宅で試合を観ていなければならなかった。何て素晴らしいことだ。20年前、10年前、5年前、4年前も、私がここに立つなんて誰も期待していなかったのに!」
4年前…彼がリヴァプールの指揮官に就任したのは、2015年10月8日でした。プレミアリーグにやってきた外国人が、1度も疑問視されずに栄光をつかむなどということは不可能です。9ヵ月遅れでマンチェスターに到着したペップでさえ「あの激しさに適応できないのではないか」といわれた国で、クロップに対する懸念は「ゲーゲンプレッシングはタイトなスケジュールを乗り切れないのではないか?」。初年度からキャピタルワンカップとヨーロッパリーグでファイナリストになったため、戦術をインストールする間もない日々を過ごし、プレミアリーグは8位フィニッシュという微妙な着地でした。
2年めにチャンピオンズリーグ出場権を獲得し、3年めもプレミアリーグのTOP4をキープしつつCLで決勝進出。レアル・マドリードとの一戦は、ガレス・ベイルにアクロバティックな決勝ゴールを喰らい、準優勝に終わりました。壇上からポチェッティーノ監督に語りかけたとき、1年5ヵ月前に味わった苦さを思い出していたのでしょうか。
ゲーゲンプレスが売りだった指揮官は、ファン・ダイク、ロバートソン、アーノルド、アリソン・ベッカーとともに鉄壁の守備を築き、引いて戦うこともできるようになっていました。2018-19シーズンは、プレミアリーグ30勝7分1敗という完璧に近い数字ながらペップの後塵を拝しましたが、マドリードで戦ったスパーズとのCLファイナルでリベンジを果たしました。今回の表彰は、誰もが納得する結末だったのではないでしょうか。
「(スピーチを)あまり長くしたくないが、最後にこのステージを使ってひとつだけいわせてほしい。これは個人賞だ。私は個人賞の意義を100%理解していないのだけれど、受け取ろう。多くの人のために、ここにいるのだから」
「ここに来られなかった多くの人々がいる。今日ここで”コモン・ゴール・ファミリー”のメンバーであることをお伝えできるのが誇らしく、ハッピーだ」
ファン・マタを中心に立ち上がったチャリティー団体をアナウンスし、彼のスピーチは終わりました。オーナー、スタッフ、選手、サポーターとともに勝ち取った栄冠であり、ひいてはサッカー界を取り巻くすべての人々によって成立している世界だから…。自分ひとりの手柄ではないという姿勢を終始貫いた最優秀監督に敬意を表し、祝福の言葉を選びたいと思います。リヴァプールを信じ、ともに戦い、チームを盛り上げてきたみなさん、おめでとうございます。このたびは、みなさんの仲間が素晴らしい賞に輝きましたね、と。
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ありがとうございます。グッときました。
クロップは本当に最高のマネージャーです。
強者を率いるよりチャレンジャーが好きなのも、また好感度高いですよね。
レッズと最高のマッチングです。
ペップの徹底した理想主義者っぷりも悪くないですが。
・・・
この男はライバルクラブのサポーターであろうと、嫌いになるのは難しいですね。
リバプールの強さに憎たらしさは覚えますが、最高の男というとのは、分かります。
ああ、何故赤い悪魔はこの男をファギーの後釜に選ばなかったのか!!
心温まる時事ネタ、ありがとうございます。
エピソードに事欠かない人ですね。
ポチェ監督とペップ監督の昨シーズンはそれぞれが快挙でした。受賞の瞬間もそれを忘れない素晴らしいフェアネスと男気だと思います。
コウチーニョが退団した時、残されたメンバーを見て長いトンネルを予想しましたが、僅か一年半で今の輝かしいスカッドを築き上げたクロップ監督の手腕に本当に驚かされました。
受賞おめでとうございます。