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解任予想オッズが急落!ユルゲン・クロップ監督の去就について思うこと。


「正気の沙汰ではない」。ガリー・リネカーさんが非難しているのは、ユルゲン・クロップを解任すべきとぶち上げた一部の急進的なサポーターです。レスター戦で逆転負けを喫してプレミアリーグ3連敗となり、6位に転落したとはいえ、4位チェルシーとの差は2ポイント。直近の10試合で2勝3分5敗と絶不調に陥ったチームに苛立つのはわかりますが、長らく停滞していたリヴァプールにチャンピオンズリーグとプレミアリーグをもたらした指揮官には、巻き返しのチャンスが与えられるべきでしょう。

「ザ・タイムズ」のヘンリー・ウィンター記者も、解任などありえないと主張しています。「情熱、エネルギー、卓越したチームづくりでイングリッシュ・フットボールに多大な興奮と喜びをもたらしてきた。王者は脆弱であり、タイトルは遠のいたけど、彼は最愛の母親を失ったばかりだ。感情的になることを許されるべきだろう。多少緩んでも、リスペクトに値する」。世界最古の新聞でプレミアリーグのレポートを配信するチーフフットボールライターの言葉に、多くのレッズサポーターがうなずいたのではないでしょうか。

とはいえ、土曜日のランチタイムには50倍だったクロップ解任オッズが、レスター戦によって急激に下がったのは事実です。「スカイベット」は、2.5倍のモウリーニョに次ぐ4倍。「ウィリアムヒル」は7倍としており、モウリーニョ、ホジソンに続く3番人気です。サポーターの声やゴシップの流通によって、可能性ありと見たプレミアリーグファンが多数乗っかったのでしょう。2勝1分5敗で解任されたフランク・ランパードをやむなしとする向きには、ユルゲン・クロップにも同じことがいえます。

これらの噂について、チャンピオンズリーグのライプツィヒ戦を控えたプレスカンファレンスで問われたご本人は、辞任も解任も否定しています。「聞いている。アンフィールドでファンが掲げてくれたバナーは素晴らしい。特段のサポートを必要とは感じていないが、ナイスだった」「解任も辞任も、その可能性はない。私にブレイクは必要ない。われわれタフな時間を過ごしているけど、100%家族のようなつながりをもって受け止めている」。2014年にドルトムントが最下位に転落したときも、踏み止まって戦った指揮官に、途中で投げ出すという選択肢はないでしょう。

クロップ解任があるとすれば、選手との関係に修復不能な溝が生じた時だけだと思われますが、主力にその兆候は感じられません。彼らが自信とモチベーションを回復すれば、昨季プレミアリーグ王者らしいフットボールを取り戻せるはずです。とはいえ、私にはひとつだけ懸念があります。クロップ監督がシーズン中に去ることはないと信じる一方で、2020-21シーズンが終わった後、リヴァプールを離れようとするのではないかという疑念を消せないのです。

昨年2月に「インディペンデント」が、「クロップ監督が契約満了あるいは解任となったら、クラブはドイツに新居を用意する」という契約が存在すると報じました。いつかはドイツと公言していた指揮官は、コロナウイルスによるパンデミック以降、母国帰還への思いを募らせているように感じられるのです。1月19日に、「私の全てだった」母のエリザベトさんが死去。葬儀に出席できなかったクロップ監督は、「状況が許せばすぐにでも、母にふさわしい告別式を執り行いたい」と語っています。

リヴァプールをさらに進化させ、ビッグタイトルを重ねたいという意欲と、望郷の念。クロップ監督の心を支配するのは、どちらの感情なのでしょうか。プレミアリーグに参入してから、5年4ヵ月。チャンピオンズリーグファイナル進出2回、プレミアリーグ優勝と準優勝が1回ずつと、ペップに勝るとも劣らない実績を残してきた名将には、できるだけ長くいてほしいのですが…。

リヴァプールには、勝ち続けてくれと願っています。彼が残るとすれば、その原動力は勝利の積み重ねにほかならないと思えるからです。そして、もうひとつ。彼を苛立たせる解任などというつまらない話は、ライプツィヒ戦とマージーサイドダービーのパフォーマンスによって消し去ってくれ、と。


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“解任予想オッズが急落!ユルゲン・クロップ監督の去就について思うこと。” への4件のフィードバック

  1. まさやん より:

    更新お疲れ様です。
    解任は有り得ないと思います。解任どころか契約を延長して、できるだけ長い期間をクロップにいて欲しいと思ってるサポーターが大多数なのではないでょうか。
    シーズン後の辞任もクロップの性格からして契約満了を待たずして途中で投げ出すことはないと思います。
    今シーズンCL権を逃して来シーズン始まっても調子が上がらずこのままなら解任もやむ無しかとは思いますが…

    ファンとしては明朝のゲームからまた強いリヴァプールを見せてくれることを願うだけです。

  2. アセットマネジメント より:

    30年待った。栄光の過程を知っているサポーターなら、クロップがアンフィールドに植え付けた情熱と継続の必要性を理解しているのでは。

  3. アイク より:

    更新ありがとうございます!
    解任なんて正気かと思いますが、誰を連れてくれば良くなるのかの具体案があれば、議論は出来ますね。
    あと、彼にとって家を買ってもらえる契約がインセンティブになるかは謎です。

  4. JUDE より:

    更新お疲れ様です。
    18-19シーズンから観戦しだしたので、まだ主力や監督が移籍、解任を経験していません。
    サッカーにはよくあることだとは思いますが、このまま長く監督であって欲しいです。
    ララーナの移籍は哀しかった…。

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