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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

就任100試合めは不名誉なレコード…現地記者のレポートから考えるスールシャールの限界。

オーレ・グンナー・スールシャールの記念すべき100試合めは、18位に終わった1972-73シーズン以来の開幕4試合ホーム勝利なしという不名誉なレコードを打ち立てるゲームとなりました。ビッグ6とのアウェイゲームでは29試合連続で勝利がなかったアーセナルは、2006年9月以来、14年ぶりのオールド・トラフォードでの勝利でした。かつての2強のゲームをレポートした「BBC」のサイモン・ストーン記者は、「シアター・オブ・ドリームズ」における4戦連続の勝ち点ロストが、いかに厳しい結果であるかを過去のデータで表現しています。

「ユナイテッドは、今季プレミアリーグの6試合でわずか7ポイント。7位に終わったデヴィッド・モイーズが2013-14年に指揮を執った後、この時期で最低の数字」
「ユナイテッドは、過去7試合のプレミアリーグのホームゲームで、5つのペナルティを許した。その前に、オールド・トラフォードで5回のペナルティを与えるまでには101試合を要している」
「ポグバは、スールシャール就任以降のプレミアリーグで3つのペナルティを許したが、他のマンチェスター・ユナイテッドの選手は2つ以上与えていない。
「オーバメヤンは、プレミアリーグ創設以降のオールド・トラフォードでペナルティを決めた最初のアーセナルの選手となった。前の2つの試みはどちらも失敗している(2011年のロビン・ファン・ペルシと2006年のジウベルト・シウヴァ)」

直前のCLでライプツィヒを5-0でねじ伏せたチームには、何が足りなかったのでしょうか。サイモン・ストーン記者と「スカイスポーツニュース」のベン・ランサム記者のレポートは、そのまま「スールシャール評」と受け取ってもいいでしょう。「過去2週間、ユナイテッドはニューカッスルでエクセレントで、パリに対して見事であり、RBライプツィヒに対して目覚ましい戦績を残した」と振り返った「BBC」の名物記者は、チェルシーとアーセナルに対してノーゴールに終わったチームについて、戦術の柔軟性とオプションの欠如を指摘。スカイスポーツのレポーターも、スールシャールにはベースのシステムがないと喝破しています。

「アーセナル戦では、ライプツィヒに対して完全に機能したダイアモンドフォーメーションに固執したが、ミケル・アルテタの鍛錬された布陣はミッドウィークのユナイテッドが満喫したスペースを許さず、まったく効果がないことがわかった」
「ポグバに加えて、ブルーノ・フェルナンデスも何物でもなかった。エディソン・カバーニはしっかりフィットしていないと結論付けられる。そうでなければ、彼はこれまでよりかなり早い時間に呼ばれていたはずだ」(サイモン・ストーン/BBC)

「日曜日は、ミケル・アルテタが戦術的なシステムを設定していたことを示した。彼は1年足らずだが、オーレ・グンナー・スールシャールはまだそこにいない。彼は選手たちをプレイさせる方法を見出し、システムを築き上げる必要がある」「彼が、これといったシステムに出くわすかどうかに興味がある。ダイヤモンド型の中盤を手の内に入れたと考えていたはずだけどね。いま一度うまくいく配置を発見できれば、勢いづくと思う」(ベン・ランサム/スカイスポーツ)

アーセナル戦で最も残念だったのは、ダイヤモンドの右端にファン・デ・ベークを使わなかったことです。4-3-1-2という布陣は、ブルーノ・フェルナンデス、ポグバ、ファン・デ・ベークを適材適所で同時起用できる唯一のフォーメーションといっても過言ではないでしょう。マンチェスター・ユナイテッドの指揮官は、入団から2ヵ月以上経ったオランダ代表を未だフィットさせられておらず、カバーニを投入した際の攻め方も明確ではありません。

カンテの脇にカイ・ハヴェルツとメイソン・マウントを配する攻撃的な形を成功させたランパードや、鳴り物入りのトーマス・パーティー&レンタルバックのエルネニーという「Wニューフェイスシステム」で勝ったアルテタを見ると、決まった11人でしかハイパフォーマンスを実現できないスールシャールに限界を感じてしまいます。あまりにも不安定な戦いぶりに、「スールシャールがこの仕事にふさわしい人物であるかどうかに疑問が残るのも不思議ではない(サイモン・ストーン)」という声が挙がるのは避けられないでしょう。

2018年12月の就任直後は、モウリーニョのアプローチにストレスを溜めていた選手たちを解放して17試合で14勝の快進撃。3月のアーセナル戦を落とし、負傷者が増えると12試合で8敗の大スランプ。2019-20シーズンの最初の11試合では3勝しかできなかったのに、諦めかけた終盤戦を14戦無敗で疾走してプレミアリーグ3位でフィニッシュ。スールシャールの戦績が極端なのは、その時々でベストな11人でチームを完成させるためにオプションがなく、特定の選手の離脱や不振で瓦解するというジェンガのようなチーム作りを繰り返していたからではないでしょうか。

プレミアリーグが、10試合の総当たり戦を4回繰り返すレギュレーションならば、1回は優勝できるかもしれませんが、38試合で勝者を決める長丁場を制するとは思えません。8節のエヴァートン戦は得意の(?)アウェイゲームですが、マンチェスター・ユナイテッドはライプツィヒ戦を再現するのか、アーセナル戦の過ちを繰り返すのか。選手にもサポーターにも経営ボードにも、おそらくスールシャール監督自身にもどうなるか読めないジェットコースターのような毎日に、そろそろピリオドを打っていただければと思います。スローなパスワークを見ながら脳裏に浮かぶのは、エリクセン、デル・アリ、デル・アリ、トリッピアー、エリック・ダイアー、デンベレがスプリントしまくっていたあのチームの指揮官なのですが…。


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