イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

史上最高のアリソンと尖りまくりのファン・ダイク…リヴァプールの堅守をスタッツでチェック!

そのプレイを見た瞬間、モンスターという言葉が脳裏に浮かびました。プレミアリーグ26節のノリッジ&リヴァプール。最下位チームのしぶとい守備を崩せずにいた世界王者は、36分にラインの裏を取られてしまいました。自陣左サイドにいたマクリーンが柔らかいロングフィード。ルップが手を挙げて走り出した瞬間、ロバートソンはオフサイドを主張したのですが、ファン・ダイクが残っていたのです。黄色いシャツの7番が完全にフリーになり、アリソンと1対1。いや、すぐ横にプッキがいたので、1対2というべきでしょう。

アリソンと対峙したルップはコースがないと判断したのでしょう。今季プレミアリーグで11ゴールのエースに転がしたラストパスは、納得のチョイスでした。無人のゴールに流し込んでホームチームが先制…と思いきや、右に飛んだ守護神が右手でボールをはたき、エースはシュートを打てずに終わりました。「唖然とした」「彼は人間か?」と地元メディアが盛り上がったビッグセーブ。プレミアリーグ18試合出場で、47本のオンターゲットのうち6本しかゴールを許していないワールドクラスのGKは、セーブ率87.2%という出色のスタッツを記録しています。直近のプレミアリーグ11試合で10回のクリーンシート。259分で1失点は、史上最高の数字です。

さすがアリソン…と数字を眺めていて気づいたのですが、彼がゴールマウスにいるときに47本しかオンターゲットを打たせていない最終ラインも、相当秀逸です。90分あたりで2.7本。12月4日のマージーサイドダービー以外で、2失点以上が1度もないのも納得です。これをきっかけに、レッズの堅守にまつわるスタッツを集めてみようと思い立ちました。絶句させられたのは、やっぱりヴィルジル・ファン・ダイク。彼が叩き出す数字は、どこを取っても「何やそれ!」を連発してしまいます。

プレミアリーグ2019-20シーズンはフルタイム出場、通したパスは2137本で、2位のアーノルドを350本以上引き離してぶっちぎりのTOP。ヘディングで決めた4ゴール(アーノルドが3アシスト!)は、クリス・ウッズの5発に次ぐリーグ2位です。ヘディングで125勝は全体の4位、DFではタルコフスキと3勝差の2位と、とにかく尖りまくっているのですが、びっくりしたのはこの数字です。

タックル21回、シュートブロック10回、ファールはわずか10回!

CBはボックス付近にいることが多いため、SBと比べるとタックル数は少なくなるのですが、大半の時間を最終ラインで過ごしているフェルナンジーニョは40回、マグワイアは30回、クリーンなボール奪取が多いアルデルヴァイレルトも29回を記録しています。レッズの大黒柱は、タックルもシュートブロックもファールもせずに、涼しいで90分を過ごしてしまうこともあるようです。今季のレッズは、ファールが1試合あたり8.5回と最も少なく、イエローカード26枚も最下位。TOPのアーセナルの62枚の半分以下で、PKを1度も与えていないのはニューカッスルと彼らだけです。

1対1に滅法強く、大半のオンターゲットをキャッチしてしまう守護神と、読みのよさと体の寄せ方だけでボールを奪い、空の王者でもあるCBが揃えば無敵なのだとあらためて感じた次第です。われわれは、近年稀に見る凄いチームをリアルタイムで味わっているのですね。ユルゲン・クロップと彼らの弛みない進化の足跡に深々と頭を下げ、次のハマーズ戦に勝てばプレミアリーグタイ記録の18連勝かと、ひとりごつのであります。
…そうだ、その前にアトレティコ・マドリード戦でしたね。2020年に入ってから、アダマ・トラオレ&ラウル・ヒメネスの名コンビと、シュルーズベリーのジェイソン・カミングスにしかゴールを許していないチームの、素晴らしい堅守を堪能させていただきます。

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