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チェルシー、アーセナル、マン・ユナイテッド…それぞれの「若手抜擢」の是非を考察。

昨季プレミアリーグ王者のマンチェスター・シティとCLファイナリストのトッテナムは弱点補強、チャンピオンズリーグを制したリヴァプールは将来投資。現状の戦力とレベルに手応えを感じている3チームは、夏のマーケットで大物獲得をせず、継続性重視の補強を行いました。これに対して、補強禁止処分を受けたチェルシー、ヨーロッパリーグにまわったマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルは、若いタレントを活用した新たなチームづくりにトライしています。付け焼刃でビッグネームを獲得しても2強に追いつくことはできないと判断し、中長期的な強化による数年後の戴冠を目論んでいるのでしょう。彼らをひとことでくくれば「若手抜擢」ですが、それぞれのニュアンスは異なります。

ウナイ・エメリが積極的に起用しているのはウィロック、ネルソン、サカ、メートランド=ナイルズ。彼らの起用はメスト・エジルのコンディション不良やベジェリンの長期離脱とリンクしており、若手シフトというよりは競争環境の活性化といったほうが適切でしょう。前線にオーバメヤン、ラカゼット、ニコラ・ペペ、中盤はグエンドゥジとジャカ、最終ラインにはパパスタソプーロスとダヴィド・ルイスと背骨は健在。エジル、ベジェリン、ティアニーらがトップフォームを取り戻せば、U-23の選手たちの出番は限られるのではないでしょうか。課題となっている守備の安定化が図れれば、スパーズやブルーズとTOP4を争うポテンシャルは充分にあると思われます。

フランク・ランパードとオーレ・グンナー・スールシャールは、明確に若手登用というコンセプトを打ち出していますが、「飲み頃になったワインのコルクを抜いた」ランパードに対して、スールシャールは理想主義的に映ります。ダービー・カウンティからやってきたチェルシーのレジェンドの出発点は、補強禁止、アザールやモラタの移籍、ハドソン=オドイとロフタス=チークの長期離脱でした。新たな戦力を獲得できなかっただけでなく、昨季の主力まで失ったなかで、ローン移籍させていた若い選手たちからプレミアリーグで通用すると確信したタレントを厳選したのが今のチームです。

ランパードが理想を追ったわけではなく、リアリストであることは、バチュアイとズマの復帰に表れています。スウォンジーでプレミアリーグを経験し、昨季のアストン・ヴィラで公式戦40試合26発と大暴れしたタミー・アブラハムですが、チェルシーのエースとして活躍できるかは未知数でした。オリヴィエ・ジルーを残したうえで、バチュアイまで押さえたのは、若い選手が空回りした際の保険でしょう。

開幕から起用しているメイソン・マウントは、ダービー・カウンティで指揮を執りながら実力を把握できていたアタッカー。アザールの後釜というと荷が重い感がありますが、プリシッチとカラム・ハドソン=オドイという伸びしろもあり、中盤とサイドの顔ぶれは悪くありません。ダヴィド・ルイスの放出には驚きましたが、CBもリュディガー、クリステンセンという経験値とフィカヨ・トモリ&ズマという期待値を組み合わせています。アスピリクエタのポジションを狙うリース・ジェームズも、国内カップで試されるものと思われます。

若手と主力の融合を目論んだランパードに対して、スールシャールのこだわりには大いに疑問があります。ルカクとアレクシス・サンチェスを構想外とするなら、なぜブルーノ・フェルナンデス、マンジュキッチ、ジョレンテといった得点源を加えなかったのか。グリーンウッドやアンヘル・ゴメス、タヒス・チョンといった面々は、ランパードが開けた飲み頃ワインよりひと世代若い銘柄です。ラシュフォードが負傷したら、17歳に頼らなければならないスカッドはいかにも脆弱。マクトミネイやアンドレアス・ペレイラは、これから化けるかもしれませんが、現状のプレイでスパーズやブルーズのレギュラーになれるかと問われれば、多くのファンの答えは同じでしょう。

21歳のイングランド人ストライカーに未来を託した赤と青ですが、片やはジルーとバチュアイという「実績」をベンチに備え、もう一方はグリーンウッド、アンヘル・ゴメスら「願望」のみを握りしめています。レスター優勝というミラクルを体験したわれわれは、どちらが成功する、失敗すると断言はできませんが、「フットボールのプロではないCEOと、ビッグクラブを率いたことがないノルウェー人監督は危険な綱渡りを続けている」と明言してもいいでしょう。ユルゲン・クロップは、リヴァプールを欧州戴冠に導くのに3年半が必要でした。マンチェスター・ユナイテッドの復活は、最速でも2022-23シーズンではないでしょうか。

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“チェルシー、アーセナル、マン・ユナイテッド…それぞれの「若手抜擢」の是非を考察。” への3件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    もしかりにアーセナルに敗れ、セントジェームズパークで勝ち点を落とすようだと、リバプール戦次第でスールシャール解任も…。
    まだまだ迷走が続きそうな気配。

  2. デリック より:

    ガナファンです。
    今回こそはさすがに勝てるだろと思っても勝てないのが対ユナイテッドなんですよねえ。
    アーセナルの状態もイマイチだから、どうなるかわかりませんね。

  3. プレミアリーグ大好き! より:

    身内に甘く外様に厳しいというのがクラブの最大の問題点だと思います。
    クラブのレジェンドであるスールシャール 以外が就任後にこの戦績ならすでに解任されているはずです。
    選手起用にしても同じことで、ラッシュフォードやリンガード、ペレイラあたりは毎週ひどい動きしかしてないのに特権のようにスタメン起用される。
    グリーンウッド、ゴメスに至ってはプレミアリーグのレベルにないのにベンチの筆頭選手です。
    はっきりいって舐めてるとしか思えません。

    管理人さんはリバプールを例にして2022〜23までは優勝は無理だと予想していますが私は今後10年は無理だと思います。
    クロップ以前のリバプールだって実績ある選手をとってきて使うくらいの分別はありましたからね。

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