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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

信念、安定、成熟…スパーズを立て直したジョゼ・モウリーニョの1年を振り返る。

ノースロンドンに彼がやってきたのは、2019年11月20日。前任のマウリシオ・ポチェッティーノの下で不振に陥ったクラブは、プレミアリーグ12試合3勝5分4敗で14位に沈んでいました。最初の工夫は、プレミアリーグ出場が3試合に留まっていたエリック・ダイアーを中盤センターに据えること。ウェストハムの本拠地ロンドン・スタジアムに乗り込んだ初陣は、ソン・フンミン、ルーカス・モウラ、ハリー・ケインが前半にゴールを重ね、2-3で勝っています。

あれから1年。ジョゼ・モウリーニョ率いる新生スパーズは、5勝2分1敗で2位と絶好のポジションをキープしています。前節のWBA戦に勝った後、レスターが3ポイントをゲットするまで束の間の首位奪取。プレミアリーグのテーブルの最上位にスパーズの名前が載るのは、2014年以来6年ぶりです。上機嫌で新しい靴を磨く姿をインスタグラムにUPした指揮官は、「スカイスポーツ」のガリー・コッテリル記者の独占インタビューに応じ、これまでの順調な戦いぶりについて「いい感じだ」と話し始めました。

「首位に立てたのは、われわれがとてもよくやれていることを意味している。マーケットでいい仕事をした。プレシーズンもいい仕事ができた。プレミアリーグの開幕戦は敗れた(エヴァートンに0-1)が、われわれの安定と重要な信念に影響を与えたわけではなかった。シーズン中に、われわれは何度も負けるだろうけど、信念、安定、成熟度を持ち続けるのはとても大事なことだ。いい時間を過ごせている。深刻な負傷もなく、いいプレイをして勝っている」

ポチェッティーノ監督の後を継いだ2019-20シーズンは、苦しい時間が続きました。年末までは5勝1分2敗とまずまずの出来だったのですが、ニューイヤーズデイのサウサンプトン戦でハリー・ケインが左足のハムストリングを負傷。3勝1分2敗と停滞したチームは、2月16日のアストン・ヴィラ戦でソン・フンミンも失ってしまいました。エースの穴を埋め、直前まで3戦4発と奮闘していた7番の右腕骨折がいかに激痛だったかは、直後の1分2敗という戦績が物語っています。

コロナウイルスによるパンデミックで中断していたプレミアリーグの再開時は8位。イングランド代表と韓国代表のエースが復帰したチームは、5勝3分1敗と立ち直ったものの、順位を2つ上げるのが精一杯でした。チャンピオンズリーグの出場権を奪還したいクラブは、夏のマーケットで積極的な補強を敢行。ドハーティー、レギロン、ホイビュルクといった中盤から後ろの新戦力獲得は大成功で、ハリー・ケインとソン・フンミンを休ませたいときは、ガレス・ベイルとヴィニシウスを前線に据えることができるようになりました。

新チームのスタッツで目を引くのは、シュート数です。トータル111本、オンターゲット48本はいずれもリヴァプールに次ぐ2位。アルデルヴァイレルトのロングフィードを合図にシンプルにゴールに迫る中央突破、長短のカウンター、レギロンとドハーティーを走らせるサイドアタックは迫力充分で、8戦8発2アシストのソン・フンミンと8戦7発8アシストのハリー・ケインを止めるのは困難です。プレミアリーグ19ゴールは、チェルシーの1差の2位。ガレス・ベイルとルーカス・モウラのギアがトップに入れば、プレミアリーグとヨーロッパリーグで優勝を狙えるチームに進化するのではないでしょうか。

インターナショナルブレイク明けのゲームは、ホームのマンチェスター・シティ戦です。2023年まで契約を延長したばかりのペップは、負傷しているアグエロとスターリングを起用できるのでしょうか。3位リヴァプールとTOPのレスターが直接対決となっており、レアル・マドリード時代からの仇敵を叩ければ、暫定ではない首位に立てる可能性があります。最終ラインと中盤センターに安定を、前線には成熟を、チーム全体に信念をもたらした名将の手綱さばきと、試合後のインスタグラムに注目しましょう。(ジョゼ・モウリーニョ 写真著作者/Steffen Prößdorf)


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